カウチサーフィン(CouchSurfing)と愉快な仲間たち

スロバキア初夜のホスト

今回の東欧旅行での記念すべき第一号ホストが確定しました。

当初はブラチスラバでカウチサーフィンのホストを探していたのですが、カウチリクエストをことごとく拒絶され続け、ついに断念せざるを得なくなりました。

そこでブラチスラバ近郊の都市でホスト候補を探していたのですが、やはりスロバキア第一の都市、ブラチスラバに比べると人口が極端に少ない。
それに比例してカウチサーファーの数も少ない。

あれだけたくさんのカウチサーファーがいたにもかかわらずホストを見つけることができなかったのです。
こんな小さな街で見つかるわけが無い。

なかばヤケになって放ったカウチリクエストがヒットしました。
しかも大金星です。
「これはちょっと無理かなあ」
と思っていたのですが、なんでもやってみるもんですね。

彼女の名はポーリーナ。
なんと19歳の女の子。
カウチサーフィンに登録したてのホヤホヤの新人さんです。

そしてこの娘、とびっきりの美人なんですよ。
東ヨーロッパ最初のホストがこんな美少女だなんて、これは幸先の良いスタートです。

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しかし、ここまでの道のりはけっして平坦なものではありませんでした。

彼女は両親と住んでいるのですが、私が彼女の家を訪れるちょうどその日、ご両親はバカンスへ出かける予定なのです。

当然両親は反対しました。
それはそうです。
年頃の愛娘と得体のしれない東洋人の男を二人きりにして、バカンスになんて行けるはずがないですよね。


「待っててマサト。
なんとかして両親を説得してみせるから」

がんばれポーリーナ。
お義父さん、お義母さん。
大切なお嬢さんは私が責任を持って守りますから、どうかバカンスを楽しんできてください。


ポーリーナが両親を説得するのに一週間もかかりました。
なんとか私を泊めてくれることにはなったみたいですが、これはあまり歓迎されてなさそうっぽいな~。

それでも俺は行くのさ。



私の経験上、美少女の友達はまた美少女である可能性が高いです。
類は友を呼ぶってやつですね。

そしてポーリーナの親友もまたえらい美人でした。
彼女もカウチサーファーです。


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ほえええ。
ほんとに君たち未成年かい?
いったい何を食ったらそんなに色っぽくなるんだよ。


とにかく最初のホストは決まりました。
あとはスロバキアへ向かって突き進むのみです。

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テーマ : ヨーロッパ旅行記
ジャンル : 旅行

日本が好きすぎて怖い



今回の東欧旅行最初の訪問国スロバキア。
記念すべきホスト第一号を探すべく、気合を入れて一ヶ月も前から行動を開始したというのに、出発3日前になってもまだ見つかりませんでした。

ブラチスラバにはたくさんのカウチサーファーがいるので、ホスト探しは楽勝かと思っていたのですが、甘かった。
20通以上もカウチリクエストを送ったというのに、一人も私を受け入れてくれる人はいないのです。

一日に何度もカウチサーフィンのウェブサイトをチェックして, メッセージが届いている度に「今度こそは」と期待して見るのですが、その文面は
「I'm sorry. It would be nice if I could host you. But...」
から始まるものばかり。
何度も何度も拒絶されると、さすがに心が折れそうになります。

通常私は一度に一通しかカウチリクエストを送りません。
同時に複数のホストから受け入れOKの返事をもらってしまった場合、断るのに大変な想いをするからです。

私は京都でカウチサーフィンのホストをしているのですが、カウチリクエストをもらった後、こちらが「ホストできるよ」と意思表示をしているのにもかかわらず、
「ごめんなさい。他にホストを見つけたの」
なんて言われた日には、かなりヘコみます。
なので私は他のホストに同じ思いをさせたくないのです。

それでも、通常ならば一通か二通のカウチリクエストを遅れば、大抵ホストが見つかります。
20通も送ったのは3年前のクロアチア戦以来です。

おそらく相性というのがあるのでしょう。
タイミングの問題かもしれません。

とにかくこの対ブラチスラバ戦は惨敗に終わりました。
ここはもうこれ以上深入りするのはやめて, おとなしく撤退です。
(そしてそれが結果的に吉と出ました。そのことについては次の記事で書きます)


ブラチスラバとは対照的に、ポーランドのワルシャワでは入れ食い状態でした。
たった1通のカウチリクエストを送っただけで、20人以上の人からホストOKのオファーがきたのです。

「すでにホストは決まったから」と丁重にお断りしても、
「泊まらなくてもいいから、ぜひ我が家に立ち寄ってお茶だけでもしていってちょうだい」
と言ってくれる人もいました。

