6月28日(木) カンボジアに生きる子供たち(シェムリアップ、カンボジア人)

バンテアイ・クデイで出会ったカッパ売りの少女。
彼女はとても頭が良く、
彼女と値段の交渉をするのはとても楽しかったです。
こんなに賢い子供が学校に行けず、
遺跡の片隅で物売りをしているのは惜しい。
なんとかして、きちんとした教育を受けさせてあげることはできないものだろうか

東メボンは子供達の溜まり場になっていました



真ん中の男の子は、いわゆる「物乞い」です。
「弟や妹たちがお腹をすかしている。
何か食べ物をくれ」
「僕たちの家は貧しくて学校に行けない。
だからせめて、文房具をくれないか?」
そう言って、私の荷物をジィーっと見つめてきます



この子達は英語が話せないのですが、
とても明るく、
クメール語でずっと何かしゃべっていました

この女の子が最年長。
大人たちに代わって、子供達の面倒を見ています。
彼女は英語が達者で、ずいぶんいろんな話をしました。
「ここ(カンボジア)にとどまっていても、未来が無いのはわかりきってる。
弟や妹たちを養うためにも、私は外に出たいの。
そのためならなんだってするわ」
まだあどけない少女が、ここまで思いつめているとは。
彼女と話せば話すほど、やり切れない気持ちでいっぱいになってきます




タ・ソムにも、物売りの子供達が大勢たむろしています。

この女の子に、絵葉書を買わされてしまいました。
何度も何度も日本語で
「イチ、ニ、サン、シ、ゴ、・・・」
と繰り返され、ついに根気負けしてしまいました。
美人で聡明で粘り強い。
10年後、この子はいったいどんな女性になっているのだろう

