カウチサーフィン(CouchSurfing)と愉快な仲間たち

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独立広場の決闘(キエフ、ウクライナ)

キエフ(ウクライナ)でカウチサーフィン(CouchSurfing)、2日目。


朝起きて下に下りていくと、すでにアナトリーがいた。
パンツ一枚でダンベルを持ち上げている。
裸の上半身からは湯気がたっている。
もうすでにかなり長い間トレーニングをしていたようだ。

「よう、遅かったじゃないか」
遅いもんか。
夜明けの時刻にあわせてタイマーをセットしておいたんだから。
そっちが早すぎるんだよ。




トレーニングを終えた後、一緒に朝食をとる。
これはなんだろう?
ひまわりの種?
いったいどうやって食べるんだ?




カップにいれてお湯を注ぎ、ふたをしてしばらく置いてから食べるらしい。




激しいトレーニングの後だから、朝からがっつりと食べる。




ヨーグルトをまぜて食べる。
私も今日は一日動き回る予定だから、食える時に食っておく。




昨日は一日、私のために仕事を休んでくれたアナトリーだが、さすがに今日は働かなくてはいけない。
でも大丈夫。
アナトリーのおかげで、昨日のうちにしっかりとキエフの地理を把握することができた。
今日は朝からガンガン観光するぞ。

まず向かったのは独立広場。
どこへ行くにしても、ここが拠点となる。


昨日はずっとアナトリーの車に乗りっぱなしだったので、今日は歩こうと思う。
ウクライナは今、国境地帯で戦争をしている。
他の国とは少し違う。
せっかくこの時期にウクライナを訪れたのだから、特殊な状況下にあるこの国の「今」を肌で直接感じたい。
そのためには自分の足で歩くのが一番だ。


そう思って歩き始めたものの、予想以上に時間がかかることに気付いた。
地図で見る限り、キエフは小さな街だが、実際に歩いてみるとけっこう広い。

広大なキエフの地図を無理やりガイドブックの1ページに収めたからだろうか。
なんかおかしい。
もうとっくに1㎞は歩いたはずだ。
もしかしてこの地図、縮尺間違ってるんじゃないか?




ようやく一つ目の目的地、キエフ大学に到着。
「なんで真っ赤な色をしているんだ? なんだか血の色のようだ」
と思ってガイドブックを見たら、まさにそのものズバリ、「血の色の大学」と書いてあった。
ロシアの皇帝、ニコライ1世以来の名残らしい。
なんだか教育に悪そうだが、歴史を保存するためにあえて残しているのかもしれない。

大学に来ればウクライナの美人女子学生に会えると思ってきたのだが、あいにく今は夏休み期間中。
大学はガランとしていた。
残念。




次の目的地、ウラジーミル聖堂の近くにきたところで、急に通りがにぎやかになった。
露店がたくさんでてるし、人通りも多い。
「お祭りか?」
とも思ったが、キエフ市内の他の場所では見かけなかった。
このウラジーミル聖堂の周りだけだ。










ウラジーミル聖堂の敷地内はさらに多くの人であふれかえっていた。
スカーフを被った女性もいる。
教会にやってくるくらいだから、きっとみんな敬虔な信者なのだろう。
こんなところでこんな格好をして、こんなことをやっている自分がどうしようもなく不自然に思えてきた。

まあ、侍の恰好をしていれば、どこに行ったって浮いちゃうんだけどね。




今度はキエフ駅へと向かう。
失った入出国カードの行方を探さなくてはならない。

インフォメーションの女性は比較的若い女性だったが、英語がほとんど通じない。
ベラルーシからの夜行列車のチケットを見せながら、
「昨日この電車でキエフまでやってきたんだけど、車内にイミグレーションカードの忘れ物はなかったですか?」
と聞いても通じない。
列車のチケットを眺めながら、時刻表を確認したりしている。

いやいや、そのチケットは昨日のだから。
俺が聞きたいのはイミグレーションカードのことなんだけど・・・


けっきょくここではらちがあかず、別の窓口へ行けと言われた。
別の窓口の女性はかなりの年配だったが、少し英語が通じる。
外国人担当なのかもしれない。
少しほっとするも、やはり私の言わんとしていることが理解できないようだ。
「地球の歩き方」に載っている入出国カードの写真を見せても、反応はイマイチ。

