熱・烈・歓・迎
長いことカウチサーフィンをしていると、
たまに妙な胸騒ぎを覚えることがある。
「今回のカウチサーフィンはなんだか変だぞ。
何かが起こりそうな予感がする。」
こういう感覚に陥るのはたいてい一人旅の女性が泊りに来る時なので、
予感というよりは願望と言った方が正確なのかもしれない。
イは中国人の女性。
だが、カナダの大学院を卒業した後はカナダで働いている。
ドキュメンタリー映画の監督をしているそうで、
今回は彼女の作品をなんとかという映画祭に出品するために日本にやってきた。
イがカウチサーフィンを利用するのはこれが初めて。
それに加えて、やはり男性の家に一人で泊りに来るのは不安があったのだろう。
何度も私にメールをよこしてはいろいろと質問してきた。
メールを何度かやり取りしているうちに、なんとなく彼女とはウマが合いそうな感触を持った。
とても知的な女性だ。
私のことを警戒しつつも、カウチサーフィンには興味津々のようだ。
もしかしたら今度のドキュメンタリー映画でカウチサーフィンのことを取り上げるつもりなのかもしれない。
そのための取材も兼ねて私の家にやってくるのだろうか。
そして当日。
19:00に到着する予定だったのだが、21:00になってもまだ来ない。
「これはドタキャンだな。」
そう思っていたら案の定イからメールが届いた。
23:00頃のことだ。
「京都で偶然知り合いに会っちゃったから、今夜は彼女のホテルに泊まることにするわ。
明日の午後にまた連絡するから。
じゃあね。」
これまでの経験上、こういったケースの場合、まず二度と連絡してこない。
おそらく今回もそうだろう。
一人旅の女性が直前になってキャンセルすることはよくある。
多分、男の部屋にあがりこむことに心理的抵抗があるのだろう。
その気持ちはよくわかる。
でも、それなら最初から女性のホストの家にカウチリクエストを送ればいいのに。
てっきり彼女はもう来ないものだと思っていたら、翌朝電話のベルで起こされた。
今からやって来るという。
そして彼女とはこの日から怒涛の3日間を過すことになる。
私の第六感もたまには当たることがあるのだ。
- 関連記事
テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行