ラストミニッツ・リクエスト

(ギタレレを弾くナオミ)
なんとも急な話だ。
明日の夜、うちに泊まりに来たいらしい。
こういうのをラストミニッツ・リクエストと言うそうだ。
彼女の名前はナオミ。
その名から想像できるように、
日本人とフランス人のハーフだ。
日本語もかなりできるようだ。
正直言って、受け入れるかどうか迷った。
日本人はあまり泊めたくないのだ。
しかも、その日はすでに先約がある。
「あいにくすでに他のカウチサーファーが泊まることになっている。
台所でよかったら空いてるよ。
あまりオススメしないけど。」
やんわりとカウチリクエストを拒絶したつもりだった。
だが、返事にはこう書いてあった。
「急な申し出にも関わらず受け入れてくれてありがとう。
キッチンで寝た経験なんてないから、すっごく楽しみ!」
まあいいか。

(ナオミからのお土産、さくらんぼ)
そして約束の日時にナオミから電話があった。
彼女はなかなか流暢な日本語を話す。
これじゃあ英語の練習にはならないかもな。
嵐山駅まで迎えに行く。
プロフィールで写真を確認したのだが、
写りが悪くて分かりにくい。
それらしき人に声をかけてみる。
フランス人とのハーフということで、
金髪の白人をイメージしていたのだが、
違った。
色は浅黒く、髪は黒のドレッド・ヘアー。
背中にはギターらしきものを背負っている。
なんかかっこいいぞ。
それになんといっても、
目がクリッとしている。
はっきり言って、かなりの美形だ。
プロフィール写真からは、あまり良いイメージを受けなかったので、
不意打ちを食らわされた感じがする。
心の準備ができていなかったので、
かなりドキドキしてしまった。
こんなきれいな娘と一晩中一緒に過ごすのか。、
変な事を想像してしまいそうだ。
自分を押さえる自信がなくなってきた。
まあいいか。
今夜は他に台湾人のカウチサーファーが来ることになっているのだから。
そんな心配をする必要はない。
だが、待てども待てども、
もう一人のカウチサーファーは現れなかった。
カウチサーフィンをしていると、
ドタキャンはよくあることだが、
今夜はちとまずいな。
ナオミは京都に来る前は、山梨でウーフをしていたらしい。
さくらんぼ農場で働いていたとか。
だからおみやげはさくらんぼ。
昨日収穫したばかりのとれたて。
なんかうれしいぞ。
彼女の持っている楽器はギタレレというそうだ。
井上陽水とブルーハーツを弾いてくれた。
生の演奏っていいね。
彼女はよくしゃべる。
日本語で。
英語で会話したかったのだが、まあいいか。
たまにはカウチサーファーと日本語で語らうのもいいかもしれない。
英語では表現できなかった細かい気持ちも話すことができるかもしれないから。
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