ナーンタリ ヘルシンキ タリンクシリアライン













ナーンタリ、ヘルシンキ(フィンランド)
朝の8時だというのにまだ暗い。
ナーンタリのバス乗り場まで歩く。
昨日の夜にマルコとクセニアはから道順を詳しく聞いておいたのでバッチリだ。
今回の旅はカウチサーフィンのメリットをたっぷりと享受させてもらう。
ムーミン村へは最終のバス停で降りればいいから楽だ。
とはいえ、やはり見知らぬ土地でバスに乗るのはドキドキする。
一旦間違うと、とんでもない所に連れて行かれそうで怖い。
時間に余裕があればそれもまた楽しかろうが、今の私にはそんな余裕はない。
ムーミンワールドはおそろしく閑散としていた。
というより、ナーンタリの町自体がまるでゴーストタウンのようだ。
道を訪ねようにも誰もいない。
ホームレス風の人に道を聞いたら無言である方向を指差してくれた。
どこまでも静かな町だ。
ムーミンワールドはあちこち改修工事中だった。
こんな光景、子供達には見せたくないなあ。
シーズンオフだから、すべての施設はもちろん、土産物屋やレストランも閉まっている。
ブルドーザーのエンジン音が恨めしい。
教訓
北欧には夏に来るべし!
ムーミンワールドからマーケット広場に戻り、トゥルクの駅に向かう。
思った以上に距離がある。
間に合うか?
途中で東洋人風の男に道を訪ねたら、なんとポケットから「地球の歩き方」を取り出して説明してくれた。
私も日本人だと名乗ると話が長くなりそうだったので、最後まで英語で話した。
私はなんとしても次の電車に乗らなければならないのだ。
ギリギリ ヘルシンキ行の列車に間に合った。
しまった。
食料を買うのを忘れてた。
そういえば朝から何も食べてない。
お腹減ったなあ。
せっかくフィンランドまで来たのだから、足を伸ばしてヘルシンキまで行くことにしたのだが、四時半にはトゥルクに戻ってこなければならない。
マルコとサウナの約束があるからだ。
というわけで、ヘルシンキにいれるのはわずか一時間。
なんともあわただしいスケジュールだ。
本当はフェリーに乗ってスオメンリンナ島に行きたかったのだが、次回に回すしかなさそうだ。
元老院広場、ヘルシンキ大聖堂、ウスペンスキー寺院を見たあとマーケット広場へ向かった。
今日もいい天気で海を眺めるのが気持ちいい。
もっとじっくりとヘルシンキを満喫したかった。
港には大小様々な船が泊まっている。
この中にスオメンリンナ島へ行く船があるのかと考えると辛かった。
ヘルシンキの駅で絵葉書とチョコレートを買う。
列車に乗り込んでくつろいでいると、
「そこは私たちの席よ」と言われて移動した。
次の駅で乗り込んで来た男性にも同じことを言われ、また移動した。
めんどくさいなあ。
予約済みの表示なんてどこにも見当たらないぞ。
電車は少し遅れてトゥルクに到着した。
まずい。
マルコとの約束に遅れそうだ。
途中、トゥルクの大聖堂を通り過ぎる。
じっくりと見学したかったが、次回のお楽しみ、ということにしておこう。
四時半を少し過ぎて彼らのアパートに到着した。
遅刻かな?
と思っていると、ちょうどマルコも帰ってきた。
よかった。
そして念願のサウナ!
予約してあったので我々二人の貸し切りだ。
他の人に気兼ねなく写真を撮ることができる。
マルコはビールを用意してくれていた。
もちろんフィンランドのだ。
サウナでビール?
少し危険な気がしたが、せっかくだからいただくことにしよう。
ガイドブックに載っているような、葉っぱで体をたたくようなことはできなかったが、一時間あまりプライベートサウナを楽しむことができた。
ありがとうマルコ。
ありがとうカウチサーフィン。
サウナでリラックスしたあとは、マルコとクセニアとおしゃべりをした。
それにしてもなんて気の利くカップルなんだろう。
サウナで使うタオルを貸してくれた。
自分のを使うからいいよ、と断わると、
マサトはサウナを使ったあとすぐに出発するでしょ。
乾かすヒマがないじゃない、と言ってくれる。
それに港までのバスも調べてくれた。
カウチサーフィンって、善意の固まりでできているのだろうか。
予め調べてあったにもかかわらず、バス停を見つけるのにとまどった。
バスターミナルにはいくつもの路線が乗り入れており、一つ一つ調べていったからだ。
タリンクシリアラインのフェリー乗り場は怖ろしく混雑している。
例によって子供連れも多い。
フィンランドはバカンスのシーズンなんだろうか。
フェリーの中のレストランは高いので、何か夜食を買っておこうとしたが、このあたりには店がない。
しかたなく自動販売機で1ユーロのポテトチップスを買う。
これが今夜の私の夜食だ。
豪華客船にはおよそふさわしくないな。
フェリーに乗り込んでびっくりした。
なんとまさかの個室。
一番安いチケットを買ったので、てっきりドミトリーだと思っていた。
しかもトイレ・シャワー付き。
おまけにテレビまでついているではないか。
よし、決めた。
思いっきりゴロゴロしよう。
この船にはサウナやカジノやジャグジーが備わっているのだが、
サウナはすでにマルコと体験済みだったのでもういいや。
あれ?
インターネットが使えない。
それはちと不便だな。
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