疑惑
イタリア人カウチサーファーのロザリオは、風呂上がり、パンツ一丁でウロウロする。
しかもトランクスではなく、ブリーフ!
こころなしか前がこんもりとふくらんでいるような気がする。
いやだ、いやだ、いやだ、いやだ!
見たくなくても視界に入ってくる。
そんなに俺に見せつけたいのか?
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「マサト、これ、なんて書いてあるんだ?」
ロザリオに一枚の紙を渡された。
見ると、「HIV検査のできる場所」と書いてある。
なんだ?
もっとよく見ると、「大阪ゲイ・マップ」と書かれているではないか。
どうやら「ゲイ・フレンドリー」なお店を紹介しているチラシのようだ。
知らなかった。
ゲイの集まるお店って、日本にもこんなにあるんだ。
ロザリオはなおもしげしげとパンフレットを眺めている。
そんなに興味があるのか?
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ロザリオに尋ねられたので、京都の繁華街の場所を教えた。
繁華街って言ったって、京都のは小さいぞ。
お店の数だって知れてるし・・・
しかし、ロザリオは私の説明なんて聞いちゃあいなかった。
目がイっちゃってる。
繁華街にいったい何を期待してるんだ?
京都のはそんなにたいしたことないと思うぞ。
「マサト、今夜は遅くなる」
なにをそんなに思いつめた顔してるんだよ。
まさか朝帰りするつもりか?
(結局彼は終電前に帰ってきました)
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イタリア男は女好きだというイメージがあったので、彼の女遍歴について聞いてみることにした。
「以前、つきあってた彼がいたんだ」
え? 今、「カレ」って言った? 気のせいだよね。
「でも、彼はとても嫉妬深くて、結局別れちゃったんだよ」
英語を母国語としない人間はよく「He」と「She」をごっちゃにして使うことがある。
でも2度も続けて「He」と言うなんて、
あ・や・し・い。
後日、ペギーにこのことを話した。
「それだけで彼のことをゲイだと決めつけるのは無理があるわ。
もっとも、マサトには普通の人にはわからないことでもわかるのかしらね」
なんかその言い方引っかかるんですけど、ペギーさん。
ハンガリーでの件があってからというもの、いまだに彼女は私のことをゲイだと疑っているふしがある。
あれからもう1年以上たつというのに。
メイサンにもこの話をしたところ、彼女の返事はたったひと言、
「Lost virgin ?」
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