ひどい人になると、
「あなたがすでにホストを確保したのはわかったわ。
それでもあなたは私の家に泊まるべきなのよ。
ワルシャワの街を案内してあげるし、料理(もちろんホームメイドよ!)もふるまうわ。
私と一緒にクロサワ・ムービーを見なさい!」
と命令や脅迫ともとれるメッセージをくれたりします。

いやはや、ここまでくるとうれしさを通りこして、ちょっと怖くなってきます。
「お前らどんだけ日本が好きなんだよ」
と言いたくなります。

そしてずしりと重い、責任のようなものも感じるのです。
彼らはきっと、日本や日本人に対してとても良いイメージを持っているのでしょう。

それなのに、私と会うことでそれまでに彼らが持っていた日本人のイメージが壊れてしまったら・・・

大げさに言えば、カウチサーフィンは国際親善の場です。
サーファー一人一人がその国を代表しているといっても過言ではありません。
先人が築き上げてきた、日本に対する高評価を崩すわけにはいかないのです。
ちょっとオーバーかな。


20通送って全滅のこともあれば、
1通送っただけで20人以上から返事がくることもある。

カウチサーフィンは先が読めません。
だからおもしろいんですけどね。


追記:

トランジットで立ち寄った台湾の空港でメールをチェックしていたら、「ホストOK」の返事がブラチスラバから届いていました。
このタイミングでOKされてもな~


男の子だもん

先日、「カウチサーフィンはセックスサーフィン?」
という記事(英文)を読みました。

ある女性がカウチサーフィンを使って旅行した際、ホストの男性から
「俺の部屋のドアはいつでも開いているからな」
というようなことを言われたそうです。

最初、この女性は男性が冗談を言っているのかと思いました。
でも、それは冗談などではなく、彼は真剣そのものだったのです。
「あれ? ○○人の女はすぐにヤラせてくれるって聞いたんだけどなあ。ガセだったのか」

この女性はその旅行中、他にも何人かの男性ホストの家に泊まったのですが、かなりの確率で「お誘い」があったそうです。
彼女はこの現状を目の当たりにして、怒り、驚き、嘆き、呆れました。

たしかに、カウチサーフィンをデート・サイト代わりに使っている男性もいます。
女性が一人で旅行しているの見て、
「俺の所に泊まりに来いよ」
とメールを送り付けるホストも大勢います。
「俺は女しかホストしない」と豪語する男性ホストもいます。

嘆かわしいことです。
たしかにカウチサーフィンは「出会い」を促進する場ではありますが、
本当に「出会い系サイト」として使っている人がいるんですね。

「旅人同士の交流を促進する、インターナショナル・コミュニティ」
どんなに高尚な目的で設立されたツールも、使う人しだいでただの「出会い系サイト」に早変わり。

もちろん私も新たな「出会い」を求めてカウチサーフィンを利用しています。
人気の観光地を巡って、ガイドブックおすすめのレストランで食事をする。
私の旅をそんなありきたりのものにはしたくない、という気持ちから、私はカウチサーフィンを利用するようになりました。
そのため、これまでに訪れた国すべてでカウチサーフィンを利用してきましたし、これからもそうするつもりです。
その土地に住んでいる人との「出会い」があるからこそ、旅はおもしろくなる、と私は思っています。


私は現在、東欧旅行の準備中。
これまでのところ順調に準備は進み、最初の1か月間の日程すべてでホストを見つけることができました。
残り1か月分も、スムーズにいってくれることを祈るばかりです。


そしてさらに今日、1通のメールが届きました。
若くて美しい女性からです。

「ハーイ、マサト。あなたのプロフィールを見たわ。
 もしも地元の人間とビールでも飲みたくなったら、私に連絡してちょうだい。
 私、外国人にとても興味があるの」

以前、私が西ヨーロッパを旅行した時には、まだ「オープンリクエスト」というシステムはありませんでした。
なのでホストを見つけるためには自力で一人一人にあたるしかなかったのです。
ましてや、ホストの側から声をかけてもらうことなんて、ほとんどありえませんでした。

でも、今は違います。
黙っていても毎日何通ものメッセージが届きます。
カウチサーフィンもずいぶんと進化したなあ。

などと感慨にふけりつつ、彼女の写真を見た私は、文字通り「固まり」ました。

え?え?え? なにこれ?
いったいなに考えてんの、この娘。












君の写真、日本国の法律に抵触しているよ。
けしからん。
本当にけしからん。

ちょっと東欧まで説教しに行ってきます。

探さないでください。

テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行

最新ウクライナ情勢 2014年7月

今回の旅行では、東ヨーロッパの国すべてを周る予定なのですが、もちろんその中にはウクライナも含まれています。
しかし、やはり気になるのが現地の治安状況。
マレーシア機だけでなく、ウクライナの軍用機も相変わらず撃墜されています。
親ロ派の抵抗もまだまだ続きそう。

外務省のホームページによると、「渡航延期勧告」がでているのはウクライナ東部とクリミア半島のみ。
私が行く予定の地域は「十分注意」なので、なんとか旅行はできそうです。