「イミグレーション・オフィスはどこだ?」
と聞いても知らないという。

そんなはずはない。
昨日、夜行列車が到着したとき、確かに係官が乗り込んできて、私のパスポートをチェックした。
この駅のどこかにイミグレーション・オフィスがあるはずなのだ。
そう詰め寄っても女性は首をすくめるばかり。

駅構内を探してみたが、それらしい場所は見つからない。
途方に暮れていたところに、一人の男が現れた。

「私なら君の力になれるよ」

なんだ、この男は?
英語はそこそこ話すようだが、見るからにうさんくさい。
体中からある種の怪しいにおいを発している。
絶対に信用してはならない。

だが、この男の力を借りるしかないのが現状だ。
だめもとで彼に状況を説明してみた。

「それは大問題だ! 今すぐ手をうたねば手遅れになる!」

男は大げさな表現で、私の不安を煽り立てる。
詐欺師の常套手段だ。
たとえそうだとわかっていても、その効果は絶大。
私はとても不安な気持ちになり、大いに焦る。
今にもこの男にすがりつきそうになる。

男は近くを通りかかった警官を捕まえて、なにか話している。
話し終えた後、
「こっちだ。ついてこい」
そう言って歩き出す。
ひょっとして、イミグレーション・オフィスに連れていってくれるのか?

しばらく歩いた後、今度は軍服を着た兵士数名となにやら話し込む。
男と兵士たちは煙草に火をつけ、一服する。
その間私はなにもせずに待っている。
いったい彼らは何をしているのだろう?
誰かを待っているのだろうか。
その誰かとは、私の窮地を救ってくれる人物なのだろうか。

彼らはなにもしてはいなかった。
ただ煙草を吸っていただけだった。

ふざけるなこの野郎。
こっちは急いでるんだ。

煙草を吸い終わった彼は言う。
「ここではあんたの抱えている問題は解決しない。
あんたは大使館に行かなければだめだ。
パスポートは持ってるか?
俺の車で外務省まで連れていってやる。」

男は私に「パスポートを見せろ」、と言う。
なんでお前に見せなきゃならないんだよ。
そもそもお前は誰だ?
それに彼に報酬も支払わなければならないらしい。

もともと大使館には行くつもりだった。
場所も確認済みだ。
彼の力を借りずとも、自分一人で行ける。
報酬を払うつもりもない。

立ち去ろうとする私の背中を、男の声が追いかけてくる。

「もたもたしてると取り返しのつかないことになるぞ!」

人を脅かすことだけは超一流だな。



キエフ駅の構内で外貨の交換所を見つけたので、リトアニアの通貨の両替を試みる。
だが、ここでもやはり受け付けてもらえなかった。
リトアニアのお金というのは、よほど需要がないらしい。

窓口を離れると、すぐに女性が駆け寄ってきた。
闇両替商だ。

「闇」といっても、ここはウクライナの首都、キエフの鉄道駅構内。
あたりには制服を着た警官や軍人がウロウロしている。
女性には不釣り合いな大きなカバンをたすきがけにして、外貨交換所の周りにたむろしている彼女たちは、どこからどう見ても「闇両替商」なのだが、誰も取り締まる気配がない。

ガイドブックには、
「闇両替商は絶対に相手にしてはいけない」
と書いてある。

だが、せっかく外国に来ているのだから、いろんなことを体験してみたい。
日本で闇両替商と出会う機会なんて今までなかった。
それに、「闇」って響きもどこかかっこよくない?
実はアングラな世界にちょびっとあこがれてたりするのです。

なので少額だけ交換してもらうことにした。
レートを確認してみると、思った以上に良いレート。
街中に店を構えている正規の両替商よりもよかったりする。

ガイドブックには、
「手品のようにお金を抜き取られる」
とか書いてあるが、そんな気配もなし。

ほんの少し両替しただけなのに、とても喜んでくれた。
感じのよいおばさんで、何度も「ありがとう、ありがとう」を連発。
そのまましばらく立ち話までしちゃいましたよ。

ダメもとで、
「ポーランドやリトアニアの硬貨も両替してくれないか?」
と頼んでみたところ、あっさりOKしてくれた。
銀行や正規の両替商では紙幣のみを取り扱っていて、硬貨の両替には応じてくれないのが普通です。

