お背中流しましょうか?
アレハンドラはしばらくは外出はしたくない、と言う。
ちょっとでも手を動かすと、とてつもなく痛むそうだ。
台風が接近しているせいで、しばらくは雨の日が続く。
彼女にはちょうどいい休息になるだろう。

効き腕を使えない彼女はいろいろと不便そうだ。
お風呂に入る時も、ギプスをビニール袋で保護している。
片手でシャワーを浴びるのはさぞかし不便だろう。
「手伝おうか?」
と声をかけたら、思いっきりにらまれた。
そんな状態でも、アレハンドラは食事を作ってくれる。
この数日間で、暗黙のルールが出来上がっている。
私がご飯や玉子、調味料を提供するかわりに、
彼女が野菜などを買ってきて料理する。
そして、後片付けは私。
おおっ!
まるでルームメイトのようだ。

ある日の朝食のこと。
アレハンドラがうれしそうに騒いでいる。
「見て見て、マサト!
私 新しいメニューを考えたの。
クラッカーの上に豆腐を載せてみたの。
どう?
なかなかいけてるでしょっ!」
確かに悪くはない。
でもね、アレハンドラ。
この野菜クラッカーも豆腐も私の冷蔵庫に入っていた物だろ。
最初の頃はいろいろと遠慮していた彼女だが、
最近はすっかり我が家の住人になってしまっている。
こういう雰囲気、私は好きです。
でも、ふと思った。
あまり仲良くなると、いざ別れる時に悲しくなるような気がする。
それもカウチサーフィンの宿命か。
仕方が無い。
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