

























フラメンコ
昨日の話では、今夜もジャスティナが地方の料理を食べさせてくれるレストランに連れて行ってくれるはずだった。
その後はアルバイシンの夜景を見よう、とも言っていた。
ところが、
「私は今日は勉強しなくちゃならないの。
Be independent!」
というセリフを残して彼女は消えてしまった。
一人の食事は味気ないなあ、と思っていたら、ジャスティナのフラットメイト、バートが食事に付き合ってくれるという。
美味しいタパスを食べさせてくれるバルに連れて行ってくれるらしい。
やった。
バートもポーランド人。
ジャスティナとはポルトガルでもフラットメイトだったそうだ。
彼は頭が良く、英語の他にフランス語とスペイン語、ポルトガル語を話せる。
今は中国語を勉強している。
基本的な漢字も読める。
なんでも、将来は自分で国際的なビジネスを始めたいのだとか。
そこで彼が目をつけたのが中国語。
バートとても温和な性格をしている。
旅行の経験も豊富。
いろいろとおもしろい話を聞かせてもらった。
店ではバートにすべてお任せした。
私は好き嫌いがないので、とにかく地元の物をなんでも試してみたい。
この店にはイスはなく、立って食べるスタイルだ。
今日は一日歩いたので座って食べたかったが、郷に入っては郷に従え、だ。
この後バートは夜景の見える高台に連れて行ってくれた。
そこでフラメンコの話がでた。
そうだ、忘れていた。
スペインと言えばフラメンコだ。
しかもグラナダのフラメンコは有名らしい。
だが、バートは明日の授業の準備があるので来れない、という。
「フラメンコの店のある地域はユダヤ人地域だから気をつけて!」
と彼は言う。
そんな所に私を一人で送りこもうとしているのか君は。
バートはタクシーの運転手に話を付けた後、私を車に押し込んだ。
「せっかくグラナダに来たんだから、フラメンコを楽しまない手はないだろ」
温厚に見えるバートだが、実はかなり強引な一面もあるんだな。
タクシーの運転手はほとんど英語ができなかったので不安だったが、ちゃんとフラメンコの店に連れて行ってくれた。
おっかなびっくり店に入ると、なんと、日本人だらけ。
店内の席の7割以上は日本人の団体客で占められていた。
トイレの場所をボーイに聞くと、
「トイレハツキアタリヲミギデス」
と日本語で答えが返ってくる。
トイレ内にも、
「紙は水に流さず、くずかごに入れてください」
と日本語で書いてあった。
どうやら日本人御用達のお店らしい。
フラメンコの質はあまり期待できないかな。
いい意味で期待を裏切られた。
フラメンコすごい!
洞窟を改造したステージなので、マイクやスピーカーを使わなくても大音量で響き渡る。
やはり生の演奏は迫力がある。
そしてフラメンコダンス!
男性一人で、女性二人が一人ずつステージに上がる。
それぞれの人が違った雰囲気の踊りを披露する。
女性はとてもセクシーだ。
音楽にはあまり興味がない私も、ついついリズムに合わせて体を揺らしてしまう。
一曲終わるたびに、大きな拍手が沸き起こった。
フラメンコがこんなにすごいとは思わなかった。
来て良かった。
帰りもタクシーを利用。
その前に、ちょっとだけ寄り道してアルハンブラの夜景を見た。
ジャスティナたちの家に着いた時は深夜だったが、二人とも起きていた。
ジャスティナは今夜も共有スペースで寝るという。
お言葉に甘えることにした。
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