ザグレブ クロアチア














ザグレブ クロアチア
ドブロヴニクからザグレブへ向かうバスの中でも不愉快な出来事があった。
ザグレブの駅員の対応も最悪だった。
どうしてだろう。
クロアチアはこんなにも美しい国なのに、そこに住んでいる人はどうも好きになれない。
市の中心部に向かう途中で日本大使館を発見した。
風になびく日の丸の旗が頼もしい。
もしもの時はここの職員が助けてくれる(はず?)
ここしばらくインターネットを使える環境になかったので、メールをチェックしたかった。
だが、なかなか見つからない。
駅にもマクドナルドにもWi-Fiの環境は整っていない。
スターバックスもない。
「地球の歩き方」の地図に載っていた図書館は、今は博物館になっている。
ツーリストインフォメーションセンターでインターネットカフェの場所を尋ねる。
ここの職員は美人ぞろいで、いろいろと丁寧に教えてくれた。
良かった。
クロアチアにもいい人はいるんだ。
インターネットカフェにはWi-Fiがあるのだが、なぜか私のiPadは機能しない。
お店の備え付けのパソコンを使ったが、外国のパソコンは使いづらい。
カウチサーフィンのサイトをチェックして焦った。
ザグレブでのホスト、ニーナにメッセージを送っていたはずなのに届いていない。
あわてて彼女に電話したが、この国では私の携帯は繋がらない。
インターネットカフェのマスターに公衆電話の場所を聞いたら、えらく遠い場所だった。
しかも公衆電話はコインを受け付けないのだ。
売店でテレホンカードを買ったが、なぜか使えない。
道ゆく人に聞いて、電話をかけてもらったが、それでもダメだ。
どうやら故障しているらしい。
そんなこんなで、たった一本の電話をかけるのに一時間ほどもかかってしまった。
それでもなんとかニーナとも連絡がとれ、これで一安心だ。
やっとザグレブの観光に専念できる。
ザグレブという名前はニュースなどでよく聞いていた。
だが、意外と見所は少ない。
ドブロヴニクの後だから余計にそう思うのだろう。
聖母被昇天大聖堂のベンチに腰掛けていると、若い女の子が近づいてきた。
どうやら、お金を恵んでくれといっているらしい。
小さい弟や妹たちがお腹をすかしているとか。
なんだかこの国に対するイメージがますます暗くなった気がする。
もういらなくなったチェコやスウェーデンのコインをあげたが、ありがとうの一言もなかった。
イリツァ通りをブラブラ歩いたがこれといった収穫はなく、再びインターネットカフェに向かう。
はるばるクロアチアまでやって来て、昼間からインターネットカフェに入り浸る。
旅人失格だな、俺は。
夕方の6時にニーナが現れた。
トラムの駅まで迎えに来てくれたのだ。
カウチサーフィンのプロフィール写真もとてもきれいだったが、実物のミーナはとんでもなく美人だ。
彼女は一人暮らしなので、私のような男は泊めてくれないだろうと思っていた。
ダメもとでカウチリクエストを出してみたのだが、なんと、すぐにOKの返事が来た。
なんでも一応はやってみるもんだな。
二日連続夜行バスを利用したので、しばらく風呂にはいっていない。
こんな美人と会うというのになんてこった。
よほど私の身なりがまずかったのだろう。
彼女の家に着くなり、すぐにシャワーを勧められた。
ニーナの父親は同じマンションに住んでいる。
紹介された。
が、彼は英語ができないので、本当に挨拶だけした。
年頃の娘が見知らぬ男を家に泊めても彼は平気なのだろうか。
日本では考えられない。
もっとも、ニーナが父親と私を引き合わせたのには他に訳があるのかもしれない。
「私に変なことをしようなんて思わないことね。
すぐそこにお父さんが住んでいるんだから」
そう警告されているような気がした。
ニーナはきれいなだけでなく、とてもやさしい。
いろいろと気を配ってくれる。
地元の料理を食べたいという私のリクエストに応えて、レストランに私を連れていってくれたのだが、実は彼女はすでに夕食を済ませていたのだ。
申し訳ない。
彼女のおかげで、食べたかったザグレブ風カツレツを食べることができた。
シーフードリゾットも食べたかったのだが、もう満腹。
やはりいろんな料理を堪能したければ、もっと長期間滞在するべきなのだ。
もちろんクロアチアのビールも頼んだ。
真っ黒で、白い泡がたくさんたっている。
一見するとコカコーラのようだ。
味もなんとなく甘い。
食事の後は、彼女の友達を紹介してくれるという。
そこで彼らの行きつけのバーに行った。
ここはとても人気のあるスポットらしく、超満員。
ものすごくうるさく、大声で怒鳴らないと会話ができない。
店の中には私以外に東洋人は見当たらない。
観光客はこんなところには来ないのだという。
こういう時、カウチサーフィンをやっていて なんか得した気分になる。
ニーナの友達たちはとても気さくで、いろいろと私に話しかけてくれる。
彼らはデザイナーで、京都で働いている知人もいるという。
だから日本について かなり興味があるようだ。
彼らのおかげで、クロアチア人がほんの少しだけ好きになれたような気がする。
ここでもビールを頼んだので、酒に弱い私はもうフラフラ。
ニーナと二人で先に帰ることにした。
レストランではデザートを食べることができなかったので、ニーナがスイーツのお店に連れていってくれた。
どれもおいしそうで、選ぶのに苦労した。
結局、ニーナが推薦する物を全部買った。
彼女の部屋には猫がいる。
とてもかわいいのだが、元気いっぱいでじっとしていられない。
そこらじゅうを走り回っている。
今夜私が寝るソファーは普段はネコが使っているのだが、ニーナが部屋から追い出してくれた。
今夜は一人で眠れる。
バスに揺られる必要はない。
となりに裸のゲイもいない。
かわりに となりの部屋には絶世の美女がいる。
一緒のベッドではないけれど。
カウチサーフィン ありがとう!
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