硬貨の場合はレートは少し悪くなりましたが、もともとは無駄になる運命だったのです。
たとえ少額でもウクライナの現金に交換できたのはラッキーでした。

闇両替商のおばさんはまたしてもうれしそうに「ありがとう、ありがとう」を連発。
あまりに喜ぶものだから、
「もしかして俺、大損させられてるのかなー」
なんて不安になって、もう一度為替相場を確認してみましたが、間違いはありません。

お互いいい気分になって、おばさんともずいぶん仲良くなれたと思い、
「一緒に写真を撮ろう」
と言ったら、ものすごい剣幕で怒られました。

え! なんで?
さっきまであんなに和気あいあいのムードだったのに・・・

やはり闇両替商は闇両替商でしかなかったのか。
一気に現実に引き戻され、キエフ駅を後にしました。



(シェフチェンコ記念国立オペラ・バレエ劇場)

アナトリーの奥さんから聞いたのですが、ここウクライナには、大勢の日本人留学生がバレエを学びにやってくるのだそうです。




日本食レストラン「村神」。
昨日、別の場所でもこのお店を見ました。
キエフ市内に何店舗も店を構えるチェーン店のようです。
それだけウクライナでは日本食の人気が高いということでしょうか。




黄金の門。
なかなか立派ですが、なんか思い描いていたウクライナのイメージと違う。

というわけで、侍の衣装を着ての記念撮影はパス。




しかしここで、突然日本語で話しかけられました。
「日本人ですか?」
「は、はい」

思わず日本語で答えてしまいましたが、相手の顔はどう見ても日本人には見えません。
おそらくウクライナ人なのでしょうが、日本語がペラペラなので面食らってしまいました。

彼(写真右側の人)は日本の大学に通っています。
もう東京に住んで5年以上にもなるのだとか。
だから流ちょうな日本語を話すんですね。

今は夏休みなので、故郷であるキエフに帰省しているのだとか。
写真左側の彼のお父さんは英語も日本語も話しませんが、とても感じのいい人です。

「どうしてこんな大変な時期にウクライナへやってきたの?」

彼はそう私に尋ねます。
たしかに東部では激しい戦闘が繰り広げられていますが、ここキエフは平和そのもの。
戦争の影はどこにも見えません。


「キエフにはいつまでいる? なにか困ったことがあったら、いつでも僕に連絡して。 きっと力になれると思う」

そう言って彼は電話番号とメールアドレスを教えてくれました。

見ず知らずの人間に、どうしてそこまで親切にしてくれるのだろう? これがウクライナ人の気性なのかな。
と思っていたのですが、実は彼も東京でいろんな人に親切にしてもらったそうです。
日本にやってきたての頃はそれこそ右も左もわからず、毎日 不安で仕方がなかったのだとか。
そんな時にたくさんの日本人に優しくしてもらい、大変感激したといいます。
「だからウクライナでは僕が日本人の力になろうと思ったんだ」

私が日本で彼に親切にしたわけではありません。
でも、こういう好意の連鎖っていいですよね。
私もこの輪を断ち切らないようにしたいと思います。




ようやくキエフ観光の目玉のひとつ、ソフィア大聖堂にたどりつくことができました。




大きすぎて、一緒に写真を撮るのもひと苦労です。
ここは有名な観光スポットであるにもかかわらず、それほど観光客で混雑してはいません。
けっこうゆったりと過ごすことができました。




侍の衣装を着て写真を撮っていると、

「ひとつ聞いていい? いったいなにやってるの?」

と聞かれてしまいました。
このウクライナ人の少年はとてもはきはきとした英語をしゃべり、頭もよさそうです。
ウクライナ人がみんなこの男の子のようだったら、この国を旅するのも楽なのになー。




ソフィア大聖堂を歩いていると、一人の女性が私のことを見つめているのに気付いた。
うるうるした瞳で、ため息までついている。
もちろん、彼女がうっとりとした表情で見つめているのは私ではなく、私の来ている侍の衣装だ。
馬子にも衣裳とはよく言ったもので、侍の衣装を着た私は千倍いい男に見えるらしい。
彼女は私に抱きついて離れなかった(嘘ですよ)。

