比叡山延暦寺

(京都駅ビル構内にある、大大段)
ブラジルからのカウチサーファー、レジーナは、
日本へ観光に来たわけではありません。
彼女はブラジルで本格的に仏教を学んでいるそうです。
その中でもとりわけ曹洞宗に心酔しています。
日本に来る前はインド、ネパール、中国を訪れました。
そうです。
彼女は聖地巡礼の旅の途中なのです。

(京都タワーをバックに)
そんなレジーナの京都訪問の目的の一つが、
比叡山への巡礼でした。
というわけで、朝から気合いが入っています。
6時起きです。
でも、京都駅に早く着きすぎて、
バスの出発までに時間があります。
暇を持て余した我々は、
京都駅周辺を探検したのでありました。

京都駅からバスに揺られること小一時間。
ようやく比叡山の入り口にたどり着きました。
比叡山ドライブウェイの眺望は素晴らしく、
ときどき琵琶湖が見えます。
しかし、連続するカーブに酔いそうになる私。

バスターミナルの食堂で「比叡山そば」を食べた後は、
さっそく聖地巡礼の旅路へと着きました。
道沿いには宗教関係の説明看板が多数。
いちいちレジーナは私に翻訳を求めますが、
仏教に興味のない私には苦痛以外の何物でもありません。

お堂の中はもちろん撮影禁止。
私はレジーナに念を押しました。
「建物の中は撮影禁止だからね。
写真を撮っちゃダメだよ。」
「そんなこと、いちいち言われなくてもわかってるわよ。」
彼女はそう言いますが、私は心配です。
本当にわかっているのでしょうか。
カメラを片手にウロウロするレジーナ。
ある肖像画の前で立ち止まります。
そして、何を血迷ったか、カメラをパチリ。
フラッシュが光ります。
係の人が血相を変えて飛んできました。
「ここは撮影禁止です。
ちゃんと書いてあるでしょ!」
俺に言うなよ!
レジーナに言えっ!
「撮影禁止だって言ったじゃないか」
と私がレジーナに怒ると、
「だって、道元禅師様の写真が欲しかったの!
ブラジルのお寺には、彼の写真が無いのよっ!」
それ、なんの言い訳にもなってないぞ、レジーナ。

5月も終わりだというのに、
比叡山頂は冷えます。
長袖を着ていても凍えます。

それなのにレジーナはアイスクリームを食べています。
感覚がおかしいのでしょうか。
「食べる?」
いらん。

鐘楼を見つけたレジーナは、
当然のように鐘をつき始めました。
しかも、連打です。
ストーッップ!
連打禁止だって言っただろ!
「だって、ブラジルでは10回連続で鐘をつくのよ」
さすがラテンアメリカンはうるさいのがお好きなようです。
でも、ここは日本だ。
静かにしましょう。


東塔地区から西塔地区へと向かう道は、
完全な山道。
快適なハイキングが楽しめます。






比叡山の西塔地区には、
レジーナの尊敬する師、道元禅師様が悟りを開いたと言われる場所があります。
彼女にとってはまさに聖地。
そこで彼女は礼拝を始めます。
えっ?
まさかの五体倒地!
その作法って正しいのか?
チベットならともかく、日本でそんなことをやってる人は見たことがないぞ。
何かが違う・・・


「マサトも道元禅師様の聖地で写真を撮りなさいよっ」
いや、私はけっこうです。
「どうして?
あなた、仏教徒でしょ。
それでも日本人なの?
恥ずかしくないの?
撮りなさいよっ!」
命令かよ。

私は比叡山ガーデンミュージアムに寄りたかったのですが、
時間切れ。

最終バスが出発するまでには10分もありません。
あわただしく写真を撮りまくる二人。




お腹をすかした我々は、河原町で回転寿司を食べました。
その後はユニクロで買い物。
すっかり日本人と化したブラジル女性、レジーナでした。
おしまい。
テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行