君の名は・・・(リヴィウ、ウクライナ)
ヨーロッパを旅するようになってもうずいぶんと経つが、いまだにバスは苦手だ。
どこで降りればいいのかタイミングがつかめない。
だから目的地を運転手に連呼して、そこで降ろしてもらえるようにアピールする。
でもたいていの運転手は英語ができないので、返事がかえってこない。
私の言ったことを相手が理解したのかどうかわからず、不安なままバスに乗り続けることになる。
それでもリヴィウはまだましだ。
人々が親切で、助けてくれる。
英語なんてまったく話さないおじいさんですら手を差し伸べてくれる。
「ここで降りろ。わしの後をついてこい。駅まで案内してやる」
身振り手振りでそう言ってくれるのである。
私はこれまでたくさんの街を歩いてきた。
「土地柄」というのは確実に存在する。
リヴィウの人は間違いなくとても優しい。

文字は読めなくとも、なんとなく「リヴィウ」と書いてあるんだろうな、と推測できる。

チケット売り場がたくさん並んでいる。
これは電車の切符を買うのも簡単そうだ。
ガイドブックを見せながら、
「オデッサ、トゥナイト! オデッサ、トゥナイト!」
と連呼する。
だが、受付の女の人の反応はにぶい。
手をひらひらと振って、「あっちへ行け」というジェスチャーをする。
どうしてだ?
なんで切符を売ってくれないんだよ!
もしかして行き先ごとに窓口が異なるのだろうか?
どこにもそんなことは書いてないようだが、もしかしたらどこかに書いてあるのかもしれない。
たとえ書いてあったとしても、私はこの国の文字が読めない。
別の窓口に行ってオデッサ行きの切符を買おうとしたのだが、ここでも同じ反応をされた。
だが、さっきの女性よりはジェスチャーが複雑になっている。
どうやら「あっちへ行け」と追い払っているのではなく、こことは別のチケット売り場があるようだ。
あたりを見渡してみるも、それらしきものはない。
それでも女性の指し示した方向に歩いてみるしか他に選択肢はなさそうだ。
重いリュックを背負っているから、あまり無駄に歩きたくはない。
リヴィウ観光に費やせるのは今日一日だけだから、時間だって限られている。
さっさと夜行列車の切符を買って、リヴィウ市街に向かいたい。
しばらく探し回ったのだが、やはりそれらしき場所はない。
再びチケット売り場に戻り、今度は別の窓口に行って「オデッサ!」と叫んだ。
すると窓口の女性は紙に地図を書いてくれた。
それによるとチケット売り場はここからかなり離れたところにあるようだ。
なんで駅のそばに切符売り場がないんだよ。
理解に苦しむ。

メモに書かれたとおりに歩いていくと、遠くに大きな建物が見えた。
まさかとは思うが、あれがリヴィウ駅なのか?
知らなかった。
リヴィウ駅が二つあるなんて。
近距離用と長距離用だろうか。
ガイドブックにはそんなことは書いていない。
私の持っている地球の歩き方は2010年度版。
情報が古いのだろうか。

リヴィウ駅の切符売り場はかなり混雑していた。
窓口がいくつかあるが、どこでもオデッサ行きのチケットは買えるのだろうか?
外国人旅行者っぽい大きなトランクを抱えた人が多そうな列に並んだ。
きっとこの人たちもオデッサに行くのだろうから。

私は基本的に、市内観光には乗り物を使わず、自分の足で歩くというスタンスなのだが、
ここリヴィウでは素直にトラムに乗ることにした。
夜行列車のチケットを買うのにかなり時間がかかってしまったし、
トラムの値段はおどろくほど安かったからだ。
日本円にして20円ほど。
ほとんどタダみたいなものだ。

トラムはリヴィウの中心地、リノック広場に到着した。
いよいよ観光のはじまりだ。

まずは市庁舎の塔に登ってみることにした。

ここはかなりの人気スポットのようで、塔の上は大勢の観光客で混雑していた。

ここからの眺めはそれほどきれいではなかったが、街の位置関係は確認することができた。
予想通り、かなり小さな街だ。
これなら一日あればじゅうぶん見てまわれる。
夜行列車が出発するまで、のんびりと過ごすことにしよう。

ガイドブックを見る限り、この街にそれほど魅力的なスポットはない。
古都の面影を残す、街全体の雰囲気をゆったりと味わうことにしよう。
まずは薬局博物館。
博物館といっても、今も営業中の薬局でもある。