この女の子には本当に往生しました。
私が何か買うまで、大声で泣き続けるのです。
写真からも見て取れるように、
人一倍負けん気の強い彼女。
現在でもこの調子なのですから、
10年後の彼女はとてつもなくタフな女になっていることでしょう。
大人になった彼女に会ってみたいような、会いたくないような・・・
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6月28日(木) カンボジアに生きる子供たち(シェムリアップ、カンボジア人)
シェムリアップで観光に携わっている人間にとって、日本人はいいカモだ。
我々日本人は、彼女たちの敵ではない。
バンテアイ・クデイで突然の豪雨に襲われた。
傘は持っていたが、雨足のすごさにまったく役にたたない。
するとそこへ一人の女の子が駆け寄ってきた。
「ミスター、レインコートいらない?」
人が困っているのに乗じて儲けようとする、汚ないやり方だが、
相手はかわいらしい女の子。
つい、交渉に応じてしまった。
彼女はこの大雨の中、レインコートはおろか、靴すらはいていない。
同情心から、つい買ってしまった。
でも、そのレインコートは中国製の安物で、10分後には破れてしまったが。
翌日、東メボンでの事。
物売りのお姉さんが私に声をかけてきた。
相手にしていたらキリがないので、通常は無視するのだが、
「お兄さん、ハンサムね。
お茶でも飲みながら、私に日本語教えてくれない?」
と言われて、つい、彼女の顔を見てしまった。
なかなかの美人だ。
きっとこの手で何人もの男から金を巻き上げてきたのだろう。
その手は喰わぬぞ。
私が東メボンを見学し終えて帰ってくると、そのお姉さんはまた私の所に駆け寄ってくる。
「あなたをずっと待ってたの」
もちろんそういう意味ではないことはわかっている。
でも、こんなことを言われたらやはりドキッとする。
「私を助けて。
一つでいいのよ、何か買って、私を助けてよ」
色っぽい仕草でフェロモンをムンムン振りまきながら、上目づかいで懇願する。
男心のツボを見事に突いた、巧みな戦術だ。
水商売のお姉さん顔負けの、華麗な男たらしテク。
タ・ソムでの事。
ここは木の根が門に絡まっている写真で有名な場所だ。
その根のたもとに小さな子供達が数人たむろしている。
彼らは私の姿を認めると、一斉に駆け寄ってきた。
「オニイサン、コレ、カウ。
コレ、ヤスイ。」
中でも一人の少女は熱心だった。
「ニホンノ シュト トーキョー ネ。
ワタシ、コレ、シッテル。
イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク、シチ、ハチ、キュウ、ジュウ」
そう言って、彼女が売りつけようとしている絵葉書を数え始める。
日本語で。
何度も何度も。
「イチ、ニ、サン、・・・・・」
いや、絵葉書は昨日買ったんだ。
もういらないよ。
と断っても、
「ニホンノ シュト トーキョー ネ。
ワタシ、コレ、シッテル。
イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク、シチ、ハチ、キュウ、ジュウ」
いや、だから いらないんだってば。
「イチ、ニ、サン、・・・・・」
あのね、いらないって さっきから言ってるだろ。
「イチ、ニ、サン、・・・・・」
その少女は延々と日本語で数字を数え続ける。
「イチ、ニ、サン、・・・・・」
ついに根負けして買ってしまった。
すると別の女の子が駆け寄ってきて、
さらに何かを売りつけようとする。
「もういらないから。」
そう言って私が立ち去ろうとすると、
「私、見てた。
私の友達からは買ったのに、
私からは買わない。
なぜ?」
そう言って泣き出してしまった。
「ははーん。
これはきっとウソ泣きだな。」
そう思って見ていたのだが、どう見ても本当に泣いているようにしか見えない。
もしこれが演技なら、ハリウッドの女優なんてみんな大根役者ということになる。
「私、見てた。
私の友達からは買ったのに、
私からは買わない。
なぜ?」
泣きながら、何度も何度も彼女は同じ言葉を繰り返す。
大声で泣きわめく彼女を見てると、
なんだか自分がとんでもない悪人のように思えてきた。
でも俺、何も悪いことしてないよなあ。
「オニイサン、コレ、カウ。
コレ、ヤスイ。」
女の子は泣きながら、何度も何度もこのフレーズを繰り返す。
まるで何かの呪文のように。
きっと意味なんてわかってないのだろう。
ただ、大人たちからそう言えと教えられただけなのだろう。
「オニイサン、コレ、カウ。
コレ、ヤスイ。」
日本人は甘ちゃんだ。
根気強くこの呪文を唱え続ければ、
必ず何か買ってくれる。
きっとそう教えられたのだろう。
「オニイサン、コレ、カウ。
コレ、ヤスイ。」
小さな子供を使って金を儲けようとする奴らは許せない。
そんな見え透いた手には乗らないぞ。
「オニイサン、コレ、カウ。
コレ、ヤスイ。」
結局、この子からも買ってしまった。
「甘い奴」
あなたはそう言うかもしれない。
でも、大粒の涙を流しながら、
「オニイサン、コレ、カウ。
コレ、ヤスイ。」
と何度も何度も繰り返す女の子を無視して立ち去ることなんてできる?
もちろん、これらはすべて、彼らの戦略なのだろう。
裏で大人たちが彼女たちに知恵をつけているにちがいない。
物心が付くかつかないかの幼いうちから、毎日 こんな事を繰り返して育つ彼女たち。
おんぶに抱っこの、純粋培養 日本人が敵う相手ではない。
幼い少女たちにこんな事をさせるのが正しいとは思わない。
毎日こんなことをして育つこの子達が、
将来どんな大人になるのかはわからない。
でも、彼女たちからは、凄まじいまでの生命力を感じる。
自分よりもはるかに年上の大人たちと向き合っても物怖じしない、
力強い目をしている。
現代日本人が失ってしまった何かを、確かに彼女たちは持っている。
我々日本人が忘れてしまった何かを、彼女たちは思い出させてくれたような気がする。
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