ケルン ドイツ











ケルン(ドイツ)
デュッセルドルフの待合室は、とても寒くて眠れなかった。
起き出して街をさまよう。
すると、インターネットカフェらしきものがあるではないか。
たまっていた作業を片付けてしまおう。
旅行中は意外とインターネットに接続する機会が無かった。
マクドナルドやスターバックスでもWi-Fiを使えないこともあるのだ。
インターネットカフェの料金は一時間一ユーロ。
安い。
が、安いのには訳があった。
とにかく遅いのだ。
ドイツのデュッセルドルフの駅前のインターネットカフェだろ?
なんだこのノロさは。
カウチサーフィンのサイトを開くのに何分かかってるんだよ。
だめだこれは。
こんなスピードではFacebookに写真をアップすることなんて不可能だ。
メールのチェックをするだけにとどめて置いた方が良さそうだ。
おっ。
オランダのホストから受け入れオーケーのメールが届いている。
やった。
それにリューベックのエマからも。
よし。
当面はなんとかなりそうだ。
まだ朝早かったが、ケルン行きの列車があるようなので飛び乗った。
あばよっ!デュッセルドルフ。
ドイツの駅のインフォメーションセンターはかなり親切だ。
行きたい場所を告げると、目的地までの詳細なダイアグラムをプリントアウトしてくれる。
これは便利だ。
この紙があれば迷うこともなくなる。
これからは毎回インフォメーションセンターに行こうかな。
ケルンの駅に着いたらさっそく大聖堂を見に行った。
まだ夜は明けていないが、大聖堂はライトアップされて輝いていた。
疲れが吹き飛んだ。
よくもまあこんな大都会のど真ん中にこれほどの建築物が残っていたなあ。
これはすごい。
思わずブツブツつぶやいている自分がいた。
大丈夫かな、俺。
ケルンの大聖堂を一周したらお腹がすいたので、マックで朝食にすることにした。
Wi-Fiが使えるかどうか聞いたら、ドイツの電話番号がいる、とのこと。
なんじゃそりゃ。
ドイツの電話番号なんて持ってないよ。
途方にくれていると、別の店員の女の子が電話番号を貸してくれた。
ドイツにも優しい子はいるんだね。
助かった。
一段落ついたら眠くなってきた。
駅の構内のベンチで居眠りしていると、警察官に起こされた。
パスポートを見せろ、という。
そんなに私の人相風体は怪しいのだろうか。
そういえばまたヒゲをそっていなかった。
ろくに寝てないから目も血走っていることだろう。
外は今日も雨。
ほんとにヨーロッパってこんな天気ばっかりだな。
外を出歩くには不向きな天気なので、電車でライン川見物をすることにしよう。
ケルンからマインツまで片道二時間。
車窓から見るヨーロッパの景色は素晴らしい。
しかし、いかんせん電車のスピードが早すぎる。
やはりライン川は船でのんびり下ってこそ味があるというものだ。
昨日はほとんど寝ていなかったので、ついうつらうつらしてしまった。
マインツに着いても特に見たいものは無かったので、
スーパーで買い物をしてすぐに引き返した。
こういう無駄な電車の旅ができるのもユーレイルパス様のおかげだ。
窓から見える景色は基本的に行きと同じなので、帰りは完全にお昼寝タイムと化した。
せっかくだから一等の車両に乗ってやった。
席の間隔が広く、やはり二等とは違う。
ケルンに着くと、再び雨が降っていた。
大聖堂は意外にも無料だったので、中でしばらく過ごす。
平日なのに観光客が大勢いる。
日本人もけっこういた。
ケルンの大聖堂をゆっくり見て回ってもまだ約束の時間までは数時間ある。
駅構内で野良電波を拾ったので、iPadで時間をつぶすことに決定。
たまっていたメールの返事を一気に書く。
ついでにブログも更新。
カウチサーフィンのレファレンスもまとめて書いてしまおう。
わお、スターバックス様はなんてありがたい存在なんだ。
6時にシルビアから電話がかかってきた。
少し遅れるという。
ならば、と、その間に駅の遺失物コーナーにいって「地球の歩き方」がないかどうか確認したがなかった。
一応書類を書いたが、まあ戻ってこないだろう。
そしてついにシルビアと対面。
とても感じのよい女性で、すぐに彼女のことが気に入った。
彼の夫ウォールの運転で彼女たちの家に向かう。
渋滞のせいで40分くらいかかった。
彼女たちの家は閑静な住宅街の中にある。
とても落ち着いた雰囲気が素敵だ。
シルビアが近所のレストランに連れていってくれた。
ケルンのビールと地元の料理を楽しめるという。
だが、とても高級そうなレストランだ。テーブルの上にキャンドルなんて置いてある。
支払いは大丈夫だろうか。
まずはケルンのビールをいただく。
予想に反してとても小さなグラスだ。
メニューはすべてドイツ語だったので、シルビアにおまかせした。
子牛のステーキ。
いったいいくらするんだろう。
続いてモルツのビールをいただく。
ビールといっても、ノンアルコールだそうだ。
料理はボリュームがあり、すぐにお腹いっぱいになったががんばってすべて食べた。
食べれる時に食べて、栄養を補給せねば。
請求書は古風な木箱に入れられていた。
さて、支払額はいくらだ?
当然私が支払うつもりだったが、シルビアは私が払うといって譲らない。
なぜ?
お世話になってるのは私の方なのに、なぜ彼女が私の分まで払うんだ。
どう考えてもおかしい。
だが結局彼女が支払ってくれた。
うれしいが、やはり後味が悪い。
どうやったら彼女に恩返しできるだろう。
シルビアはとても小鳥が好きで、6羽も飼っている。
しかも、鳥たち専用の部屋まであり、そこで放し飼いにしているのだ。
その鳥たちはとても人懐っこく、私の肩や頭に飛び乗る。
その後もシルビアのもてなしは至れり尽くせりだった。
広い個室をあてがわれ、シャワールームも広く清潔だ。
枕元にミネラルウォーターまで置いてくれた。
なぜ、そこまで親切にしてくれるのだろう。
久しぶりに心ゆくまで眠ることができた。
朝の8:30まで眠ることを許可してくれたのだ。
疲れがすっかりとれた。
シルビアが車で駅まで送ってくれるという。
彼女には感謝してもしきれない。
彼女の運転でケルンの市内に向かう。
ドイツの高速道路を体験することが出来た。
高速道路からケルンの大聖堂も見ることが出来た。
昨日の雨も上がり、天気は快晴だ。
ケルン メッセ駅で降ろしてもらう。
ケルン中央駅まではほんの一駅だ。
ゆっくりと彼女にはお別れとお礼を言いたかったのに、朝の通勤ラッシュで駅のロータリーはつかえている。
後ろの車がけたたましくクラクションを鳴らす。
あわただしい別れだった。
ありがとうシルビア。
今回の旅はこれまでのところいいホストに恵まれている。
そのなかでも彼女は飛び抜けていた。
もう一度会いたい人がまた増えた。
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