シギショアラ、ブラショフ(ルーマニア)











シギショアラ、ブラショフ(ルーマニア)
トーマスクックを眺めていると、私の乗っているこの電車はシギショアラに止まることを発見。
ならば降りちゃえ。
私のホストはブラショフにいるのですが、ここシギショアラにもカウチサーファーがいるのです。
彼はジプシーの生活を向上させるためのボランティアをしているとか。
私はジプシーに対してロマンを抱いていました。
年中移動を繰り返し、一つ所にとどまらないライフスタイルに惹かれるものがあったからです。
しかし、多くのカウチサーファーたちは彼らのことを嫌ってました。
そこで一度ジプシーに会ってみたかったのです。
シギショアラに降りたのはいいものの、インターネットにはつながりません。
このど田舎にはインターネットカフェもマクドナルドもスターバックスもありません。
あるのは静寂と暗闇のみ。
チャックの電話番号は知っているものの、まだ朝の6時。
電話をかけるのは気が引けます。
とりあえずシギショアラの街を散策しよう。
寒い。
とにかく寒い。
手袋を持ってないので、手がちぎれそうだ。
顔もこわばって、うまくしゃべれそうにない。
雪の降り積もるノルウェーでもここまで寒くはなかったぞ。
どうなってるんだルーマニア。
地球の歩き方に書いてあるとおり、正教会の白いドームが見えてきた。
ちょうど夜明けの時間にあたり、無数の鳥たちが教会の周りを羽ばたいている。
美しくもあり、不気味でもある。
なにせここはドラキュラゆかりの地なのだから。
7時を回ったので、シギショアラのカウチサーファー、チャックに連絡をとろうとした。
が、私の携帯はルーマニアでは使用不能なようだ。
使えんな、ソフトバンク。
公衆電話を発見するも、テレフォンカード専用。
テレフォンカードはどこに売っているんだろう。
まだ朝早く、開いている店は一軒もない。
コンビニが恋しい。
結局 シギショアラの駅まで戻った。
窓口が開いていたので、明日の列車の手配をしておこう。
が、ここの窓口のお姉ちゃん、国際線の切符の取り扱いに不慣れらしい。
マニュアルのようなものをパラパラとめくっている。
大丈夫なのだろうか?
大丈夫ではなかった。
「ここの窓口では国際線は取り扱ってない」
と言う。
いやいや、違うでしょ!
あなたが国際線の切符の取り扱い方を知らないだけでしょ。
だが他に駅員はいないのでどうしようもない。
別の駅で買うことにしよう。
日本の駅員って優秀だったんだなあ。
ちなみに彼女は英語もほとんどできない。
地方の駅は何かと不便だな。
風情があっていいが。
テレフォンカードを入手してチャックに電話したが、出ない。
まだ寝ているのだろう。
しかたがない。
またシギショアラの旧市街に戻ろう。
なんとも効率の悪い動き方だ。
この街には吸血鬼ドラキュラのモデルになったヴラド・ツェペシュの生家がある。
今はレストランになっているらしいが。
そのせいか、街はどことなく陰惨な気配を漂わせている。
まだ早朝なので、ほとんど誰もいない。
そのため道を聞けず、ドラキュラ レストランを見つけるのに手間取る。
結局は時計塔のすぐ近くにあった。
確かに「Dracul」と書いてある。
拍子抜けするくらい普通の家だ。
それに小さい。
まあいいか。
ブラン城に期待しよう。
シギショアラの旧市街はとても小さな街だ。
山上教会まで行ってもさほど時間はかからない。
世界遺産といってもいろいろだな。
気のせいか この街には野良犬が多い。
道を歩いている人の数よりも多いくらいだ。
ドラキュラ公ゆかりの地で犬に噛まれたら吸血鬼になってしまうのではないだろうか?
そんなことを考えながら駅に再び戻った。
今度はチャックと連絡がとれた。
いよいよジプシーとの対面だ。
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