映画村のフィンランド人
7月9日(土)

今日も相変わらず暑いです。
特にフィンランドのような涼しい国からやってきたオスカーとヴィレにとっては、
この日本の暑さは尋常なものではないはず。
この炎天下を歩く、彼らの白い肌は見ていて痛々しくなります。
まだ一日は始まったばかりだというのに、
すでにバテ気味のオスカー。

暑さに参っているのはヴィレも同じです。
この後、我々は丘の上にある展望スポットまで登ることになるのですが、
ヴィレは死んでました。

それでも、嵐山の竹林に入った彼らは生き返りました。
さすがに竹林の中は少しは暑さが和らいでいます。
それに、彼らのカメラマン魂に火がついたようです。
せっせと写真を撮っています。
天龍寺の横にある墓地でも熱心に撮影していました。

京福電車に乗って、次の目的地、東映太秦映画村に向かいます。
ふと気付いたのですが、オスカーはかなり毛深いです。
色白でひょろっとしているのにもかかわらず、
体中が毛むくじゃらです。

オスカーとヴィレは映画の勉強をしているというだけあって、
映画村に到着した途端、目が生き生きとしてきました。
映画のセットの、日本の古い街並みを見て大興奮です。
遊郭の女郎さんと3人で記念撮影をしました。

遊郭の入り口で、胸を張って記念撮影をするヴィレ。
彼はここがどういうところなのかちゃんと理解しているのでしょうか。

運のいいことに、ちょうど侍によるチャンバラ教室が始まるところに出くわしました。
日本の武術に興味のあるヴィレは興味津々です。
新撰組の沖田総司と浪人の殺陣が終わった後は、
剣術の体験コーナーです。
見学者の中から、3人ほどが実際に剣術の手ほどきが受けられるのです。
「せっかくだから剣術の経験をしてみなよ。
きっといい思い出になるよ。」
と私が勧めても、彼らは応じようとしません。
フィンランド人というのは、なかなかシャイなようです。

最後に記念撮影タイムです。
実際に刀を構えて、3人で一緒に写真を撮りました。
これだけでも、わざわざ高いお金を払って映画村に来た価値がありました。

奉行所で武器を見つけた我々は、さっそく遊び始めます。
実は彼らはけっこうノリがよかったりします。

オスカー VS ヴィレ。
「こう見えても俺は武術の心得があるんだぜ。」
と言う割には、腰が入っていません。

せっかくだから、忍者とも記念撮影しました。
この他にも、映画村の中には、お姫様や侍など、
さまざまなコスプレをした人たちが歩き回っていました。
忍者の黒装束を着こんだ小さな男の子も可愛かったですが、
個人的には、露出度の高い、エロい忍者の恰好をした女の子が印象的でした。

「これは日本の昔のタクシーだ。」
と説明すると、
オスカーは喜んで乗ってました。

映画村で年甲斐もなく大はしゃぎした我々は、
かなり疲れていました。
私はできることなら、すぐに家に帰りたかった。
それでも、「自称」京都の観光ガイドの私には、一応全てのスポットを彼らに教える義務があります。
この暑い最中、まさか彼らが興味を示すことはなかろうと予想して、
嵐山の駅の中にある足湯の事を教えました。
すると、なんと彼らは入りたい、と言うではありませんか。
正気か?
ただでさえ暑くてクラクラしているというのに、
この上さらにお湯に足を浸けるというのか。
しかもお金を払ってまで。

すでに夏バテ気味のヴィレは、カメラを向けても、笑顔を作る気力が残ってません。
だから言わんこっちゃない。

体の中からも外からもホットになってしまった我々は、
急いで冷却する必要がありました。
幸いなことに、ここ嵐山にはたくさんのお店があります。
こういう暑い日は、やはりかき氷に限ります。
聞けば、フィンランドにはかき氷は無いそうな。
そりゃそうでしょう。
夏でも涼しい彼らの国には必要ないもんね。
この氷のおかげで、多少は生き返りました。
今日の一番の思い出は、竹林でも映画村でもなく、
かき氷ということになりそうです。
テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行