「一緒に写真を撮ろう」と言うと彼女はおおはしゃぎ。
「本当? うれしいっ!
あなたフェイスブックやってる? この写真を送って。 絶対よ!」

そう言って彼女はアドレスを教えてくれたのだが、それはキリル文字(?)で書かれていた。
私のキーボードでは入力することはできないし、そもそもなんて書いてあるのか読めない。

彼女には悪いが、いまだに写真を送るという約束ははたせていない。




ソフィア大聖堂の次に向かったのは聖ミハイルの黄金ドーム修道院。
長ったらしい名前がついているが、ただ単純に「青の教会」と呼ぶ方がいいと思う。

ここは世界遺産にこそ指定されていないが、私の中ではキエフでもっとも美しい教会だ。
アナトリーに引きずり回されて、ガイドブックに載っていないキエフ中の教会を見てきた私が言うのだから間違いない。

ソフィア広場からはけっこう距離があるはずなのに、光り輝いて見える。
なんて美しいんだ。
こんなのを見せつけられたら、行かずにはいられない。








本当に私はこの教会が気に入ってしまった。
青色にもいろいろあるが、この教会の青は私のツボにぴったりはまってしまったらしい。
青空ともよくあう。
青い建物の上に載っている金色の屋根も光り輝いている。
この教会だけで、何十枚もカメラのメモリーを消費してしまった。

青の教会で夢中になって写真を撮っていると、一人の僧侶が私の方をジッと見ているのに気付いた。
「ひょっとして、神聖なる教会の中で刀を腰に差している侍が気に入らないのだろうか」
とヒヤヒヤしたのだが、私をとがめようとする気配はなさそうだ。

「修道女にカメラを向けてはいけない」という話をどこかで聞いたことがあるので、
きっと僧侶も写真撮影はNGなんだろうな、とは思った。

だが、青の教会のあまりの美しさにハイになっていた私は、果敢にも彼に写真撮影を申し込んでしまった。
僧侶は英語が話せないようだったが、私の言わんとしていることは理解できているようだ。
カメラを向けても立ち去ろうとはしない。


写真を撮った後、僧侶に「ありがとう」と言うと、彼がひとこと。

「で、いくらくれるんだい?」

え? もしかしてこの坊さん、金を要求してるのか?
私は最初耳を疑った。

ローマなどの観光地では、古代ローマ軍の兵士の衣装を着た人がいて、一緒に記念撮影をするとお金を要求される。
だが、教会の僧侶にも同じことを要求されるとは思ってもみなかった。

ヨーロッパを侍の衣装を着て旅行していると、たくさんの人から「写真を一緒に撮ってほしい」とせがまれる。
私は今までそれらの要請を断ったことがない。
ましてやお金を請求しようなんて考えたこともない。

日本のお坊さんにだって、金に汚い人はいる。
僧侶はみな聖人君子たれ、なんて言うつもりもない。

でも、私の大好きな青の教会の住人の口から金を要求されたのはショックだった。
こんなにも美しい建物の中にいる人が、その程度の人間だったなんて信じたくなかった。


英語のできない僧侶さんよ、あんたの唯一知っているフレーズが
「金をよこせ」
なのかい?

いくら払うかって?
答えはNOだ! ゼロだっ! お前なんかに1円も払うもんか。


思わず語気を荒くして怒鳴ってしまったが、今では大人げないことしたと後悔している。
写真を一緒に撮ってお金をもらうことを生業としている人は大勢いる。
なにも珍しいことではない。

ほんの気持ち程度でもいいから、あの僧侶にもお金を支払えばよかったのだ。
これからはお金を要求されたら、いくらかは支払うようにしようと思う。
もちろん不当に高額な要求は断るし、私の方からお金を請求したりはしないが。




この女性、けっこう大きな子供が3人もいるというのに、なお美しい。
やはりウクライナの女性のレベルは高かった。




ついにやってきました、アンドレイ教会。
長らくおあずけを食らっていたので、ようやく対面できた喜びもまたひとしお。





アンドレイ坂。
ただの通りだというのに、こんなに心惹かれる場所もそうないでしょう。

ちなみに、このアンドレイ坂は下りよりも上りの方が風情があると思いました。




アンドレイ坂には露店がズラリと並んでいます。








この時点で今日訪れる予定の場所はペチェールスカ大修道院ひとつを残すのみとなりました。
が、このアンドレイ坂からはかなりの距離があります。

「地下鉄とバスを使うか?」
一瞬悩みましたが、やはり当初の予定通り徒歩で行くことに決定。

ヨーロッパの昼は長い。
日没までにはまだまだたっぷり時間があります。
急ぐ必要はありません。

キエフは今回の旅のハイライトの一つ。
じっくりとこの目で見て、ゆっくりと歩いてみたい。






ようやくたどり着いたペチェールスカ大修道院。
入り口の門かと思いきや、後でガイドブックで確認すると、これは聖三位一体教会なのだとか。
このペチェールスカ大修道院の敷地内にはたくさんの教会があるのですね。
敷地内はかなり広そうです。




