再見!

今日は電車に乗っておでかけ。

行き先は宇治です。

紫式部像の前にて。
「ここ宇治は源氏物語の舞台となった場所なんだよ。
源氏物語は知ってる?」
と私が聞くと、セイセイは
「それくらい知ってますよー」
と口をとがらす。
「どの話が一番好き?」
「ぐっ・・・」
なんでこの娘は知ったかぶりをしたがるのだろう。

平等院鳳凰堂が工事中のためか、人影はまばら。

宇治と言えばやはりお茶。
というわけで、茶そばを食べました。



お茶の資料館前にて。

セイセイはさっきから空の写真ばかり撮っている。
どうしてだろう。
「日本の空は青いんですね。感動しました」
え?中国の空は青くないのか?
じゃあいったい何色なんだ?
「中国の空は黄色です」
ニュースで聞いてはいたが、やはり中国の大気汚染は相当ひどいらしい。

宇治神社にて。

神社の境内に置いてあるこのおみくじを見て、セイセイが感動していました。
「誰もいない所にこんな物を置いておけるなんて、やっぱり日本はすごいです!
もし中国でこんなことをしたら、あっという間に箱ごと持ち去られてしまいますよ」
そう言われてみればそうかもしれない。
「箱ごと持ち去る」
日本人にはそんな発想はできないよな。

宇治上神社にて。


この宇治上神社には「宇治七名水」で知られる湧水があります。
宇治茶が有名なのも、この水のおかげなのでしょう。

「この水は飲むことができますか?」
「名水」というくらいだから、きっとおいしいんじゃないかな。

あっ! ゴメン、生で飲んだらダメって書いてあった。
「もうーっ!マサトさん、またウソつきましたね」
怒って私をにらみつけるセイセイの顔は、たまらなくかわいい。

最後はやっぱりここ。中村藤吉本店。
すっかり私のお気に入りとなりました。




中国でまた会おう、セイセイ。
再見!
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私は近いうちに中国を旅行したいと考えている。
そこでセイセイに詳しい話を聞くことにした。
「ニュースの映像で、日本企業が焼き討ちにあったりしているのを見たんだけど、
やっぱり今、日本人が中国を旅行するのは危険なのかな?」
「そんなことないです。
確かに、日本のことをよく思ってない人もいますけど、ほんの一部だけですよ」
「でも、さすがに南京とかは反日感情が強いんじゃないの?」
「そうかもしれませんね・・・」
「じゃあ逆に、親日的な地域ってどこ?」
「えーっと・・・・」
どうやら親日的な地域というのは思い浮かばないらしい。
「満州とかはどう?」
「中国東北部では、今でも日本語を勉強している人がたくさんいます」
「じゃあそういう所には親日的な人がたくさんいるんだ?」
「そういうわけじゃありません・・・」
セイセイの話を聞けば聞くほど、日本人にとっての安全地帯というものはなさそうに思えてくる。
反日暴動が収まった今でも、スーパーには
「日本製品は絶対に買ってはいけない!」
という垂れ幕がデカデカと掲げられているらしい。
「あっ、でも日本の製品はとても人気があります。
誰も中国製品を信用していません。
私だって、もしメイド・イン・チャイナって書いてあったら、絶対に買いませんから」
じゃあもっと日本の企業を大事に扱おうよ・・・
「ふと思いついたんだけど、中国を旅行している間、韓国人のフリをするってのはどう?
中国の人は、日本人も韓国人も見分けがつかないだろ」
「それはダメですね。
中国人は韓国人も大嫌いですから」
もっとみんなと仲良くしようよ・・・
最後にセイセイは、真剣な顔をしてこう言った。
「マサトさん。
中国人のことを嫌いにならないでください。
私たちは日本のみなさんと仲良くなりたいんです」
そう思ってるのはセイセイ、君ひとりだけじゃないのかな?
残りの13億人はきっと、日本人のことが大嫌いだと思うよ。
そういう教育を受けてるんだし。
でもまあいいや。
中国にたった一人しかいない「日本大好き!」な女の子と知り合うことができたんだから。
13億分の1の確率。
これって奇跡じゃない?
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