さよならアレハンドラ


ついにアレハンドラとのお別れの時がやって来た。
なんと、彼女は私の家に11泊もしたことになる。
すごいぞアレ、記録更新だ。
最後の日だから一緒に過ごしたかったが、私は自分のヨーロッパ旅行の準備で忙しい。
シティバンクの口座を開いたり、ユースホステルの会員証を作ったりしなければならないので、
朝から外出していた。
夕方、私が帰宅すると、アレハンドラはもうすでに出発の準備を整えていた。
あんなにちらかっていた部屋が、きれいに片付いている。
なんだか急にさみしくなってしまった。
アレハンドラは私のために御飯を作ってくれていた。
例によって、得体のしれない食べ物だったが、彼女の最後の手料理だ。
ありがたくいただくことにしよう。

アレハンドラはいらなくなった服を私にくれるという。
でも、当然ながら全て女物だ。
これをいったいどうしろというのか・・・
アレハンドラはまた、折り紙の鶴をたくさん残していった。
ドイツ人カウチサーファー・エマに折り方を教わってからというもの
毎日折り続けていた。
彼女の思い出に1羽くらいは欲しいが、さすがに数十匹の折りヅルはいらない気もする。
アレハンドラは私の名前を独特のアクセントで呼ぶ。
私の名は「マサト」なのだが、彼女は
「マァースゥォートゥオー」
と呼ぶ。
そんな彼女の声を聞くのもこれで最後か。
アレハンドラの旅はまだまだ続く。
京都の後は鹿児島と屋久島。
その後はインドで2ヶ月間ヨガの修行。
その後はマレーシア。
しかも、インドにいる間はインターネットを使えないため、
彼女とコンタクトを取ることは事実上不可能となる。
それでもいつかまた会いたいな。
アレハンドラと私とは、いろんな点で性格が合わなかった。
正直言って、彼女にイラついたこともあった。
それは向こうも同じだったと思う。
それなのに、なぜか彼女の印象は強く残った。
カウチサーファーには変な人が多いが、彼女は別格だ。
アレハンドラの旅が、人生が、これからどんな風になっていくのか、とても興味をそそられる。
これからも彼女とは連絡を取り続けて行こうと思う。
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