一緒に旅行、しよっ!

写真を整理していたら、
まだブログにアップしていないものがあることを発見。
そこで、記憶をたどりながらこの記事を書いています。
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なんだかんだいって、オードリーとも今日でお別れです。
彼女は再び東京に戻り、
しばらくそこで日本にとどまる予定です。
まだ10代のオードリーにとって、
京都は退屈な街なのかもしれません。
私には最後までオードリーという女の子が理解できませんでした。
20歳以上も年齢が離れている上に、フランス人。
まるで異星人です。
それでも彼女は別れ際にハグをしてくれました。
よかった。
嫌われてはいなかったようだ。
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そして後には私とクマだけが残されました。
もともとカウチサーファーというのは、
ちょっと変わった人種なのだが、
クマには驚かされる。
京都の後はどこに行くのかと尋ねると、
金沢に行きたいと言う。
そしてクマの次のセリフに私の顔は凍りついた。
「マサトも一緒に来る?」
この子はいったい、自分が何を言ってるのかわかっているのだろうか。
一緒に旅行?
数日前に知り合ったばかりの男女が?
そんなの常識では考えられない。
いやいや。
そもそもカウチサーフィン自体が世間一般の常識からみれば異常なのだ。
カウチサーファー同士で旅行したって何の不思議もない。
現にクマは見ず知らずの私の家に寝泊まりしている。
その場所が京都から金沢に変わるだけだ。
クマと2人で旅行かあ。
なんだか楽しそうだぞ。
京都から金沢へは、電車で2時間ほど。
旅行というほど大げさなものではないが、
私の心は浮足立った。
それにクマは金沢だけではなく、
もう少し足を伸ばして、白川郷や高山へも行きたいと言う。
2泊3日の小旅行か。
なんだかワクワクしてきた。
だが問題は泊まるところだ。
クマはホテルを使うつもりはまったく無いらしい。
カウチサーフィンオンリー。
でも、明日の晩のホスト先がそう簡単に見つかるわけがない。
ダメもとで探してみるか。
何件か条件のよさそうなホストをピックアップして、
クマに相談しようとして声をかけた。
が、返事が無い。
気持ちよさそうにスヤスヤと眠っている。
えーっと・・・
気を取り直して、
ホスト選びを続けた。
こんな急なカウチリクエストに応じてくれる人なんているはずがない、
と思っていたのだが、なんと返事をくれた人がいた。
しかも、我々2人とも受け入れてくれるらしい。
今度こそクマを叩き起こして、そのことを告げると、
きょとんとしている。
「え?
ほんとに一緒に来るつもり?」
言葉にこそしないが、彼女の顔にそうハッキリと書いてある。
もしかしたら、寝起きでボーッとしてて、
事情が良く飲み込めていないのかとも思った。
だが、どう善意に解釈しても、
私と一緒に金沢に行くことを喜んでいる顔ではない。
そうか。
そうだったのか。
一緒に旅行しようと誘ったのも、
単なるリップサービスだったのだ。
それを真に受けて有頂天になっていた自分が恥ずかしい。
それになにより、わざわざこんな急なカウチリクエストを受け入れてくれた人に申し訳ない。
ごめんなさい、金沢の人。
ちなみにクマは、
「一緒に旅行に行くのはやだ」
とは一言も言ってない。
でも、なんなんだろう、この白けた雰囲気は。
こんな状態で3日間も一緒にいても、苦痛なだけだ。
というわけで、私の金沢小旅行は幻と消えた。
もちろんクマには悪気は無い。
早とちりしてのぼせあがっていた私が悪いのだ。
いい夢見させてもらったぜ。
あばよっ!

私の家を出て行くクマ。
リュックには登山用のスティックが刺さっている。
なぜなら彼女は香港に帰る前に富士山に登るからだ。
クマは自分のことを
「山ガール」
と呼んでいた。
そんな日本語、いったいどこで知ったんだ?
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