娘さんは芸能人?!(キエフ、ウクライナ)

食卓の上に無造作に置かれた銃。
モデルガンではありません。
本物の銃です。
軍用の自動小銃を改造した狩猟用。
もちろんアナトリーは銃の所持許可をとっています。


元軍人のアナトリーに銃の扱い方を教わりました。
今回の旅行では紛争地帯を訪れることはありません。
なので今のところ、銃を使わなければならない状況に陥る予定はないのですが、知っておいて損はないですからね。

ひととおり写真を撮り終えたら、今度はアナトリーの番です。
彼も侍の衣装に着替えて撮影タイムとなりました。

さすが軍隊で鍛えられただけあって、銃の構え方にも年季が入っています。
袴の横から見えている下着がなければ、もっとかっこよかったんでしょうけどねえ。

アナトリーは仕事に出かけようとしていた奥さんを呼び止めて、これらの写真を見せます。
「どうだ!?」
「うそっ! これ、あなたなの?」
奥さんはアナトリーの侍姿にえらく感激しておりました。
私たち日本人が思っている以上に、欧米人にとってサムライというのはインパクトがあるようです。

アナトリーの奥さんはこれから仕事に出かけるので、彼女と会うのはこれが最後です。
すごくきれいで賢いのに、どこかおちゃめなところがあって、とても魅力的な女性でした。
時々日本に来るみたいなので、今度はぜひ日本でお会いしたいものです。

彼女は別れ際、おみやげをくれました。
それだけではなく、私のためにお弁当まで用意してくれていたのです。
ウクライナの人ってやさしいな。

どこからどう見ても完璧な夫婦。
アナトリー、あんたのことをホモだと疑ったりして悪かった。
朝食を食べながら、今日のうちあわせをします。
キエフの主な見どころは昨日までにほぼ見てしまっているので、今日は特に観光の予定はありません。
なので彼はまたもや私のために詳しすぎるスケジュールを組んでくれました。

仕事に行く途中、アナトリーは車でとある公園まで送ってくれました。
「ここからアンドレイ教会までの道は、とても素晴らしい景色が続くんだ。
普通の外国人旅行者はここのことを知らない。
だからゆったりとできるぞ。
キエフ最後の日をたっぷり楽しめ、マサト」
そう言ってアナトリーは去っていきました。

いきなりカラフルな小便小僧の歓迎をうけます。

そんなにジッと見つめられちゃあ、カップルも落ち着いていちゃつくこともできないことでしょう。

こんなベンチに座りたくない・・・

ウクライナ人の芸術的センスって・・・

なんだかトラウマになりそうな遊戯道具。
ウクライナの子供たちの将来が心配です。

ここはキエフ市民にはけっこう人気のスポットみたいですね。

どうやらこうやって中に入って写真を撮るのが通のたしなみのようです。


私もやってみました。

でもやはり、ウクライナ人のセンスにはついていけません。
実は今日は人と会う約束があったので、彼からの電話を待っていたのですが、いまだにありません。
どうやら彼とは会えないみたいです。
ぽっかり予定が空いてしまいました。
昨日はキエフ市内を縦横無尽に歩き回ったので、今日はのんびりと過ごすことにしましょう。
郵便局で絵葉書を買って、独立広場で書きました。

あてもなくキエフ市内を歩いていると、時々こういうのに出くわします。
一見平和そうに見えるキエフですが、戦争の影は確実に暗い影を落としています。

プーチンの顔が印刷されたトイレットペーパー。
本人が見たら余計に戦争が泥沼化しそうな気が・・・
アナトリーの家に早めに帰り、荷造りをすることにしました。
今夜はリヴネ行きの夜行列車に乗るのです。
なんだかアナトリーはうれしそう。
どうやら今夜、娘さんが帰ってくるそうです。
「娘さんはどこに行ってたの? 旅行?」
「いや、ロシア国境地帯だ」
「え? あそこは今戦争中で、危ない場所じゃないか」
「そうだ。 私の娘はそこで戦っている兵士たちを鼓舞するために、危険を冒して行ってきたんだ」
話をよく聞いてみると、アナトリーの娘さんは歌手なのだそうです。
下の動画は、彼女たちのPV.
金髪の方の女性がアナトリーの娘さんです。
彼女たちの公式ホームページ。
「VRODA」
ウクライナ語で「Beauty」という意味らしい。
その名の通り、二人とも美しい。
http://vroda.info/
「それってひょっとして、あんたの娘さんは芸能人ってこと?」
私がそう尋ねると、アナトリーはうれしそうに娘自慢を始めました。
「今夜ここに来るのか? 会いたい! ぜひとも一目見たい!」
「なに言ってるんだマサト。
お前はもうすでに電車のチケットを買ってしまってるじゃないか。
早くしないと乗り遅れるぞ」
ただでさえ美人の多い国、ウクライナ。
その中でもさらに美しいアナトリーの娘さん。
しかも芸能人!
ちくしょう、アナトリー。
わざと秘密にしていただろう?
そんなに俺と会わせたくないのか。
ちなみに彼女の身長は185㎝。
うわっ、俺より10センチも高いじゃないかよ。
つま先立ちしてもキスするのは難しそうだな。
彼女にかがんでもらわないと。
もちろんアナトリーに見つかったら射殺されるだろうが、そのスリルがまたたまんないんだよな。

アナトリーの運転する車でキエフ駅まで送ってもらいました。
車内でもアナトリーは上機嫌。
そりゃそうでしょう。
むさくるしい男を追い出して、そのかわりにかわいい娘さんが帰ってくるのですから。
ちくしょう、ちくしょう。
ウクライナの芸能人、会いたかったなあ。

列車内ではなぜか火を焚いています。
蒸気機関車かこれは?
そのせいか車内はとても暑い。
もちろんウクライナの電車にクーラーなんてあるはずありません。


寝台車の車内。
暑いし、狭い。
リヴネには夜中の2時に到着し、そこで夜を明かすことになります。
リヴネの駅がどんな場所なのかはわかりません。
なので今は横になって、ひたすら体力を温存することに努めよう。
リヴネは今回の旅のハイライトのひとつ。
「恋人たちの緑のトンネル」のある場所なのですから、気合いれていかねば。
- 関連記事
-
- ポチョムキンの階段(オデッサ、ウクライナ)
- 目のやり場に困る (オデッサ、ウクライナ)
- リヴィウ~オデッサ(ウクライナ)
- 君の名は・・・(リヴィウ、ウクライナ)
- 現地の人の生活を体験できる! それがカウチサーフィンだっ!(リヴィウ、ウクライナ)
- あなた震えてるじゃない(リヴィウ、ウクライナ)
- 恋人たちの愛のトンネル(リヴネ、ウクライナ)
- 娘さんは芸能人?!(キエフ、ウクライナ)
- 独立広場の決闘(キエフ、ウクライナ)
- ヌーディストビーチ(キエフ、ウクライナ)
- ハズレか? 当たりか? (キエフ、ウクライナ)
- 正義はどちらに? (ミンスク、ベラルーシ)
- 中尉の村( ミール城、 ベラルーシ)
- フルスロットル・ホスト(ミンスク、ベラルーシ)
- リトアニア~ベラルーシ
テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行