ミス・インドネシア

私はもともと社交的な人間ではない。
でも、カウチサーフィンを始めてから、実にたくさんの人たちと出会ってきた。
年齢も国籍も異なる人々が、毎週、時には毎日のように入れ替わり立ち替わり私の部屋を訪れ、眠り、そして去ってゆく。
それきり何の音沙汰のない人もいれば、フェイスブックなどを通じて近況を報告しあう人もいる。
なかには数年にわたり手紙(メールではない)をやり取りしたり、お互いの家を訪問しあったりする人だっている。
日本人同士でもこれほど親密になることはまれだ。
また、カウチサーフィンを通じて、実にいろんな種類の人と出会うこともできた。
元KGBのエージェント、イラク帰還兵、ヌーディストのゲイ・・・
普通に暮らしているだけでは、こういった人と出会うのはなかなか難しかっただろう。
消極的な性格の私が、短期間にこれほどたくさんの人と出会うことができた。
カウチサーフィンには本当に感謝している。
そして今回のゲストは、元ミス・インドネシア。
ミス・ジャカルタだったかな?
まあ、どっちでも似たようなもんだろう。
とびっきりの美人であることにはかわりはないんだから。
ミス・インドネシア?
なんだってそんな人間が俺のむさ苦しいアパートに泊まりに来るんだ?

彼女の名はウィミー。
数年前にミス・ジャカルタの栄冠に輝き、それ以来モデルやテレビのレポーターなどとして活躍している。


ウィミーがこれまでに出演したコマーシャルや広告は数知れない。
試しに彼女の名前でグーグル検索をかけてみたら、たくさんヒットした。
youtube でも彼女の動画を見ることができる。
どうやら彼女はなかなかの売れっ子のようだ。


ウィミーは現在、活動の場をジャカルタからニュージーランドに移している。
そのエキゾチックな風貌で、オーストラリアやニュージーランドの男性たちを魅了し続けているに違いない。
そういえば、突然私の目の前から失踪した前回のゲスト、リンダもジャカルタに暮らしていたことがあると言っていたっけ。
彼女に逃げられた時、私の繊細なハートは少なからず傷ついた。
そんな私の傷心をウィニーなら癒してくれるかもしれない。
彼女はいつもにこにこしながら私の話を聞いてくれる。
きらきらした瞳は澄んでいて、じっと見つめられると吸い込まれそうになる。
だが、吸い込まれるわけにはいかない。
だってウィニーはボーイフレンドと一緒に旅行しているのだから。
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