空手一家 (ヴィリニュス、リトアニア)

ヴィリニュスでお世話になったカウチサーフィンのホスト、スヴァジュナスの一家。
ほんとにいい人たちでした。

スヴァジュナスの子供達は空手を習っています。
私が侍の衣装を着ているのに対抗して、わざわざ空手着に着替えてきました。
もう一人の女の子はフェンシングをやっているので、サーベルを持ってきています。
こういうノリのいい人たち、大好きです。



庭を犬が走り回り、ブランコやバレーボール・コート、バーベキューセットまである豪邸に住むスヴァジュナス一家。
ガレージにはカヌーが3艘あり、雪が積もれば敷地内でスノボも可能。
仕事は4時には終わり、毎日家族とゆっくり夕食を食べることができる。
本当の豊かさというものは、GDPなんかでは測ることはできない。
今回は主に旧共産圏の国々を巡る。
いろんな人と話をする機会もあった。
「ソ連統治時代の方がよかった」
と言う人もいるが、スヴァジュナスたちは違う。
「くたばれレーニン、NATO万歳!」
一つのケーキの配給を受けるために半日も並んでいた時代に戻りたいなんて誰も思わないだろう。
だが、それは現在彼らが豊かな生活を享受できているからこそ言えることだ。
多くの旧共産圏の国々は今なお貧困にあえいでいる。
「昔はよかった。豊かではなかったかもしれないが、生活は保証されていた。失業者なんていなかった。それに、みんな平等だった」
資本主義と共産主義。
どちらがいいとは一概には決められないのかもしれない。
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ミンスク行きのチケットは、朝の7時発のを買った。
スヴァジュナスの家からヴィリニュス駅までは1時間かかる。
余裕をみて、5時半には家を出たい。
だが、公共の交通機関はまだ動いていない。
「タクシーを呼んでくれ」
とスヴァジュナスに言うと、彼が車で送ってくれるという。
その日は祝日で、彼らの休日にあたる。
せっかくの休みの日に朝の5時に起きるなんて誰だって嫌だろう。
「いや、悪いよ。タクシーで行くから大丈夫」
何度もそう言ったのだが、彼はウンとは言わない。
申し訳ない。
ほんとに申し訳ない。
私は大勢の人に生かされている。
いつか彼らに恩返しできる日はくるのだろうか。

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