今夜はカウチサーフィンなし。

ライン川下りのフェリー上にて。





デュッセルドルフの駅の待合室で、防寒シートをかぶって寝る。
かっこ悪いが、寒いのだから仕方がない。
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コブレンツ(ドイツ)
電車はのどかな田園地帯を走っている。
車窓から見えるヨーロッパは牧場ばかりだ。
Trierのあたりで車掌がパスポートをチェックしに来た。
どうやら国境を越えたらしい。
ヨーロッパの鉄道の車掌さんには女性が多い。しかも美人だ。
不覚にも、制服に萌えてしまった。
そう言えば、車内放送もドイツ語に変わっている。
何を言っているのかさっぱりわからない。
うー、緊張して来た。
まあいいか。
どうせフランス語もわからなかったんだし、一緒だ。
コブレンツに到着した。
いかにもドイツ、といった街並みがたまらない。
どうも私はドイツとは相性がいいようだ。
意味もなく楽しくなってくる。
駅のインフォメーションセンターでライン川下りの船乗り場への行き方を教えてもらう。
なかなか愛想の良い兄ちゃんだった。
船着場は駅から30分ほど。
重いリュックが肩に食い込んで痛いが、今私はライン川沿いを歩いているんだと思うと楽しくなってくる。
出港までは時間があったので、絵葉書を買って書いた。
もちろんペギーにだ。
一人の少年が近づいて来た。
新聞のような物を私に手渡す。
サンキューと言ってもらったら、手を伸ばして来た。
なんだ、タダじゃなかったのか。
チラシか何かだと思ってた。
そうだ、忘れてた。
ここは日本ではないのだ。
その少年はその後も何かしつこく言って来たが、ドイツ語なので何を言っているのかさっぱりわからない。
いよいよラインクルーズの始まりだ。
甲板の一番前にイスを置いて陣取った。
風が冷たかったのでレインコートを着込んだ。
甲板上は騒々しかった。
どうやらアメリカ人の
観光客の団体が乗り合わせているようだ。
ライン川の美しい風景なぞそっちのけでおしゃべりに夢中になっている。
こいつらはいったい何しに来たんだ。
ヤンキー、GO home!
船からの眺めは想像していたよりもはるかに素晴らしかった。
私はボートクルーズなんてガラじゃないと思っていたが、
このゆったりとした時間がたまらなくいい!
ライン川の流れはもちろん、川沿いの街並みも絵になる。
それに加えて時折、古城が見えてくる。
そのタイミングで説明のアナウンスが流れる。
ドイツ語、英語、日本語の順だ。
日本人はどうやらお得意様のようだ。
だが、私が乗った船には日本人らしき人はいなかった。
寒くなって来たので、船内でサブウェイのサンドイッチをほおばる。
2時から6時半までのクルーズなんて あっという間だった。
バッハラッハで下船した。
ここには古城を改装したユースホステルがあると聞いていたからだ。
中世ヨーロッパのお城で一泊する。
これは貴重な経験になるに違いない。
30分ほど山路を登り、お城にたどり着いた。
だが、空き部屋はないらしい。
ガイドブックには確かに、
このユースホステルは人気があるので、夏は予約して行った方がいい、と書いてあった。
だが、今は10月だ。
そんなに混んでるとは思わなかった。
仕方なく、トボトボと山を下る。
日が暮れてしまった。
今夜はどこで寝ようか。
何も考えていなかった。
自業自得だ。
ユースホステルのお姉さんの説明によると、隣の駅にもユースホステルがあるという。
さっそく行ってもた。
がくぜんとした。
駅前は真っ暗だ。
道を尋ねようにも、駅員もいない。
こりゃダメだ。
自力でユースホステルなんて見つけられそうにない。
もっと大きい街へ行かなければ。
コブレンツかケルンか。
迷った。
ケルンの方が大きな街のようだ。
それに、どっちにしろケルンには行くつもりだった。
到着は11:00過ぎの予定。
そんな時間に宿なんて見つかるのかな。
ま、大都会ならインターネットカフェくらいはあるだろう。
遅いなあ。
いつになったらケルンに到着するんだろう。
予定の時刻はとっくに過ぎているのに、なかなかケルンに到着しない。
停車する度に駅名を確認するのだが、聞いたことのない名前ばかりだ。
なにかがおかしい。
近くにいた乗客に聞くと、とっくに行き過ぎているらしい。
私はどうやらあらぬ方向へと向かっているようだ。
なんてこった。
やらかしてしまった。
慌てて飛び降りる。
あっ!
「地球の歩き方」を電車の中に忘れて来てしまった。
あれがないとどうにもならない。
まさに命綱なのに・・・
外は雨。
ここはどこ?
今夜はどこで寝たらいい?
とたんに疲れがどっと吹き出して来た。
周りの世界がグルグル回っている。
時刻は深夜の12時を回っている。
とにかくできるだけ大きな都市に向かおう。
田舎の駅に深夜取り残されるのはゴメンだ。
幸い、デュッセルドルフ行きの最終電車が残っている。
そこならまずまず大きな都市だろう。
最後の気力を振り絞って電車に飛び乗った。
もちろん、デュッセルドルフに着いても行く当てはない。
だが、幸いなことに駅の中の待合室が使えた。
ここで一夜を明かす乗客も大勢いるようだ。
助かった。
今夜はここで眠ることにしよう。
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