宿敵、現る!
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ヴァネッサが私のうちに来てからもう6日目。
できることなら、彼女との共同生活が永遠に続いてほしい。
そんな私の淡い期待をぶち壊す事件が勃発した。
貴船神社を後にした我々は、鞍馬山をハイキングしていた。
とても気持ちのいい天気で、しかも同伴者はヴァネッサ。
私は幸せの絶頂だった。
おやつ休憩をとっていると、背の高い男が近づいてきた。
ヨーロッパ人のようだ。
彼の名はルイス。
一人で日本を旅行しているポルトガル人だ。
ルイスは英語があまり流暢ではないのだが、妙に人懐っこい。
なんだかんだで私たちにくっついて歩いてきてしまった。
それだけならまだ許せる。
だが、

俺のヴァネッサに触るなっ!
知り合ってまだ5分ほどだというのに、肩なんて組んじゃってる。
さすが欧米人。
日本人にはとても真似のできない芸当だ。

鞍馬寺の境内は日本有数のパワースポットだと説明したら、
ヴァネッサが叫びだした。
どうやらエネルギーが有り余っているらしい。

ルイスと仲良く記念撮影。
ほんとはこんな奴と肩なんて組みたくなかったんです。
早くどっか行けよ、この野郎!

ヴァネッサのポーズ、決まってるでしょ。
彼女はなかなかのスポーツウーマン。
一通りのスポーツはなんだってこなします。
もちろんヨガも本格的にやってるとか。
やはりいい女は陰で努力をしてるんですね。

ルイスとヴァネッサがまた一緒に写真を撮ってます。
今度は彼女に触るなよ!
鞍馬寺の次は鞍馬温泉へ行くことになりました。
こんなに暑い日に温泉なんて気乗りしなかったのですが、
ヴァネッサの希望なら仕方ありません。
にっくきルイスは鞍馬駅へ向かうみたいです。
やった、ここでお別れだ。
二度と俺たちの前に姿を現すなよ。

(鞍馬温泉へ)
ルイスはなかなか私たちから離れようとしません。
「で、君たちはどこへ行くの?
え? 温泉って何?
露天風呂?
なんだかよくわからないけど、面白そうだな。
俺も行こうかな。」
来るなーっ! 帰れーっ!
私の心の叫びもむなしく、結局ルイスもついてきました。
鞍馬温泉へと向かう道すがら、私は頭の中でブツブツとつぶやき続けました。
「こんなはずじゃなかった。
今日はヴァネッサと二人きりでラブラブな雰囲気になる予定だったのに・・・・
どうしてこんなことになっちゃったんだろう。
みんなこいつが悪いんだ。
こいつさえいなければ・・・」

鞍馬温泉の前で記念撮影。
いろいろ書いてきましたが、
ほんとは私たち三人はとても仲良しなんですよ。
こうして見ると、ヴァネッサってちっちゃいなあ。
オーストラリア人の女性って、大きいイメージがあったのですが(ジェンマとか)
ヴァネッサは並みの日本女性よりも小さくてかわいいです。
長風呂が好きなヴァネッサの提案で、
2時間後に落ち合うことに。
ルイスがボソッとつぶやきます。
「2時間か。長いな。」
じゃあ お前一人で帰れば?
いや、ほんとにルイスと私は仲良しなんですよ。
なんといっても、温泉に浸かって、男同士 裸で語らい合った仲なんですから。
普段は夜に来ることが多い鞍馬温泉ですが、
天気の良い昼間に来るのもまたいいですね。
真っ青な空に、緑の山がくっきりと映えます。
鞍馬温泉は山奥に位置しているので、自然が豊富です。
と、そこへ一匹の「あぶ」が飛んできました。
そして、なんと、アブがルイスを刺したのです。
HOORAY!!!! ざまあ
俺って最低だな。

帰りは鞍馬温泉の送迎バスで駅まで送ってもらいました。
ありがとうございます、旅館の人。

帰りの叡山電車の中でも、もちろん和気あいあいの我々三人組。
腹の中はどうだか知りませんが・・・
さすがに出町柳駅で別れることになるだろうと思っていたのですが、
どうやらルイスには別の思惑があったようです。
「じゃあ、晩メシは何にする?」
「じゃあ」ってなんだよ?
ルイスのあまりのしつこさに、
ヴァネッサも少々ウンザリしているようです。
「今日はいっぱい歩いたから、なんだか私 疲れちゃった。
帰ってゆっくりしたいわ。
マサトは?」
もちろん私に異存はありません。
残念ながらルイスとはここでお別れです。
と、その時、一瞬 ルイスの口が開きかけました。
まさか、俺の家にまでついてくるつもりか?
私の必死の「来るな!」オーラが伝わったのか、
ルイスの口から言葉が発せられることはありませんでした。

ルイスの追跡をなんとか振り切ったヴァネッサと私は、
帰り道にスーパーに寄りました。
今夜の晩ごはん、「たこ焼き」の材料を買うためです。
珍しいことに、ケチなヴァネッサがビールを買ってくれました。
そういえば、今夜はビールを飲みたい気分です。
邪魔者もいなくなったことだしね。
たこ焼きを食べ終え、
ビールでほろ酔い気分になった私たちは、
とてもいい気持ちでのんびりとくつろいでいました。
こんな美人の嫁さんと毎晩一緒にビールが飲めたら最高だろうなあ。
今日はいろいろあったけれど、
終わりよければ全てよし、
だな。
と、そこへ、またしてもルイスからメールが。
「じゃあ、明日は何時に集合しようっか?」
もう勘弁してください。
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