NOVAウサギはもういない・・・
アメリカ人には大きくわけて2つのタイプがある。
フレンドリーなのと傲慢なのとだ。
今回のカウチサーフィンは前者にあたる。
マットとケイトはアメリカのミネアポリスに住んでいたのだが、
もうそこには彼らの帰るべき家はない。
彼らはアパートを引き払って長い長い旅に出ることを決断したからだ。
しかし彼らの旅行資金は潤沢ではない。
宿代を浮かすためにカウチサーフィンを最大限に利用する。
大阪では知り合いの家に泊るつもりだったのだが、
何度メールを送っても返事が返ってこなかったらしい。
それって本当に友達?
仕方なくマットとケイトは雨の降る中テントで過した。
これが湖畔や山奥なら風情もあろうが、大阪の公園じゃあねえ。
シャワーも浴びれないだろうし、マットはともかくケイトは平気なのだろうか。
なんともワイルドなカップルだな。
ケイトはこれが初めての来日なのだが、
マットは日本に数年間暮らしていたことがある。
大阪の英会話学校の講師をしていたのだ。
どこの英会話スクール?
と尋ねると、マットは胸を張って答えた。
「NOVA。
あの頃は楽しかったなあ。
NOVAうさぎは元気かなあ。」
ああ、NOVAならもうつぶれたよ。
「NOOOOOO!!!!!
嘘だ。
NOVAは最大手の英会話スクールなんだぞ。
英会話学校に通う生徒の半分以上はNOVAに在籍しているんだぞ。
そんな大きな会社がそう簡単になくなるわけがない!」
でも、実際にあの学校は倒産しちゃったんだよ。
そうか、だからマットの友達とも連絡がつかないんだな。
きっと給料ももらえなかったんだろうな、かわいそうに。
マットは昔を懐かしみながら、遠い目をしてつぶやいた。
「そうか、NOVAウサギにはもう会えないのか。」
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