中に入るとけっこうたくさんの人がいて、半分くらいは観光客だが、あとの半分は薬を買いに来た地元の人。
カメラ片手にはしゃいでいる人もいれば、げんなりとした表情で体の不調を訴える人もいる。
古き良き時代の面影を残す、観光都市リヴィウらしい光景だ。

「リヴィウ最古の薬局」というだけあって、店の内部はアンティークな雰囲気があふれている。
棚にはたくさんの瓶が並べられていて、どれも作られてからかなりの時間が経過してそうだ。
でも、店の客が買っていくのはつい最近発売されたばかりのように見える新しい薬ばかり。
現実に体の調子が悪い人はやはり昔の薬よりも、現代科学を駆使した最新の薬の方がいいのだろう。
幸い私は健康だ。
薬なんて必要ない。
でも、せっかくここへ来たのだから、ここの名物を買っていきたい。

それがこれ。
この薬局ができた1735年からここで売られてきた歴史あるお薬。
万病に効く「鉄ワイン」だそうだ。
私の旅はまだまだ続く。
荷物を増やしたくないから、おみやげは買わない主義なのだが、おもわず買ってしまった。
万が一病気になった時のためのお守り代わりになるかもしれない。
それに、安い!
100円もしないのだ。

バックパッカーらしき女の子に、この鉄ワインと一緒に写真を撮るのを手伝ってもらった。
彼女はこの鉄ワインのことを知らなかったようで、
「ところで、あなたが手に持っているのはなに?」
「鉄ワインだよ。この薬局ができた時から存在する薬で、どんな病気でもこれを飲めば治るらしいぜ」
「へえー、おもしろいわね」
彼女は私の持っている瓶を興味深そうに眺めていたが、結局買わなかった。
他の観光客も、地元の人たちも、誰も買わなかった。
薬局の主人も、私がこの鉄ワインを買うと、怪訝な顔をしていた。
実はあまり人気がないのかもしれない。

アルメニア教会


オペラ・バレエ劇場。



大聖堂。
電線がびっしり。
観光都市を標榜するつもりなら、もう少しなんとかした方がいいんじゃない?

街全体としてのリヴィウはとても魅力的なのに、一つ一つの建物はいまいちインパクトがありません。
「見よっ! これがリヴィウだっ!」
と呼べる目玉がないのです。
まあそれがこの街のいいところなのかもしれませんが。

聖アンドレイ教会。

ドミニカ聖堂。

ドミニカ聖堂の内部。
別に教会の中に興味があったわけではありません。
トイレがどこかにないかと期待して入ったのですが、見当たりませんでした。

めぼしい場所はひととおり見てまわったぞ。
さて、これからどうしようか。

私は今回の旅では、訪れた都市のランドマークと一緒に侍の衣装を着て写真を撮ることにしています。
ところが、ここリヴィウにはランドマークと呼べるものがない。
じゃあいったいどこで写真を撮ろう?
そうだ、あの娘と一緒に写真を撮ろう。
今朝この街に到着したときに見かけたあの娘。
あの時は声をかける勇気がなくて、もたもたしているうちに彼女は行ってしまったけれど、今は違う。
サムライの衣装を着た俺にできないことなどない。
今なら堂々と彼女に声をかけることができる。
「ナターシャ、待っててくれ。 必ず君を探し出してみせる」
彼女の名前なんて知りません。
なんとなく「ナターシャ」っぽいな、と思っただけです。
具体的な名前があった方が感情移入しやすいので、私は勝手にあの娘のことをナターシャと呼ぶことにしました。
病んでる?

侍のコスチュームを着てすこし歩くと、すぐに声をかけられました。
彼らは陽気なのですが、あまり英語が得意ではなさそうです。
微妙に会話がちぐはぐしてます。
「あんたたちはこの街に住んでるのかい?」
「俺たちはウクライナ人だ!」
「青いドレスを着た、髪の長い女の子を見かけなかったかい?」
「OK, I understand 」
彼らとの会話からは、まったく得るものはなかったのですが、なぜか妙に楽しい。
なんだかこの街全体が私に笑いかけているような気がします。
「ようサムライ、よく来たな!」
その街との相性というものは確かに存在します。
リヴィウとは相性がよさそうな気がする。
「ナターシャはまだこの街のどこかにいる」
根拠はありませんが、確かにそんな気がします。

