マ・マ・ミ・ア!

イタリアはミラノからのカウチサーファー、ロザリオ。

ロザリオがくれたおみやげ、絵葉書とチョコレート。
最初ロザリオは、「1枚選べ」と言っていたんです。
でも、ミラノのドゥオーモは美し過ぎる。
どの写真も甲乙つけがたい。
私がどれにしようかと、ウンウンうなっていると、彼は
「わかった、わかった。全部やる」
と言ってくれました。
やったー。

絵葉書の裏には、ロザリオ直筆のメッセージが添えられていました。
なかなか細かい心配りのできる男だ。
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「I'm ロザーリオ!」
第一声からまるでオペラ歌手のようなしゃべり方をするイタリア男。
彼の口ぐせは「マ・マ・ミ・ア!」
なにかあるとすぐに「マ・マ・ミ・ア!」と叫ぶ。
アメリカ人が「オー・マイ・ガッ!」と口走るみたいなもんだ。
こんなにイタリア人らしいイタリア人、見たことないぞ。
強烈な個性の持ち主とみた。
今回のカウチサーフィンもおもしろいものになりそうだ。
ロザリオはミラノで警察官をしているという。
小柄な彼だが、そう言われてみれば引き締まった体をしている。
幸運にも彼はまだ一度も実戦で発砲したことはないらしい。
イタリアといえばマフィアのイメージが強いが、それほど物騒な国ではないようだ。
すくなくとも北部は。
前回イタリアを訪れた時、私はミラノには立ち寄らなかった。
今度行く機会があれば、ぜひ行ってみようと思う。
警察官の家に泊まれるのなら心強いしね。
ロザリオはタバコを吸うのだが、私は吸わない。
そこで彼は私に遠慮して、夜中にタバコを吸うために外へ出ていった。
風の強い夜だった。
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深夜に目が覚めた。
赤色のランプが点滅している。
なんだかあたりが騒がしい。
近所の人が起きだして、ゾロゾロと家の外に出てきている。
次から次へと消防車がやって来ては、うちのすぐ近くに停まる。
遠くからけたたましくサイレンが鳴り響く。
消防車はまだ他にもやって来るらしい。
どうやら近所で火事が起きたようだ。
ふと、タバコを吸いに表に出ていたロザリオのことを思い出した。
まさか・・・。
違うよね?
「なんだ、マサト。俺を疑ってるのか?俺は警察官だぞ。マ・マ・ミ・ア!」
いやあ、そうは言ってもねえ。
もしも近所の人が、ロザリオのことを目撃してたらどうなるんだろ。
「夜中にヘンなガイジンが、火のついたタバコを持ってウロウロしていました」
なんて証言されたりしたら、かなりややこしいことになるんじゃなかろうか。
マ・マ・ミ・ア!
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