大鐘楼は工事中でした。
中には入れません。

ガイドブックには
「2009年8月現在改装のため閉館中」
と書いてあります。

現在は2014年8月。
5年経ってもまだ終わんないのかよ・・・

ガイドブックには
「周囲360度のすばらしいパノラマが楽しめる」
と書いてあったので期待していたのですが、がっかりです。




その埋め合わせというわけでもないでしょうが、大鐘楼のふもとでは、
美しいウクライナ女性がきれいな衣装を着て、これまた美しい歌声を披露してくれていました。




ウクライナの女の子たちと遭遇




彼女たちに

「チャイ?」(あなたは中国人なの?)

と聞かれました。
「いや、日本人だ」
と答えると、ホッとした様子。

「チャイ(中国人)、NO!
ジャパン、GOOD!」

どうやら中国人はかなり嫌われているみたいです。
「日本人は好き!」と言われてうれしくなりましたが、同時に複雑な気持ちにもなりました。

ヨーロッパ人にとって日本人も中国人も見た目は変わらないのです。
私たちは日本語と中国語の区別がつきますが、欧米人には難しい。

つまり、彼らにとっては日本人も中国人も一緒なのです。
中国人が世界中で嫌われているということは、日本人もそのとばっちりを食うということになります。











ウスペンスキー大聖堂






全聖者教会

帰りはバスを利用しました。
今日の目標をすべて達成した安堵からか、バスの中で居眠り。
どうやら降りるべき場所を乗り過ごしてしまったようです。
目が覚めた時には、自分が今どこにいるのかわからなくなってしまっていました。

でもまあきっとキエフ市内のどこかなのでしょう。
地下鉄の駅のマークが見えた時点でバスを飛び下りました。

駅名を確認すると、当初乗る予定だった路線とはまた別の地下鉄です。
独立広場まで戻るためには一度乗り換えなくてはならず、ややこしい。

でもまあこうやって迷うことで、より旅の記憶は鮮明なものとなるのです。
キエフの交通機関をより知ることができることにもなり、一石二鳥です。




さすがに疲れがでてきたのですが、夕陽に映えるウクライナの独立記念碑を見て目が醒めました。




独立広場では一人のウクライナ人青年と出会って話し込みました。
彼の英語はとても早口で、ついていくのが厳しい。
きっと頭の回転が速いのでしょう。

話の内容も多岐にわたり、アニメやゲームの話から世界情勢まで、常に頭をフル稼働させなければおいていかれます。
それはそれでとても有意義な時間なのですが、私は日が暮れる前にアナトリーの家に帰りたい。
あたりが暗くなると、道に迷う可能性が高くなるからです。
それに、独立広場で侍の衣装を着て写真も撮りたい。

しかし彼の話はエンドレス。
気が付くと、太陽が地平線に隠れようとしています。
ヤバい、限界だ。

まだまだしゃべり足りなそうな彼の話を強引にさえぎり、引き取ってもらったのでありました。
さあ、急いで写真を撮って引き揚げよう。




そう思っていた矢先、今度は3人組の男が話しかけてきました。
サムライは忙しいのだな。

「あんた、そんな格好してるけど、腕の方は確かなのかい?」

なんか挑発的な言動。
と思っていたら、

「ちょうど俺たちは腕のたつ男を探していたんだ。
あんたは探してた条件に合いそうだ。
どうだい、俺たちと一戦交えないかい?」

ほんとに戦いを申し込まれました。


彼らはインターネット上で動画を配信する番組を制作していて、今回のテーマは「道行く人と枕で殴り合う」というなんともおバカなテーマ。
なんだかおもしろそう。
もちろん喜んで参加させてもらいましたよ。








「番組のためのたんなるおふざけ」
かと思って甘く見ていたのですが、この男、本気で殴ってきます。
しっかり体重を乗せて。

しかも、枕だってけっこう重い。
顔面にヒットしたら失神するレベルです。


彼と戦っているうちに、だんだんと本気になってきました。
いや、本気でやらないとボッコボコにされてしまう。

あれ?
俺、はるばるウクライナまでやってきて、いったいなにやってるんだろ?





