シンカフェ(ハノイ、ベトナム)

ハノイの旧市街。
雑多な街並みが、ある意味、とてもベトナムらしい。
この街を歩いていると、東南アジアに渦巻く熱狂の波に飲み込まれそうな感覚をおぼえます。


(シン ツーリスト)

(シン カフェ)

(シン ツーリスト)

(シンカフェ ツーリスト)

(シンカフェ)
この地区では、「シン カフェ」とか「シン ツーリスト」といった看板をかかげた店をよく見かけます。
その昔、シンカフェという旅行会社があり、外国人旅行者に大変人気がありました。
そこで他の店もこぞって名前をシンカフェに変更したのだそうです。
紛らわしいったらありゃしない。
彼らには自分の商売に対するプライドはないのだろうか。
「俺は絶対にニセモノを利用したりはしないぞ。」
そう意気込んで、看板ではなく住所を頼りに「本物の」シンカフェを探し当てました。
この店の看板にはデカデカと、
「うちこそが正真正銘のシンカフェですっ!」
と書いてあります。
その派手さがなんとなくうさんくさい。
ハーロン湾のクルーズと水上人形劇のチケットを手配した後、
もらった領収書を確認してみると、ガイドブックに載ってる本物のシンカフェとは異なる電話番号。
おかしいな。
ちゃんと住所を確認したはずなのに。
よく見ると、住所の番地が1つ、本物のとは異なっています。
本物のシンカフェは隣の店でした。
やられた。
もうすでに料金は払ってしまっているので、今さら「返せ」とは言いづらい状況です。
まあいいか。
料金は相場並みだったし、実害がなければどこでもいいや。
実害はありました。
水上人形劇のチケットを劇場の窓口に買いに行ったところ、早い時間の公演の分はすでに売り切れ。
最終の公演分しか残っていません。
そこでこのニセ「シンカフェ」に問い合わせたところ、「早い時間の公演も手配できる」とのこと。
窓口で直接買うより割高になりますが、ハノイではカウチサーフィンを利用するので、
あまり遅くに帰宅するという事態は避けたかったのです。
ところが、チケットを受け取りに行くと、
「ごめん。売り切れてた」
と簡単に言ってくれます。
私が文句を言うと、
「人形劇見る前に晩御飯でも食べてりゃいいじゃない。先に食べるか、後にするか。どっちでも一緒でしょ。」
と謝罪の一言もなし。
なんであんたに晩飯のスケジュールまで指図されなきゃならないんだよ。
ベトナムでは、接客業に対する考え方が、日本とは根本的に違うようです。

水上人形劇場の前に、パトカーに先導された高級車が横付けされました。
どうやらVIPも鑑賞しに来たようです。
さすがはハノイを代表する一大エンターテイメント。

水上人形劇の舞台(開演前)

私の席は前から2列目。
代理店を通してチケットを購入したメリットはあったのかもしれません。
ただ、私の前には大柄な欧米人がいたため、写真を撮ろうとすると、どうしても彼の頭が写ってしまいます。
ちなみに隣は日本人のツアー客でした。
どうやら、前の方の席は、旅行代理店が買い占めてるみたいですね。

楽器や歌は、すべて生演奏。

「人形劇」と言うくらいだから、もっと子供だましかと思っていたのですが、なかなか楽しめました。
ベトナム語なので、何を言ってるのかはわかりませんが、それでも満足できる内容です。
人形の動きがとても滑らかで、あそこまで習熟するのにはかなりの訓練が必要なはず。
いったいどういう仕組みで人形たちは動いているんだろう?
と思って目をこらして水面を見ていたのですが、ワイヤーや棒のような物は見えませんでした。




公演が終わったのは夜遅く。
それでもホアンキエム湖の周辺は大勢の人でごった返しています。
この周辺は早朝でも、たくさんの人を見かけます。
ウォーキングや体操、太極拳など。
いったいベトナム人はいつ寝てるんだ?
昼間のこともあったので、バイクではなく普通のタクシーを使うことにしました。
しかし、ベトナムには質の悪いタクシーも多いそうなので、ガイドブックに載っている、信用のおけるタクシー会社の車を探すことにします。
が、これが思いのほか難しい。
道をフラフラ歩いていると、あちこちから声がかかります。
「タクシー?」
声をかけてくるのは、うさんくさそうな男ばかり。
車体に書いてある会社のロゴは、有名なタクシー会社に似せて作られたまがい物。
こいつら絶対、メーターに細工してるよな。
ハノイでお世話になるカウチサーフィンのホスト宅は、中心部から少し離れたところにあります。
彼らの家に着いたのは、夜遅く。
小さな子供のいる家庭で、夫婦共働きなので、夜は早いです。
私が帰宅したとき、彼らはすでに寝ていました。
ごめんなさい。
こういうカウチサーフィンの利用の仕方はしたくありませんでした。
ただ寝に帰るだけ、というのは、ホストに対してあまりにも失礼です。
しかし、ハノイには見所がたくさんあり、ついつい早朝から深夜まで遊び歩いてしまいます。
ホストのことはそっちのけで。
私が京都でホストをしていた時、私の家をホテル代わりにするカウチサーファーに対して腹を立てていました。
しかし、今私は彼らとまったく同じことをしている。
猛省せねば。
でも、でも、仕方ないじゃないか、ベトナムはとても楽しいところなんだから。
みんなハノイが悪いんやー!
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