台風の後で
本来なら今日はエマと苔寺(西芳寺)に行く予定だった。
だが、あいにくの台風直撃。
苔寺(西芳寺)は最低でも一週間前に予約しなければ拝観できない敷居の高いお寺だが、
さすがにこの台風の最中に訪れるのは無理。
泣く泣く訪問を断念した。
暴風雨の中では傘も役に立たない。
おとなしく家でゴロゴロすることにした。

他のドイツ人カウチサーファーからもらったドイツのお菓子をみんなで食べた。
他に何もすることがない。
いい年した大人が三人も
狭いアパートの一室で昼間っからたむろしている。
スペイン人とドイツ人と日本人。
年齢も27、52、40、とバラバラ。
なんだか笑えてきたぞ。
カウチサーフィンって、やっぱりどこか変だ。

今朝の朝食は、アレハンドラが作ってくれた。
そうめんに豆腐をまぜて、お好み焼きソースで味付けをした へんてこな代物だ。
およそ地球上の食べ物とはとうてい思えない。
名付けて、「アレハンドラ・スペシャル」
けっこうおいしかったです。
最初はテレビの台風情報を見て時間を潰していたのだが、
流れている映像はずーっと同じ。
さすがに飽きてきた。
そこで、ゲームをして遊ぶことになった。
ヨーロッパではポピュラーな、すごろくに似た遊びだ。



ルールは単純だが、これがけっこう面白い。
勝負が佳境になってきたころに、雨が上がった。
負けがこんでいたエマが提案する。
「あら、雨があがったみたいよ。
一日中家の中にいるなんて不健康だわ。
今から外出しましょ。」
それって、ただ単に、自分がゲームに負けてるから思いつきで言っただけじゃないのか・・・
その時、消防団の車がスピーカーで何かわめきながら近づいてきた。
「桂川上流のダムで放水を行っております。
川は増水して、大変危険な状況なので、
絶対に川岸には近づかないでください。」
このアナウンスを聞いた瞬間、我々の目的地は決定した。

すごい。
こんなに荒れ狂ってる桂川は見たこと無い。

消防団のアナウンス通り、桂川はものすごいことになっていた。
川岸には大勢のやじ馬が集まっている。
これって、消防団の努力はかえって逆効果なんじゃ・・・


この写真ではアレハンドラがふざけていますが、
実際には風はほとんどなかったです。
三人とも興奮して、増水した桂川の写真をとりまくっていた。
アレハンドラもエマも、嵐山に対して間違ったイメージを持ってしまったようだ。

「アラシヤマってすごい!
まるでドラゴンが暴れているようだわ!」
いや、普段の嵐山は風光明媚な所なんですよ。
桂川右岸は立ち入り禁止区域になっていた。
歩行者も車も入れない。


渡月橋を渡ってしばらく歩くと、エマがまゆ細工のお店を見つけた。




その後どこへ行くかで、かなりもめた。
エマと私は伏見稲荷を推すのに対して、
アレハンドラは錦市場と三十三間堂に行きたいという。
エマとアレハンドラはかなり真剣に討論している。
一触即発の空気だ。
私はオロオロするばかり。
やはり欧米人は日本人と異なり、
自分の主張をハッキリさせる人種なんだな、
とつくづく痛感した。
結局は多数決で伏見稲荷に行くことになったのだが、
アレハンドラはずっとブツブツと言っていた。

台風の影響でJRのダイヤは大幅に乱れていた。
いつもよりもかなりの時間がかかったが、
なんとか無事に伏見稲荷に到着。
こんな台風の日にも関わらず、
大勢の観光客がいる。
おまけに千本鳥居は工事中で、
なんだかぐちゃぐちゃだ。
それでもエマとアレハンドラはかなり喜んでいる様子。
やっぱりここは外国人観光客ウケがいい。
夕食はJRの駅構内の立ち食いそば屋で済ませました。

明日は台風も遠ざかり、観光日和になりそうです。
ということで、今夜は早めに寝ましたとさ。
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