美山「かやぶきの里」放水訓練(2012)

トロッコ列車。京都・嵯峨嵐山駅にて。
残念ながら、今日、我々が乗る電車はこれではありません。
普通のJRの車両です。

今日は香港からのゲスト、オーヤンと美山町にある「かやぶきの里」へおでかけです。
京都からだと、車で行けばすぐなのですが、電車だといったん園部の方まで行って、そこからさらにバスに乗換えなければなりません。
なんでわざわざそんなめんどうなことをしてまで美山まで出かけるのか?
それは、本日、「かやぶきの里」で放水訓練が行われるからなのです。
この放水訓練、年に2回しか見ることのできない貴重なイベントなんですね。
かやぶき屋根の集落といえば、白川郷が有名です。
世界遺産にも登録されていて、かなり知名度も高い。
私も一度行ってみたいとは思っているのですが、なかなか行く機会がありません。
ところが、実は京都にもかやぶき屋根の集落があるのです。
「ちょうど明日、放水訓練があるから行ってみようよ」
と提案してくれたのはオーヤン。
地元、京都の人間が、昨日香港からやってきたばかり外国人に教えられるとは。
面目ない。
でも現実とはそんなもんなのかもしれませんね。
パリに住んでる人でも、エッフェルタワーに登ったことがない人なんていくらでもいますから。
JR山陰線の旅は快適でした。
車窓から見える景色はきれいだし、駅員さんもとても気さく。
田舎ってのんびりしてていいなあ。
ただ、あまりのんびりし過ぎているのも考えものです。
「かやぶきの里に行くのはこのバスでいいんですか?」
とバスの運転手に聞いたら、「とりあえず乗って」と言われました。
「とりあえず」ってどういうこと?
不安に思いましたが、我々の行き先を運転手は知っているのです。
まあ大丈夫でしょう。
しばらく走った後、田んぼの真ん中でバスは停車しました。
他の乗客が「どうしてこんなところで停まるのか?」と尋ねても、バスの運転手は
「ちょっとここで待ってて」と言うだけで、なんの説明もありません。
事情が呑み込めないオーヤンは不安がって、「いったい何が起こってるの?」と聞いてきますが、
そんなこと私にもわかりません。
しばらくすると、別のバスがやってきました。
運転手は、「あのバスに乗り換えて」と言っています。
結局なんの説明もなかったのですが、バスを降りる乗客に運転手はひたすらペコペコして謝っていました。
あれはいったいなんだったのだろう?
真相はいまだに謎のままです。

それでもとにかく無事に美山に到着!
あいにく雨が降ったりやんだりの天気ですが、どうせ放水訓練でなにもかも水浸しになっちゃうんですから関係ありません。
あれ?
すでに雨でかやぶき屋根は十分濡れているんだから、放水する必要はないんじゃあ・・・

左がオーヤン。
かわいい顔をしているのですが、目が鋭い。
背が高く、肩もガッシリしています(胸は薄いけど)
大股でガシガシ歩く姿は、まるで軍人のよう。
若い女の子が一人で、見知らぬ男の家に泊りに来るのです。
カウチサーフィンをするつもりなら、色気なんてふりまかない方がいいに決まってます。
それでもなあ・・・

放水訓練まではまだかなりの時間があります。
そこで村の中を散策することにしました。
ちょうど雨もあがって、気持ちいい!



民俗資料館を見つけたので入ってみました。


お風呂

屋根裏

そろそろ放水の時間なので、外へ出てみると、すでに人だかりができていました。
しまった。遅かったか。
こりゃあ、最前列で見るのは無理っぽいな。

サイレンの音と同時に、あちこちから勢いよく水が飛び出します。
観客の間からは「おおーっ!」という歓声が沸き起こりました。




放水が行われるのは5分間。
最初に聞いた時は、「えっ、たったの5分だけ?」と思いましたが、これくらいの長さがちょうどいいです。
ただ水が撒かれているのを延々と何時間も見ていたら飽きちゃいますからね。

5分が経過しても、急に水が止まるわけではありません。
徐々に勢いが衰えていきます。
おそるおそる近づいていく観光客たち。
なんかマヌケな光景だな。



水が完全に止まった後、ゆっくりと蛇口が格納されていきます。
すべてが自動制御されているみたいですね。

普段はこんな感じ。
この放水銃が、村中いたるところに配置されているわけですね。
なんだかカッコイイぞ!
こんなのどかな村の中に、すごいハイテクマシンが隠されているとは。
日本ってやっぱり不思議な国だなあ。
これを応用したら、北朝鮮のミサイルも迎撃できそうな気がしてきた。
水の代わりに竹やりでも発射したらどうだろうか。

完全に水が停止した後、観光客がわらわらと村の中へと入っていきます。



かやぶきの里のとなりには、「美山自然文化村」という施設もあります。
せっかくなので行ってみることにしました。
写真に写っている建物は「河鹿荘」。
ここ美山は、鹿の料理が食べられることで有名なのだそうです。


オーヤンが注文したのは「かえで御膳」
鹿のローストや鹿のくわ焼きがセットになっています。

私のは「もみじ御膳」
鹿のつみれ鍋や鹿の焼肉丼と鹿づくし!
二人ともオプションのうどんも追加しました。
雨の中を歩き回ったので、体が冷えて歯がガチガチ鳴っていたからです。



夕暮れ時の美山。
他の観光客はみんなさっさと帰ってしまい、誰も残っていません。

帰りのバスを待っていると、猛烈な「ひょう」に襲われました。
その「ひょう」は夜になると雪へと変わりました。
本格的な冬の到来です。
(このブログは、数か月遅れで書いています)

村の売店で「美山牛乳」を買いました。
学生時代つきあっていた彼女の両親は、この美山の出身です。
彼女がよく、
「いやぁ~、あそこの美山牛乳は最高っスよ~」と
腰に手を当てて宣言していたのを思い出しました。
その彼女とは3年以上つきあいましたが、結局一緒に美山を訪れることはありませんでした。
きっと彼女は他の誰かと結婚して、今頃は子育てに追われていることでしょう。
あれから15年。
俺のことなんてすっかり忘れたか。
まさかこの美山牛乳を、見知らぬ香港人の女の子と一緒に飲むことになろうとは。
人生とは奇妙なものなのだな。
それにしてもこの美山牛乳、本当にうめえや。
ゆっくりと噛みしめながら飲むことにしよう。
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