レンヌ















レンヌ
列車は定刻にHendayeに到着。
国境の駅らしく、大勢の警察官に出迎えられた。
レンヌまでの切符を買おうとしたら、いったんパリまで行けと言われた。
それが最短ルートだと。
そんなはずはない。
ネットで調べた限りではもっと早いルートがある。
しかも36ユーロもする。
ユーレイルパスはあまり価値がないな。
チケットを見たら、ファーストクラスになっていた。
しかもTGV。
そりゃ高いわけだ。
もっときちんと確認して交渉するべきだった。
2ヶ月もヨーロッパを旅して、まだ何も学んでいないのか、俺は。
もっと修行を積まねば。
フランスが世界に誇るTGVだが、なんと、インターネットにつながらない。
しかも前の人と対面する形式の座席なので気まずい。
足も伸ばせない。
私の前に座った男性は落ち着きがなく、何度も足を組み替える。
その度に私の足を蹴っ飛ばす。
しょぼいぞTGV.
金返せ。
そうこうしているうちに、パリに着いてしまった。
ここはヨーロッパ最後の訪問地として大事にとっておきたかったのに、あっさり到着。
しかも雨。
駅構内には自動小銃を構えた兵士が何人もウロウロしている。
これが花の都、パリか。
Wi-Fiが使える場所を探して徘徊したが見つからず。
一時間を無為に過ごしてしまった。
レンヌでのホスト、パスカルともまだ連絡が取れてない。
レンヌ行のTGVも快適とは言えなかった。
外はかなり強い雨が降っている。
明日はモン・サン・ミッシェルだというのに・・・
レンヌの駅ではWi-Fiが使えた。
だが、暗くなる前にパスカルの家に到着したい。
パスカルはとても大きなマンションに住んでいる。
しかも独特の形状をしているので、この街ではかなり有名な建物らしい。
どことなく、ガウディの建築物に似ている。
パスカルはとてもおっとりとした性格だ。
そしてよく笑う。
楽しい二日間になりそうだ。
しばらくしゃべった後、近所のレストランに連れて行ってもらった。
が、外は暴風雨。
二人ともずぶ濡れになってしまった。
パスカルが連れて行ってくれたくれたのは、レンヌの地元の料理を食べさせてくれる店。
クレープのようだが、白くない。
もちろん甘くない。
中にはたっぷりチーズが詰まっている。
しょっぱいフレンチトーストのようだ。
この食べ物にはサイダーがよく合うらしい。
サイダーといってもアルコール入りだ。
まだ食べ足りなかったので、デザートも注文した。
といっても、中身がクリームとバナナに変わっただけで、同じような外観だ。
食事の後はパスカルがレンヌの街を案内してくれた。
レンヌについてはなんの予備知識も持ち合わせていなかったが、なかなか美しい街だ。
古い建物も数多く残っている。
オペラハウスや市庁舎もきれいにライトアップされている。
クリスマスに向けたマーケットもヨーロッパらしくていい。
今週はミュージックフェスティバルが催されているらしく、酔っ払った若者で通りはごった返している。
再び雨が強くなってきた。
帰った方が良さそうだ。
彼女の家ではWi-Fiが使えるはずだった。
だが、パスワードを入力しても作動しない。
困った。
私の周りを猫が走り回っている。
名前は「わさび」
寿司が好きなのだろうか。
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