ヌーディストビーチ(キエフ、ウクライナ)

ついにやってきました、ウクライナのビーチ!
普通の日本人観光客には、キエフのドニエプル川で泳ごうという発想はあまりないでしょう。
アナトリー、でかしたっ!
ナイス・サジェストだ。

対岸にはアンドレイ教会が見えます。
なかなか良いロケーション。

さきほど見た川沿いの教会も見えます。

簡易更衣室。
これがビーチに点在しています。
なんだかちゃちな造りで、その気になれば簡単に中をのぞけてしまいますが、
まあそんな無粋なことをする奴はウクライナにはいないのでしょう。

ひょっとしてヌーディストビーチなのでは?
と淡い期待を抱いていたのですが、みなさんしっかりと水着を着こんでいらっしゃる。
まあ当然か。
かりにもここはウクライナの首都なのだから。

せっかくだから、アナトリーと記念撮影!
な、なんか俺たちヤバくない?

こ、これはどう見てもホモ・カップルだろ・・・
またペギーにあらぬ疑いをかけられそうだ。

次にアナトリーが連れてきてくれたのは、軍事博物館。
戦車がズラリとならんで圧巻です。

キエフで軍事博物館に寄る予定はありませんでした。
というより、そんな物があるなんて知りませんでした。
東側の兵器を見る機会はこういうときくらいしかありませんから、まあ寄っていきましょう。

ここでもアナトリーはひとつひとつの兵器について詳しく解説してくれます。
「なんでそんなによく知ってるんだ?」
と思っていたら、彼は元軍人だったそうです。
そういえば、彼の顔はそんな顔つきをしている。
初めてアナトリーの写真をカウチサーフィンのプロフィールで見た時、
「なんだかロシアの軍人さんみたいな顔だなあ」
という印象を受けたのですが、あながちそれは間違いではなかったのですね。


通常兵器の他にも、こんな物騒なものが・・・



軍事博物館のすぐそばに大祖国戦争歴史博物館もあります。
ちなみにこの彫像は、モスクワの方向を向いているのだとか。
ロシアに対するウクライナの断固たる姿勢の表れなのでしょうか。

そしてここからはペチェールスカ大修道院がすぐ近くに見えます。
でもやっぱりアナトリーはそこに行く気はないみたい。
ちぇっ。また おあずけかよ。

きれいにカラーリングされた戦車は、子供たちの遊び場と化していました。

躍動感あふれる彫像。

夕方、ようやくアナトリーの家に帰ってきました。
これが今夜のカウチ。
なかなか豪勢です。
まるで一流ホテル。
こんな部屋にタダで泊まれるのですから、カウチサーフィンはやめられません。
それにしても、まる一日車でキエフ市内を走り回ったというのに、
ガイドブックに載ってるような場所は一つも行かなかったな。

さっそく夕食をふるまわれました。
アナトリーの家は広く、庭を見渡すことのできるテラスで食事をとります。
なかなかぜいたくですね。



サーロー一式!
たまねぎや生のにんにくと一緒にボリボリ食べます。
こんなのを毎日食ってるウクライナ人はきっと精力絶倫に違いない。

ソースと一緒にパンに乗せて食べます。
このサーロー、ウォッカによくあう!
私は普段お酒はあまりたしなみませんが、サーローと一緒ならウォッカがうまいんです。
ついつい飲みすぎてしまいます。
ウクライナ人に酒豪が多いのは、このサーローのせいかもしれません。

自家製ウォッカ。

食後にはデザートとお茶。
このデザート、なんだかよくわからない食べ物ですが、とにかくうまい!

食事の後は再びお出かけ。
いったいどこに行くんだい、アナトリー?
「いいところに連れていってやろう、マサト」
「いいとこってどこ?」
「ヌーディストビーチ」
え?
首都のキエフにヌーディストビーチ?
そもそもキエフには海すらないというのに?

ヌーディストビーチは車ですぐのところにあるらしい。
「毎日夕方にそこでひと泳ぎするのがわしらの日課じゃ」
なんと、奥さんも一緒に行くらしい。

車を停めて、森の奥へ。
本当にこんなところにヌーディストビーチが存在するのだろうか?

そのヌーディストビーチは森の中にある湖にありました。
この湖の周りには背の高い草が生い茂っており、さらにビーチは一段低いところにあります。
なので外からは容易に見ることができません。
というわけでここがヌーディストビーチたりうるということらしいです。

せっかくなのでヌーディストビーチなるものを体験してみたかったのですが、とても無理!
ここは森の中。しかも日は暮れかかっています。
とても寒いんです。
パンツどころか、服を脱ぐ気にすらなりません。
いや、服を着ていても寒い。
彼らが泳いでいる間、私は毛布にくるまって一人ふるえていました。

「マサト、あなたは泳がないの?
あら、毛布になんかくるまっちゃって。
ほんとに変な人ねえ。」
変なのはそっちの方だ。
こんなに寒いのにバシャバシャ泳ぐなんてどうかしてる。
ウクライナ人の神経はいったいどうなってるんだ?
あれ?
奥さん水着きてる。
ここはヌーディストビーチじゃなかったのか?
ひょっとしてアナトリー、外から見えないことをいいことに、あんたが勝手に脱いでるだけじゃないのか?
おまわりさん、ここに露出狂がいますよ!

