ローマの休日
今日は一日かけてローマ観光。
イタリアでのハイライトの一つだ。
サラの大学はローマにあるので、一緒に連れて行ってもらった。





まずはコロッセウム。
観光客であふれかえることはわかりきっているので、朝のうちにさっさと見学してしまおう。
コロッセウムのチケット売り場は混雑することで有名なので、ローマンフォーラムの入口で購入。
ローマパスを購入しようとしたら 売り切れだと言われた。
ウソつけ。
今日は平日で、まだ朝の9時だぞ。
どうやら窓口の係員はアルバイトのようで、ローマパスについてあまり知らないようだ。
「面倒だから売り切れたことにしておこう」
彼の仕草からそういう心情が読み取れた。
これがイタリア人気質なのか。

最初のうちはたくさんの遺跡に興奮していたが、そのうち飽きてきた。
私は考古学マニアではない。
さっさとコロッセウムに行こう。



コロッセウムの周辺には、古代ローマ兵の衣装に扮した男たちが大勢たむろしている。
うっかり彼らと写真を撮ろうものなら、高額な料金を請求されるので、ご用心。
そんな物にお金を払いたくない私は、遠くからコッソリとパチリ。


コロッセウムの写真は、今までに何度も見たことがある。
どんなガイドブックでも、必ずここの写真は載せているからだ。
「いつかは行ってみたい」と思っていた。
まさか自分がこの地に立つことになろうとは・・・
感激して写真を撮りまくった。
すぐに外に出るのはもったいなかったので、コロッセウムの中で弁当を食べた。
カーラのお母さんが持たせてくれたものだ。

ローマ観光に費やせるのはわずか一日。
せっかく来たのだから、できるだけたくさんの物を見ておきたい。
ノヴァーナ広場とパンテオンの後はバチカンに向う。
距離的にはたいしたことないのに、慣れない土地を迷いながら歩いたため、けっこう時間を食ってしまった。



セントピーター広場でピザを食べた後、寺院に入りたかったのだがあまりの行列の長さに断念。



(ヴァチカンを守る衛兵)
バチカンミュージアムに入るべきか迷ったが、ここはロンリープラネットが絶賛していた場所なのでチケットを購入。
しかし、私にとってはここは15ユーロの価値は無かった。
もっと芸術がわかるようになってから来よう。



バチカンミュージアムは広大で、かなり時間を浪費してしまった。
すでに陽が傾き始めている。
次の目的地、スペイン広場まではかなり距離がある。
できればここには明るいうちに到着したい。
気持ちが焦る。
早足で歩いたので汗をかいてしまった。
スペイン広場ではアイスクリームを食べたかったのでちょうどいい。
うわさ通り、ここは大勢の人で賑わっていた。
写真を撮るのに苦労する。

(スペイン広場)
ここは一人で来る場所じゃないね。
楽しそうに記念撮影をしているカップルを見ていると、
ふと寂しくなる。
ヨーロッパの冬は、独り身の物にはこたえる。

最終目的地、トレビの泉に着いた時には陽が暮れていた。
にもかかわらずものすごい人だかり。
日本人観光客も大勢いた。
あちこちから普通に日本語が聞こえてくる。

(トレビの泉)

私はローマをなめていた。
小さな街だと思っていたのに、まさか、こんなに時間がかかるとは。
こんなことなら、バスかタクシーを利用するべきだった。
もう足が棒のようだ。
早く帰って寝たかったのだが、今夜はアンドレアから夕食に誘われている。
彼のお母さんがスパゲティをご馳走してくれるらしい。
彼女はパリでイタリアンレストランを経営していたというだけあって、料理の腕はなかなかだ。


(これが正真正銘のイタリアン・スパゲッティだ!)
あまりにおいしかったのでペロリと平らげたら、オムレツやサラダ、プリンまでふるまってくれた。
彼女はまったく英語ができないのだがよくしゃべる。
こちらが理解していなくても、まったくおかまいなし。
イタリア語で延々と話し続けている。
彼らは本当に話し好きだ。

お腹がいっぱいになったところで、カーラが迎えに来てくれた。
彼女の車で夜のカッシーノをドライブ。
この車、小さくてかわいいのだが、あまり実用的ではない。
高速道路を走った時は死ぬかと思ったが、それもまたいい経験だ。



左から、カーラのお母さん、カーラ、カーラの妹・サラ。
女性だけの家庭にもかかわらず、私のような得体のしれない男を受け入れてくれた彼女たちには、本当に感謝している。
カーラたちのおかげで、イタリア人の生活を体験することができた。
カーラたちのおかげで、イタリア人のことが大好きになった。
彼らは陽気で、気さくで、信じられないくらいに親切だ。

イタリアといえども、冬は寒い。
だから、たいていの家には暖炉がある。

焚き木のはぜる音を聞きながら、ゆらゆら揺れる炎を見つめていると、
なんとも言えぬ暖かさに包み込まれてゆく。
今夜はぐっすり眠れそうだ。
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