ナターシャを探し求めて歩いていると、今度は大きなカメラを持った男性に呼び止められました。
彼はこのリヴィウに住んでいるのですが、カメラが趣味で、いつも被写体を探してこの街をウロウロしているそうです。
「君は実にいい被写体だ。ぜひ写真を撮らせてくれ」
そんなふうに言われたら、やはり悪い気はしません。
彼に要求されるまま、いろんなポーズをとらされましたよ。
「いいよー、いいよー。
じゃあ今度はちょっと体をひねってみようかあ。
いいよー。
もう少し上を向いて。
いいよー。最高だよう」
知らなかった。
モデルになるというのがこんなに快感だとは。
なんだかくせになりそう。

私のカメラでも何枚か撮ってもらったのですが、なんかいまいち。
セミプロを自任する彼ですが、私が撮ってもらいたい写真とはかなりズレがあります。
感性というのは人それぞれ異なるから、それはしかたのないことなのかもしれません。

しかも自称「カメラマン」のこの彼、なかなか注文がうるさいのです。
「今度は走りくるトラムをバックに撮りたいから、トラムが近づいてくるのにあわせて歩いてえ。
あっ、トラムが来た! 急いで! 早くはやくうぅ」
人使いの荒い男だな。

自称カメラマンの君と別れて一人で歩いていると、遠くの方に見覚えのあるシルエットが見えます。
もしかしてナターシャか?

残念、ナターシャではありませんでした。
でもせっかくなので、一緒に写真を撮ってもらえるようにお願いしてみます。
日本にいる時は女の子に声なんて絶対にかけられない私ですが、外国を旅行中なら不思議とできてしまいます。
しかも侍の衣装を着ているときの私は怖いものなし。

この女の子、シャイなのかあまり話しません。
同じウクライナでも、リヴィウとキエフとでは人々の雰囲気がかなり違います。
「君と同じようなドレスを着ている子を探してるんだけど、どこにいるか知ってる?
青いドレスで髪の長い子」
「・・・」
彼女は答えてはくれませんでした。
ただにっこりほほえんで、首をちょこんとかしげるばかり。
英語は苦手なのかな。

もう少しこの女の子と話していたかったのですが、なかなかそうはいきません。
私のまわりが急ににぎやかになったと思ったら、ガキどもに取り囲まれてしまいました。
ギャーギャーわめいてうるさいったらありゃしない。
そのうちの何人かは私の刀を引っ張って奪おうとします。
元気のいいのは当然で、彼らはサッカーチームのメンバーだったのです。
引率のコーチが申し訳なさそうに言います。
「すまないが、この子達と一緒に写真を撮ってもらえないだろうか」
彼らはリヴィウではなく、スロバキアとの国境に近い、カルパチア山脈にある村からやってきたそうです。
日本の子供たちと同じように、ウクライナの歴史を学ぶために修学旅行のようなものがこの国にもあるみたいですね。
それにしてもうるさい子供たちだった。
付き添いの先生もたいへんだな。

おっと、今度はものすごい美人に話しかけられちゃいましたよ!
侍の衣装はご利益があるなー。
この恰好をしてなかったら、絶対にこんな美人と知り合うチャンスなんてなかっただろうな。
それにしてもウクライナの女性というのはほんとに美しい。
彼氏持ちだけど、そんなの気にならないくらいにきれいだ。
ウクライナ人にしては小柄で華奢な体つきの彼女。
思わず抱きしめてしまいたくなります。
隣に彼氏がいるから無理だけど。

彼女たちと話をしていると、わらわらと人が集まってきました。
ウクライナ人というのは、なかなか好奇心旺盛な民族らしい。

この彼、日本のことがむちゃくちゃ好きみたいです。
ずっと日本についてしゃべり続けていました。
私はウクライナやリヴィウのことなんてほとんど知らないのに・・・
なんだか申し訳なくなってきます。

この二人、まったく英語が話せないのに、なぜか私たちとずっと一緒にいました。

ウクライナの人って顔立ちが整っているし、スタイルもいいから、
どんなラフなかっこうをしていても絵になるんですよね。
うらやましい。
一番左の(一番私の好みの)女性が、
「なにか日本語を教えてよ」
と言ってきたので、
「日本が好きです!」
というフレーズを教えました。
私が無理やり言わせたんじゃないですよ。
彼らがビデオに撮れ撮れとうるさかったのです。
ほんとに陽気な人たちでした。
おかげでますますウクライナのことが好きになっちゃったじゃないかよ。

