May I fall in love?

メイサンから絵葉書が届いた。
彼女はスペインとモロッコへ旅行に行っていたらしい。
いいなあ。
イスラム圏って、なぜだかわからないけど惹かれる。
シンガポールに帰国後、メイサンは髪を切りに美容室へ行った。
その直後に、彼女が送信してきた画像がこれ。

これってやっぱり、「新しい髪型、どう?似合う?」って聞いてるんだろうな。
なにか感想を言わないと。
でも、前の髪型とどう変わったんだろう。
よくわからないや。
うわー、こまったなー。
まあいいや。
適当にごまかしとけ。
「うわっ、すごい!似合ってるやん。うん、かわいいよ」
言いながら自分のボキャブラリーの貧弱さに失望した。
こんなありきたりの言葉じゃダメだ。
もっと具体的に言わないと。
意地悪なメイサンのことだ、
「どこが?具体的に言ってみて」
とか言い出しかねん。
そうなる前に何か手をうたねば。
でも、いったいどうすればいい?
なんて言えばメイサンは納得するのだろう。
その時、私の頭にある言葉が浮かび上がった。
日本語でなら恥ずかしくて絶対に言えないけれど、
英語でなら大丈夫そうだ。
「好きになってもいいかな?」
言った瞬間に後悔した。
なんてことを言ってしまったんだ、俺は。
かっこわるぅー。
一刻も早くその場から逃げだしてしまいたかったけれど、メイサンの返事が気になる。
彼女の反応は早かった。
「あら、何を今さら」
うぐっ。
彼女の方が一枚上手だった。
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