不協和音
スペイン人とドイツ人と日本人の奇妙な同居生活が始まって3日目。
少し緊張が解けてきたのか、それぞれが自己主張をし始めて、
なんだかぎくしゃくした雰囲気になってきた。
今日は8時に家を出る約束をしていたのだが、
彼女たちは7時30分を回っても起きてこない。
やっと起きてきて洗面を済ませたと思ったら、朝食の準備をし始めた。
どうやら、8時に家を出る気は毛頭ないらしい。

(金閣寺へと向かうバスの中にて)
アレハンドラは普段はとても可愛い顔をしています。
念のため・・・
まずは最初の目的地、金閣寺。
意外にも、二人とも大喜びしてくれた。
次の目的地、竜安寺でも、彼女たちは満足してくれたようだ。
あの皮肉屋のアレハンドラさえも、手放しで竜安寺を称賛していた。


それにしても、親子ほど歳の離れたエマとアレハンドラは
すっかり打ち解けてしまったようだ。
あまりにも親密になり過ぎて、
しょっちゅう憎まれ口を叩いている。
常に意見を戦わせているので、
傍から見ているとケンカをしているのかとハラハラしていたのだが、
どうやらそうではないらしい。
ひとしきり議論した後は、二人でお腹を抱えて大笑いしている。
まるで本当の親子のようだ。

(議論を交わす二人)
私の計画では、この後、仁和寺に行く予定だった。
だが、彼女たちがあまりにものんびりしているため、
このままでは清水寺に行けなくなるおそれがある。
そこで仁和寺はパスすることにした。
すると、アレハンドラが怒りだした。
「どうして急に計画を変更するのよっ!」
それでも昼食の回転寿司屋では二人ともごぎけんだった。
彼女たちは寿司は初めてではないようだが、この寿司屋が大変気に入ったようだった。
そしてなんと、私の分まで払ってくれたのだ。

この後は今日のメインイベント、東山エリアなのだが、
三人それぞれの個性が異なるため、お互いがイライラし始めた。
エマは白川通りが大変気に入ったようで、
何度も立ち止まっては写真を撮っている。
だが、アレハンドラにはそれが気に食わないらしい。
彼女たちはいやみの応酬を始めた。
知恩院、円山公園、八坂神社を駆け足で見物した後、八坂の塔へと向かう。

ここでもエマは何度も足を止めては写真を撮っている。
ついに、アレハンドラの堪忍袋の緒が切れたらしい。
「私は先に行ってるから!」
一人で歩きだした。
ついに二人の仲にヒビが入ったか?
だが、心配するだけ無駄だった。
二年坂、三年坂にはたくさんのお店が軒を連ねている。
ウインドウショッピングをしているうちに、仲直りしてしまったようだ。
彼女たちは清水寺にも感激していた。
カウチサーフィンを始めてから、もう何十回も清水寺を見ている私とは感じ方が違うようだ。

(清水寺の音羽の滝)
アレハンドラはここでおみくじを引いたのだが、なんと「凶」が出てしまった。
頼むから私に八つ当たりはしないでおくれよ。

四条通りでは二人ともショッピングを謳歌していた。
手ぬぐいや櫛、髪飾りなど、
これでもか、といわんばかりに買いあさっていた。
アレハンドラはお金を使い果たしてしまい、
コンビニで現金を引き出す始末だ。
先斗町、木屋町をブラブラした後は、居酒屋で夕食。
ここでも彼女たちが支払いを持ってくれた。




ただ、食後に店内で折り紙を始めた時には閉口したが。


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