6月21日(木) How Far To Paradise? (チャムパーサック、ラオス)

パークセーのバスターミナル。
この寝台バスでビエンチャンからパークセーまでやって来ました。

相変わらず狭い車内。
このスペースで二人はキツい。





チャムパーサックと思しき所でバスを降ろされると、
3人の少女が駆け寄って来ました。
悪い気はしません。
ジャニーズのアイドルって、いつもこんな気分を味わってるんだろうな

「ここがチャムパーサックだ」
と言われてバスから放り出されたものの、何かおかしい。
チャムパーサックはもっと開けた街のはずだ

近くにいたオバさんに聞いたところ、やはりここはチャムパーサックではないらしい。
彼女が指差した方向を見ると、一本の道がはるか彼方まで伸びている

歩いても歩いても景色が変わらない

いったいどこまで続くんだ、この道は

車が通らないから、歩くしかない


ようやく村にたどり着いた。
ここがチャムパーサックに違いない。
でも、念のため聞いてみよう。
「チャムパーサック?」

「NO!」
村の人が指差したのはこっちの方向。
でも、川しか見えないんですけど。
なんか嫌な予感がしてきた

チャムパーサックへ行くためには、
舟で川を渡らなければならないらしい

おっ、水浴びか、いいなあ。
でも、この茶色い水じゃあねえ

この舟、やたらと狭いんだけど、
大丈夫かなあ

遠くに見えてるのはデーン島。
「砂浜があり、水浴びが楽しめる」
とガイドブックには書いてある

水浴び、ですか・・・

対岸の村に到着。
今度こそ、チャムパーサックに違いない。
頼む!
そうであってくれ
6月21日(木) How Far To Paradise? (チャムパーサック、ラオス)
夜行バスは朝の6時にパークセーに着いた。
みんなゾロゾロと降りて行く。
私の隣の男も出て行った。
「やれやれ、これでゆっくり体を伸ばせる。
もう一眠りしよう。」
そう思って背伸びをした途端、ドライバーにバスを降ろされてしまった。
なんだ、チャムパーサックに直行じゃないのか。
それならそうと最初に言ってくれればいいのに。
「お前の乗るバスは8時に来る」
と聞いていたのだが、バスがやって来たのは9時30分過ぎ。
よくあることだ。
ガイドブックにはパークセーからチャムパーサックまでは2時間、と書いてある。
だが、30分後にバスを降ろされてしまった。
えらい早いな。
しかも、ここで降りるのは私一人だけ。
「本当にここがチャムパーサックなのか?」
バスのドライバーに何度も念を押したが、やはりここがそうらしい。
ガイドブックによると、チャムパーサックにはホテルやゲストハウス、レストランが何軒もあるはずなのだが、それらしきものは見当たらない。
どうも違うような気がする。
しかし、バスの運転手が
「ここがチャムパーサックだ。降りろ。」
と言ってるのに降りないわけにもいかない。
荷物を降ろし、ドライバーに街の中心部はどっちか聞こうとしたら、
バタンッ!
とドアが閉じられ、バスはそのまま走り去ってしまった。
と同時に、3人の美少女が駆け寄ってきた。
おお、チャムパーサックでは天使が出迎えてくれるのか!
彼女たちはまったく英語が話せない。
でも、私に果物や野菜を売りつけに来たことだけはわかった。
そんな天使、聞いたことがないぞ。
彼女たちに街の中心部はどっちか聞いたら、
走って逃げて行ってしまった。
買わない人間に用は無いらしい。
標識には「ワットプーまで17km」と書いてある。
チャムパーサックからワットプーまでは10kmだから、
7km歩かなければならないのか。
あれ?
俺は確か、チャムパーサックまでのバスのチケットを買ったんだよな。
それがなんでこんなに歩かなくちゃならないんだ?
文句を言おうにも、チケットを売りつけたツアー会社は数百キロも彼方にある。
電話も見当たらない。
まずは街にたどり着くことが先決だな。
チャムパーサックへと通じる道は、憎らしいほど真っ直ぐに伸びている。
見渡す限り、街らしきものは見えない。
「これを歩くのか・・・」
あんなにうっとうしかったトゥクトゥクが懐かしい。
この道にはタクシーはおろか、車一台通らない。
自分の足で歩く他に方法はなさそうだ。
幸い、水はたっぷり持っている。
日没までにもまだまだ時間はある。
焦ることはない。
数百メートル歩くたびに、日陰を見つけては休憩した。
「いったい あと何度 こんなことを繰り返せば街にたどり着けるんだ?」
二人の村人とすれ違った。
かなり年配の女性だ。
「チャムパーサックまでは遠いですか?」
そう聞くと、返事はラオス語で返ってきた。
理解できない。
でも、この人たちが歩いて来れる距離に街はあるのだ。
なら、私にだってやれるはずだ。
甘かった。
現地の人をナメてはいけない。
歩いても歩いても街らしきものは見えてこない。
相変わらず一本道が真っ直ぐに伸びているだけだ。
ヌルい水を何度飲んでも、喉の渇きはおさまらない。
「今夜は好きなだけビールを飲んでいい。
ジュースでも、アイスクリームでも、なんでも注文すればいい。
そうだ、チョコレートバナナシェイクなんてどうだ?
だから、今は歩いてくれ。」
自分にそう言い聞かせないと、足がこれ以上
歩くことを拒否しそうだった。
ようやく街らしきものが見えてきた。
ここがチャムパーサックに違いない。
いや、そうであって欲しい。
だが、すっかり疑い深くなってしまった私は、聞かずにはいられなかった。
「チャムパーサック?」
「No! Over There!」
No だって?
今、No って言った?
村の人が指差す方向を見ても、そこには広大なメコン川が広がっているばかり。
チャムパーサックに行くためには川を渡らなければならないらしい。
船頭に現在地を聞いて愕然とした。
ここはバーンムアンという村で、私がバスを降ろされたのはバーンラックサームシップという所だった。
チャムパーサックではない。
でもバスの運転手は「ここがチャムパーサックだ」と言って私をバスから放り出したのだ。
私は確かにチャムパーサック行のバスチケットを買った。
それなのに、なんの説明も無しに、目的地からはるかに離れた場所でバスを降ろされ、
重い荷物を担いで数キロの道のりを歩き、
ボート代を払って川を渡らなければならないのか。
覚えてろよツアー会社。
日本に帰ったら「地球の歩き方」とロンリープラネットにチクってやる。
我ながら、なんてセコイ復讐だ。
ほうほうの体でボートから降りると、一台のトゥクトゥクが待っていた。
ここから街まではかなり歩かなくてはならないらしい。
「俺の経営するゲストハウスに泊まるならトゥクトゥク代はタダにしてやる。
どうだ。
悪くない取引だろう?」
やれやれ。
いったいいつになったら俺はチャムパーサックにたどり着けるのだろう。
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