以下のビデオが編集後のものです。
私の出番は最後の10秒ほど。
ラストシーンも私ですよ。






夜の独立広場は昼間とはまた異なる趣があってきれいです。




しかし、親ロ派との戦いで犠牲となった人たちの写真がたくさん並んでいるのを見せつけられると、この国の置かれている深刻さを直視せざるをえません。




このような写真はここだけでなく、市内のあちこちで見かけました。




一見平穏に見えるキエフ。
しかし確実にこの国は今戦争状態にあるのです。



__________________________________________



ビデオ撮影のせいで、すっかり暗くなってしまいました。
でも、とても有意義な経験をさせてもらうこともできました。
キエフの中心地、独立広場で侍の衣装を着てウクライナ人と殴り合うなんて経験、そうそうできるもんじゃありませんからね。

ひと段落ついて、かなりお腹が減っていることに気がつきました。
もうあたりはすでに暗くなってしまっているので、今さら急いだって仕方ありません。
市内でゆっくり晩御飯を食べてから帰ることにしました。
キエフでのホスト、アナトリーの家の周辺には食べるところはなさそうですから。

もしかしたら彼らの家で夕食にありつけるかもしれませんが、それを期待して帰るのはあまりにも図々しい。
アナトリーに「帰るのは遅くなる」旨の連絡を入れてから、夕食にしました。


しかし、問題はこれからです。
アナトリーの家まで自力で帰り着かなければなりません。
彼の家は実にわかりにくい場所にあるのです。

もちろん朝出発する前に目印となるポイントはしっかりと把握しておきました。
が、昼と夜とでは景色の見え方が全然違います。
バスの窓から見る眺めには、まったく見覚えがありません。

バスの停留所には停留所名を示すプレートもなく、どこで降りればよいのかわからないのです。

「あれー、おかしいなー。こんなに時間かかったっけ?」

と思っているうちに、バスはストップ。
どうやら終点まで来てしまったようです。

バスの運転手さんに目的地を告げると、そこはとっくの昔に通過してしまったとのこと。
「なんでもっと早く降りなかったんだ?」
と呆れられてしまいました。

幸いこのバスは終着駅から再び同じルートを折り返し運行するそうです。
追加料金もとられませんでした。
今度は運転手さんが降りる場所を教えてくれました。
「ここだ! ここがお前の降りる場所だ」

ああ、情けない。
旅人初心者か、俺は。


バスを降りた後も私の迷走は続きます。
「たしか二つ目の路地だったよなー。」
などと思いつつ記憶を頼りに歩いてみたものの、まったく見覚えのない場所に出てしまいました。

あたりは真っ暗。
人通りだってほとんどありません。
だんだん不安になります。

「落ち着け、落ち着け。こういう時は焦らず振り出しに戻った方がけっきょくは近道なんだ」
そう言い聞かせてまた元のバス停からスタートするのですが、何度やってもアナトリーの家にたどり着けません。

アナトリーの家はこのすぐ近くのはずなので、電話して迎えに来てもらうことは可能です。
でも、それはあまりにも情けない。
なんとか自力で帰り着きたいところです。

さっきから何度も同じところを堂々巡りしていたので、今度は違うルートを考えてみます。

「でも、どう考えてもこっちじゃないんだよなー」

と思いつつ歩いていると、なんだか見覚えのある場所に出ました。
実は、バスの運転手さんは私を別の場所で降ろしていたのです。

なぜだ?
アナトリーに書いてもらったメモをそのまま見せたのだから、絶対に間違うはずなんてないのに・・・


けっきょく家にたどり着いたのは夜の11時。
アナトリーはかなり不機嫌そうです。
無理もありません。
彼には仕事があります。
明日も朝早く起きなければならないのです。

