6月17日(日) ぼったくり おばさん (ルアンパバーン、ラオス)

今日こそは、朝の托鉢に参加するぞ

準備完了
後はお坊さんの行列が通り過ぎるのを待つのみ

お供え物のお米とお菓子

お坊さんたちがやって来ました。
緊張の一瞬です






いつの間にか、私の隣にオバさんが座ってます。
このオバさんが弾薬補給係りとなって、次から次へとお供え物を私に手渡して来ます。


この女性は一般の信者


そして誰もいなくなった・・・
6月17日(日) ぼったくり おばさん (ルアンパバーン、ラオス)
朝の托鉢の光景は、ルアンパバーンの名物の一つだ。
張り切って、朝の5時に起きた。
ワット・シェントーンの前を横切る僧侶の列はさぞかし絵になるだろうな。
だが、その前に、まだ見ていないワット・セーンも見ておこう。
ワット・セーンの前には、すでに観光客が待ち構えていた。
そうか、ここも写真を撮るのにいいポイントなんだ。
どこで僧侶の列が通り過ぎるのを待とうかと考えながらウロウロしていると、一人のオバさんがニコニコしながら私を手招きしている。
「ここがベストポジションよ。
すぐにお坊さんの行列が来るから、スタンバイして。」
そう言って私のためにゴザを敷き、お供え物を手渡してくれた。
ははーん、後で金を請求する気だな、これは。
まあこれもいい経験だ。
少しくらいなら払ってもいいか。
私が「How much?」と聞こうとしたら、
ちょうどそこへ お坊さんの列がやって来た。
オバさんは私のカメラを奪って通りの向こうに行ってしまった。
どうやら、私の写真を撮ってくれるつもりらしい。
京都に住んでいる私だが、托鉢の仕方なんて知らない。
いったいどうやってお坊さんに備え物を渡せばいいのだろう。
私が戸惑っていると、別のオバさんが私の隣に座って、
「こうやるのよ」
とやり方を教えてくれた。
私の目の前をオレンジ色の僧服を着たお坊さんが何十人も通り過ぎる。
最初にオバさんに渡されたお供え物はあっという間に無くなった。
すると、別のオバさんがさらにお供え物を私に押し付ける。
いくら?
と聞くと、40 という答えが返ってきた。
40000キープなら日本円で400円ほどだ。
それくらいならいいか。
隣に座っているオバさんは、ものすごいスピードで私にお供え物を手渡してくる。
それにつられて私もどんどんと僧侶にお供えをする。
またまたお供え物のカゴが空になった。
するとそこへまた別のおばさんが私にお供え物を押し付ける。
僧侶の行列が全て通り過ぎるまで、延々とそれが繰り返された。
ルアンパバーン名物の朝の托鉢。
自分は今、それに参加している。
一般のラオス市民に混じって。
目の前を通り過ぎる、おびただしい数の僧侶たち。
鮮やかなオレンジ色の袈裟に視覚も刺激されて、私は完全にハイになっていた。
厳かな儀式も終わり、いよいよ支払いタイム。
オバちゃんたちが、わらわらと私に群がってくる。
あれ? こんなにたくさんいたっけ?
40000キープ払おうとすると、
「No! 40バーツね。」
と言う。
40バーツ?
それはまた法外な値段だな。
日本円にして約1200円。
夕べ食べたラオス料理のコースは、ラオスの伝統舞踊付きで同じ値段だったぞ。
私が支払いを渋っていると、おばちゃんたちはものすごい剣幕で詰め寄ってくる。これは支払う以外に逃れる術はなさそうだ。
この後、ワット・シェントーンを横切る僧侶の写真を撮りたかったので、私は焦っていた。
早くしないと、托鉢の時間が終わってしまう。
律儀に一人ひとりに40バーツずつ払っていると、財布の中のお金が無くなってしまった。
「ゲストハウスに戻って取ってこい!」
とオバちゃんたちは口々に叫ぶ。
「今日がラオス最後の日だから、ゲストハウスにもお金は無い。
もうほんとに一銭も残ってないんだ。」
もちろんウソだが、こうでも言わないとおばちゃんたちは私を解放してくれそうにない。
予備の財布の中身も見せながら説明すると、おばちゃんたちはやっと立ち去ってくれた。
その場には、日本人観光客の団体もいた。
日本人のガイドは
「あーあ、やられちゃってるよ。」
といった哀れみの目で私を見ている。
オバチャンたちにむしり取られた数千円。
これだけ払えば、ガイドを雇えたかもね。
托鉢の僧侶の行列は、はるか遠くへと遠ざかって行く。
それを追いかけて、観光客も移動する。
後には、ケツの毛までむしり取られ、放心状態で立ち尽くす私だけが取り残された。
ガイドブックにはこう書いてある。
「仏の心が息づく町・ルアンパバーン
信仰とともに生きる人々を訪ねて・・・」
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