ビーチからは若い男女の歓声が聞こえてきます。
彼らは水着を着てるのか、それとも裸なのか?
確かめてみたかったのですが、あまりの寒さにとてもそれどころではありませんでした。
まあいいや。
オデッサには有名なヌーディストビーチがあるということなので、そっちに期待することにしよう。

家に帰ると、アナトリーの奥さんが一枚のパンフレットをくれました。
表紙の写真は彼女のものです。
やはりウクライナの女性は美しい。
彼女はウクライナの民族舞踊の団体を主宰しているのだとか。
日本にも何度か公演に来たことがあるそうです。
その時に覚えたのか、日本語の歌を何曲か歌ってくれました。
「しあわせなら手をたたこ、しあわせなら態度でしめそうよ、・・・」
なかなか上手な日本語です。
キエフでウクライナ人から日本の歌を聞かされるとは思ってもいませんでした。

写真の中央に写っているのがいるのがアナトリーたちの娘さん、アーニャ。
ほえええ、ウクライナの民族舞踊ってせくしぃだなあ。

このパンフレットには他にもきれいな女の子がいっぱい。
みんなアナトリーの奥さんの主宰するダンス教室の生徒さんなのだそうです。
その教室はここから近く、彼女は毎日そこで教えています。
「明日、ぜひ見学させてくださいっ!」
何度も彼女に頼んだのですが、私の英語が通じないのか、彼女は私がなにを言いたいのかわからない様子。
もしかしたらやんわりと断られていたのかもしれません。
やはり下心が見え見えだったか。

彼女は生徒さんたちのコーラスが収録されたCDもくれました。
あの、できたらDVDの方がいいんですけど・・・
それも、なるべく過激なやつお願いします。
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サーローを肴にウォッカを飲む。
もっともぜいたくなウクライナの夜の過ごし方だ。
アナトリーは地図を広げながら、明日の予定を説明する。
彼は仕事があるので、明日は一緒に来れない。
そのために、私が一人でも歩けるようにレクチャーしてくれているのだ。
親切はありがたいのだが、私には私の、行きたい場所というものがある。
アナトリーの意見は大いに参考にさせてもらうが、やはり自分のスケジュールは自分で決めたい。
だが、そんなことにはおかまいなしに、アナトリーは話し続ける。
地図に大きく番号までふって、訪れる順番や道順を細かく書き込んでいく。
所要時間や費用、見どころなど、まさに頼りになるガイドだ。
彼の話を聞いているうちに、今日の彼の行動の意味がわかったような気がした。
今日彼が連れていってくれたのはどこもわかりにくい場所にあり、、交通の便が悪く、公共交通機関では訪れるのが難しいと思われる場所が多かった。
ガイドブックに載っているような有名観光スポット周辺には標識などもあり、自力で訪れることはそう難しいことではないから、彼に案内してもらう必要なんてないのだ。
そして目印となる場所では車を停め、私の記憶に残りやすいように配慮をしてくれた。
そんな調子でまる一日、車でキエフの街を走り回ったのだから、私の頭の中には市内の様子がしっかりと刷り込まれている。
この街に来てまだ一日目だが、私はもうすでに自由自在に歩き回ることができるようになっていた。
アナトリーのおかげだ。
「マサト、明日は何時に起きる?」
と聞かれたので、
「そうだなあ、8時くらいかな。今日は疲れたからゆっくり寝たいよ」
と答えたらアナトリーは失望していた。
彼は毎朝夜明けとともに起床してトレーニングにはげむ。
きっと私にも同じことを期待していたのだろう。
私はカウチサーフィンのプロフィールに自分のことを「サムライ」と記載している。
「日本の侍はきっとストイックで勤勉に違いない」
アナトリーはそう解釈して、私を彼の家に招待したのかもしれない。
そんな彼の期待を裏切ってしまった。
侍は朝遅くまで惰眠をむさぼったりはしないのだ。
カウチサーフィンを無料の宿としかみなしていないサーファーのなんと多いことか。
だが私は京都で400人ものカウチサーファーをホストしてきた。
ホスト経験のない、その他大勢のサーファーとは違うという自負がある。
ホストする側の気持ちはわかっている。
サーフする側にメリットがあるように、ホストする側にだって意義があるのだ。
何の目的もなしに自宅を見知らぬ外国人に開放する人なんていない。
そこのところをわかっていないカウチサーファーは多い。
「食事を一回おごればいいんだろう」
「おみやげを持っていったからそれでいいだろう」
そんな問題じゃないのだ。
「いや、アナトリー、違うんだ。
昨日はベラルーシからの夜行列車でよく眠れなかったし、夜中の3時に国境通過の審査があったから、明日の朝は遅くまで寝ていたいんだよ。
俺だって日本にいるときは朝早くに起きるし、トレーニングだって欠かさないんだよ」
と、のどまででかかったが、やめておいた。
日本人は、侍は言い訳なんてしてはいけない。
これ以上アナトリーを失望させるわけにはいかない。
ただ黙って夜明け前に起き、アナトリーと一緒にトレーニングすればいいだけの話だ。
俺にだって意地がある。
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