高校教師と鵜飼い

スペインからのカウチサーファー、マリアとソレとJRの嵯峨嵐山駅に迎えに行く。
二人ともおそろいの真っ赤なキャリーバッグ。
とても仲良しの親友のようだ。
彼女たちはラテンの国、スペインからのカウチサーファーということで、
私のテンションも高めだ。
会話も弾む。
だが、何かがおかしい。
マリアはとてもおしゃべりで、
私に気さくに話しかけてくれる。
だが、ソレはあまりしゃべらない。
私が話しかけても、
にっこりとほほ笑むだけ。
「ひょっとして、今回のカウチサーフィンはハズレか?」
そんな不安がよぎった。
マリアとソレはスペイン人。
マヨルカ島の隣の、メノルカ島からやってきた。
もちろんスペイン語を話すのだが、
カタラン語も使う。
だから、彼女たち同士で話しているときは、
何を言ってるのかわからない。

彼女たちが持ってきてくれたお土産。
どうやらお肉のようだが、
スペイン語で書かれているため、
よくわからない。
彼女たちが説明してくれたのだが、
いまいち理解できなかった。
「生のビーフジャーキーみたいなものよ」
「牛の刺身だと思ってもらえばいいわ」
どうやって食べればいいんだ?
このまま生でもいけるのか?
結局わからずじまいだった。
マリアとソレは、
こう見えても高校の教師だ。
マリアは化学、
ソレはスペイン語を教えている。
こんな美人の先生が教室にいたら、
そわそわして勉強なんか手につかないだろうな。
ソレはあまり英語が得意ではないらしい。
とはいっても、
私よりは上手なのだが。
だから、あまり積極的には私に話しかけてこない。
ただ一つ、
ある例外を除いては。
実はソレは日本の文化が大好き。
ジブリの映画とか、テレビドラマとかの話をしだすと、
とたんに饒舌になる。
特にハマってるのが、
「花ざかりの君たちへ」
らしい。
「ハナキミ、ハナキミ」
と言ってたので、最初は何の事を言ってるのかさっぱり分からなかった。
彼女たちが嵐山に到着したのは夜。
そこで、初日の今日は、
桂川へ鵜飼いを見に行くことにした。
カウチサーファーの間では評価が二つに分かれるこの鵜飼い。
さて、彼女たちの反応は・・・
と、少し心配だったのだが、
大いに気にいってもらえたようだ。
しきりにため息をもらしていた。
「ありがとう、マサト。
この場所へ連れて来てくれて。」
喜んでもらえてよかった。
順調な滑り出しだ。
この分だと、今回のカウチサーフィンは楽しいものになりそうだ。
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