「メシは食ったのか?」

それでも私のことを気遣ってくれるアナトリーの目をまともに見ることはできませんでした。
本当に申し訳ないです。


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No title

濃い一日でしたね~!本当に面白い。

お金を請求されたのは残念ですね、イミグレーションカード大丈夫でしたか?闇商の人が旅行者と写真は取れないですね・・


お金を払う状況って悩みますね。

だますのは論外ですが、私は以前タイのナイトマーケットで買い物したとき値切りました。ガイドブックには値段交渉が面白いとは書いてありました。
今思うと旅行者には大した値段ではないし彼らが一生懸命手作りした物なんだから普通の値段で買うべきだったと思いました。


でも一度経験しないとわからないです。経験あるのみですねー

Re: No title

> 濃い一日でしたね~

東欧にはあまり期待していなかったのですが、毎日がとても刺激的でした。



> 今思うと旅行者には大した値段ではないし彼らが一生懸命手作りした物なんだから普通の値段で買うべきだったと思いました。


私もカンボジアで同じような気持ちになりました。

http://couchsurfingkyoto.blog.fc2.com/blog-entry-622.html

彼らと我々とでは1ドルの重みがまったく異なるのですね。


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カウチサーフィン(CouchSurfing)とは?

CouchSurfingKyoto

Author:CouchSurfingKyoto
.カウチサーフィン(CouchSurfing)とは。

日本に観光に来た外国人の宿として無償で自宅を提供し、国際交流を深めるというカウチサーフィン。

また、自分が海外に旅行に行く時には、現地の一般家庭に泊めてもらい、その土地に住む人々の生の暮らしを体験することだってできてしまいます。

ここは、そんなカウチサーフィンの日常をありのままにつづったブログです。

「カウチサーフィンは危険じゃないの?」
そんな危惧も理解できます。
たしかに事件やトラブルも起こっています。

なにかと日本人にはなじみにくいカウチサーフィン。

・登録の仕方がわからない
・詳しい使い方を知りたい
・評判が気になる

そんな人は、ぜひこのブログをチェックしてみてください。
きっと役に立つと思います。

最後に。

「カウチサーフィンを利用すれば、ホテル代が浮く」

私はこの考え方を否定しているわけではありません。
私もそのつもりでカウチサーフィンを始めましたから。

しかし、カウチサーフィンは単なる無料のホテルではありません。
現在、約8割のメンバーはカウチの提供をしていません。サーフのみです。

だって、泊める側にはメリットなんてなさそうですものね。

「自分の部屋で他人と一緒に寝るなんて考えられない」
「お世話したりするのってめんどくさそう」

時々私はこんな質問を受けることがあります。

「なぜホストは見知らぬ人を家に招き入れるのか?」

それはね、もちろん楽しいからですよ。

自己紹介
プロフィール


こんにちは。
京都でカウチサーフィン(CouchSurfing)のホストをしている、マサトという者です。
ときどきふらりと旅にも出ます。
もちろん、カウチサーフィンで!


(海外)
2011年、ユーレイル・グローバルパスが利用可能なヨーロッパ22カ国を全て旅しました。
それに加えて、イギリスと台湾も訪問。
もちろん、これら24カ国全ての国でカウチサーフィン(CouchSurfing)を利用。

2012年、東南アジア8カ国とオーストラリアを周遊。
ミャンマーを除く、8カ国でカウチサーフィンを利用しました。

2013年、香港、中国、マカオをカウチサーフィンを利用して旅行。 風水や太極拳、カンフーを堪能してきました。

2014年、侍の衣装を着て東ヨーロッパ20か国を旅行してきました。


(日本国内)
これまでに京都で329人(53カ国)のカウチサーファーをホストしてきました(2013年6月25日現在)。

もちろん、これからもどんどんカウチサーフィンを通じていろいろな国の人と会うつもりです。



カウチサーファーとしてのカウチサーフィン(CouchSurfing)の経験:


オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、スロヴェニア、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、台湾

シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、タイ、ミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナム

香港、中国、マカオ

スロヴァキア、ポーランド、リトアニア、ラトヴィア、エストニア、ベラルーシ、ウクライナ、モルドヴァ、沿ドニエストル共和国、ルーマニア、セルビア、マケドニア、アルバニア、コソヴォ、モンテネグロ、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、リヒテンシュタイン


ホストとしてのカウチサーフィン(CouchSurfing)の経験:


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