蹴っ飛ばしてやったわ
アメリカからやって来たカウチサーファー、スコットも加わって、
私の家はまさに混沌たるカオス状態だ。

今、私の家には、ニュージーランドから来ているカウチサーファー、リリィーが泊まっている。
彼女はなかなか律儀で、一宿一飯の恩義は忘れない。
姉御肌タイプの女性だ。
彼女は今日は一人でお出かけ。
博物館で法然上人の展示を見る予定だったのだが、説明は全て日本語表記だというので断念したらしい。
天気もそんなに良くなかったので、河原町周辺でショッピングを楽しんだそうだ。
そして彼女はお土産にゴディヴァのチョコレートを買ってきてくれました。
ベルギーに4年半住んでいた彼女にとって、このゴディヴァは思い入れのあるお店なんだそうです。

甘いものが大好きな私にとって、これ以上のプレゼントはありません。
そして今日もリリィーは夕食にパスタを作ってくれました。

今日から新しいカウチサーファー、スコットが我々の仲間に加わることになります。
アメリカ人である彼の英語はわかりやすくはあるのですが、スピードが速い。
会話についていくのに苦労します。
そして案の定、リリィーとスコットが話し出すと、もう私が会話に入り込む余地はありません。
恐るべし、ネイティブ・スピーカー。
ところがリリィーさんは、あまりこのスコットのことが好きではないようです。
彼女に言わせると、彼はただの「フリー・ローダー」だそうです。
カウチサーフィンは、単なる無償の宿の提供サービスではありません。
互いの国の文化の交流がメインのはずです。
今、日本でもカウチサーフィンの認知度が高まってきています。
でも、なかにはこんな体験談も見受けられます。
「宿泊費がタダで海外旅行ができた!」
「とてもリッチな家に泊めてもらって、豪華な食事にありつけた!」
カウチサーファーのなかには、こういう考え方の人間をとても嫌う人もいます。
私もそうです。
人にたかるばかりで、自分は何も提供しない、
そういう人間は「フリー・ローダー」と呼ばれ、忌み嫌われます。
これからカウチサーフィンを利用しようとしている人は、くれぐれも注意してください。
そして、このスコット。
我々の提供する食事は残さず食べます。
でも、我々と積極的に会話しようという気はないようです。
ずーっとパソコンをいじってます。
もちろん私のパソコンです。
業を煮やしたリリィーさんは、2日目の朝からは彼に朝食を作ってあげることを止めました。
さらにこのスコットは、夜中まで電気をつけてゴソゴソとしています。
やっと寝たと思ったら、今度は大いびき!
キレたリリィーさんは、とうとう過激な行動に出ました。

「あまりにうるさかったから、
蹴っ飛ばしてやったわっ! 」
これに懲りたのか、スコットは翌朝旅立って行きました。
ああ、あわれなスコット。
神の御加護があらんことを。
私も寝てる時にいびきをかかないように気をつけねば。
リリィーお姉さまに蹴られたくはありませんから。
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