若者の一団が立ち去ると、今度は入れ替わりに小さな子供を連れたお父さんがやってきました。
「ほら、ジャパニーズ・サムライだぞ。 一緒に写真を撮ってもらえ」
お父さんはそう言って、男の子を私の隣に立たせようとするのですが、どう見ても子供はいやがっています。
今にも泣きだしそう。
「ほら、下を向いてないでカメラを見て」
お父さんはそう言うのですが、男の子は下を向いたきり顔を上げません。
なんだか俺が悪者みたいじゃないかよ。
なんとか写真を撮り終えた後も、父親は私から離れようとしません。
なんやかやとしゃべり続けています。
お父さん、子供は早く帰りたがってるよ。
彼は私の侍姿を見て、かなり興奮している様子。
「侍をじかに見るのは初めてだ。
まさかリヴィウでサムライに会えるとは思ってもみなかった」
ごめんねー、俺は偽物なんだけどねー。
「リヴィウにはいつ来たんだ?
なんなら俺がこの街を案内するよ」
彼はそう言ってくれるのですが、子供は・・・
それに市内の主な見どころはすべて見ちゃったしなあ。
「城跡にはもう登ったのか? 景色がよくて、リヴィウの街を見渡せるんだ。
森の中の博物館には行ったか? まだ?
じゃあ俺が連れていってやるよ。ここからそんなに遠くないから」
父親がそう言ってるそばから、子供がぐずりながら手を引っ張っています。
きっと
「お父さーん、早くおうちに帰ろうよー」
と言っているのでしょう。
彼はとてもいい奴みたいだけど、嫌がる子供と一緒にいても楽しめそうにありません。
それに私にはナターシャを探すという使命がまだ残っているのです。

ナターシャはどこだ?
リヴィウは小さな街だし、あんなに目立つ格好をしている女の子を見つけられないはずがないんだけどな。
太陽の力がだんだんと弱くなり、日暮れが近いことを知らせています。
だんだんとあせる私。
なんだかさっきから同じ道ばかり歩いている気がする。

「コンニチハ」
今度は日本語で話しかけられました。
またもや美男美女のカップル。
ウクライナという国はいったいどうなってるんだ?
ところでなぜこの男性は日本語を話しているんだろう。
そんなに日本はリヴィウで人気があるのだろうか。
彼はただ単に日本文化が好きというだけではありませんでした。
なんと合気道2段の腕前だそうです。
リヴィウにも合気道の道場があるのだとか。
袴を着ている私を見て、
「リヴィウには演武会で来たの?」
と聞いてきます。
完全に私のことを合気道の達人だと誤解している様子。
やばい。
冷や汗がでてきた。
今までの経験上、こういう場合、
「ぜひお手合わせをお願いします。」
とか
「うちの道場に来て、稽古をつけてくだされ」
という流れになることが予想されます。
しかし私には合気道の経験はまったくありません。
空手ならちいとばかし自信があるんだけどね。
なんとか話題を合気道からそらし、お茶を濁してその場を退散しました。
袴を履いてヨーロッパを歩くと、合気道がいかにポピュラーなのかを思い知らされます。
侍の衣装を着るからには、剣術や合気道も身につけておかないとだめだな。
日本に帰ったら道場に通うことにしよう。

市庁舎の前で休憩していると、今度はふたりの男の子に捕まってしまいました。
どうやら双子のようです。
彼らは私の刀に興味があるらしく、
「それをよこせ」
というジェスチャーをしています。
彼らに刀を渡すと、母親が目をむいて驚いていました。
「大丈夫ですよ。 偽物ですから危なくないです」
双子の顔つきを見てもわかるとおり、この子たちのお母さんもとてもきれいな人でした。
ウクライナでは美人でない人を探す方が難しいのかもしれません。

暗くなる前に電車の駅に着いておきたかったので、そろそろタイムリミットです。
「ああ、最後にあの娘をもう一度見たかったなあ」
あきらめてトラムに乗ろうとした時、遠くの方で見覚えのあるシルエットが揺れているのを視界の隅がとらえました。
青いドレスをたなびかせ、ふわふわと歩いていきます。
やっと見つけた。間違いない、ナターシャだ。
今度こそ逃がさないぞ。

これほど目立つ女の子を探し出すのに、どうしてこんなに時間がかかったのだろう。
彼女こそ、私が思い描いていた「ウクライナ人の女の子」のイメージそのものです。
この写真ではわかりにくいですが、八重歯と呼ぶにはあまりにも大きすぎる歯が唇から飛び出しています。
もしかしてルーマニア人の血も引いてるのかな?
「写真を撮ってもいい?」
と聞くと、にっこりとほほ笑んでうなずいてくれました。

残念ながら彼女はほとんど英語が話せないようです。
せっかく会えたのだから、もっとお話ししたかったのですが、なかなか難しそう。
名前を聞いたのですが、私の言っていることが理解できないみたいでした。
でもまあいいや。
彼女はナターシャだ。
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