でも、実際のところはどうなんでしょうね?
べつに外務省の情報を疑っているわけではありませんが、やはり気になります。

そこで、カウチサーフィンを通じて知り合った人たちに聞いてみることにしました。
まずはロシア人のマリア。

「今度ウクライナに行こうと思うんだけど、なにか耳寄りな情報ない?」

「あそこは私の管轄外なのよ。
 それに、もしなにか知っていたとしても、あなたに教えるわけないでしょ」

さすがは元KGB. 口が堅い。
でもどうせなら、映画や小説のように、

「肯定も否定もしない」
とか、
「私にはそのことを口外する権限がない」
とか言ってほしかったな。
ああいうシチュエーションにあこがれてるんだよ。


次にウクライナ人のヴィーカに聞いてみました。

「今の時期にウクライナを旅行するのはあまりおすすめしないわ。
 キエフやリヴィウはまだ大丈夫だと思う。
 でも、オデッサはいろいろと不穏な話を聞くから、やめておいた方がいいんじゃないかしら」

えっ、そうなの?
オデッサもヤバいの?
外務省の情報とはちょっと違うな。

ヴィーカはウクライナ人なのですが、現在はギリシャに住んでいます。
なので彼女の持っている情報は間接的なもの。
ここはやはりオデッサに住んでいる人に直接聞いてみる方が確実かもしれません。

あいにくオデッサに住んでいる知り合いはいなかったので、カウチサーフィンのコミュニティを利用することにしました。
東欧の国というのは閉鎖的なイメージがあったので、反応は薄いかもなー、と思っていたのですが、
1通メッセージを送っただけですぐに5、6通の返事が返ってきました。
これは予想外です。

彼らの話を総合すると、5月や6月くらいまでは混乱を恐れて、オデッサを訪れる観光客はほとんどいなかったそうです。
ところが、7月に入ってからは状況が好転し、大勢の人がやってくるようになったとか。
だから安心してオデッサに来いよ、ということでした。

「でも、お前が来る8月の下旬は黒海の水は泳ぐにはちょっと冷たいけどなー」

そうなのか。 日本でもお盆を過ぎたら海水浴場はガラガラになるからなあ。
じゃあウクライナ美人の水着を拝むのは難しいのかな。


メッセージをくれた人の中には、
「オデッサに来るなら俺の家に泊まれよ」
と言ってくれる親切な人も数人いました。
ウクライナ人ってけっこうフレンドリーなんだな。

その中の一人の青年はかなり熱心に私にアプローチしてきました。
彼は大の日本ファンで、
「なんで俺は日本人に生まれなかったんだろう」
と本気で悔しがっています。

ウクライナといえば美女大国として有名ですが、男だってきれいなんです。

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(右側がメッセージをくれた青年)


この彼、男の私でさえハッと息を飲むほどのイケメン。
でも、なんかむかつく。

彼はちかぢか日本にやってくるそうです。
日本の女性のみなさん、ぜひ彼をホストしてやってください。


オデッサといえば必ず引き合いに出されるのが「ポチョムキンの階段」
なので予習として「戦艦ポチョムキン」の映画もしっかりと見ておきました。

でも、個人的にはオデッサといえばガンダムを思い出すんですよね。
黒い三連星やマチルダさん、マ・クベなど。
出発前にもう一度見ておきたかったけど、そんな時間はなさそう。

まあいいか。
ウクライナ美人に会えるのだから。

テーマ : ヨーロッパ旅行記
ジャンル : 旅行

キルクルの法則

学生時代、私は大学の寮に住んでいました。
けっこう大きな寮で、そこに住む学生の数は100人以上。
これだけの人数がいればメンツには困らないせいか、毎晩どこかの部屋で麻雀が行われていました。

そこで私は先輩から「キルクルの法則」なるものを教わります。

ある役が狙えそうなので、それに関係する牌をずっと待っているのですが、なかなかツモることができません。
そこであきらめて、別の手でアガることを考え、いらなくなった牌を捨てます。
するとすぐに、あんなに待ち焦がれていた牌を引いてきてしまうのです。

切り捨てた途端、欲しかった牌がやってくる。
この「キルクルの法則」はマージャンだけでなく、競馬などでも使われるそうですね。

私は今、東ヨーロッパの旅行を準備中。
カウチサーフィンのホストを探していて、ふと、この「キルクルの法則」を思い出してしまいました。


カウチサーフィンのサイトには、オープンカウチリクエストというシステムが存在します。
一人のホスト候補にカウチリクエストを送る際、このオープンリクエストにチェックマークを入れておくと、その地域に住むその他のカウチサーファーもカウチリクエストを見ることができるというものです。
一通のメッセージを送っただけで、多くの人の目に触れることができるため、ホストが見つかる可能性が飛躍的に高まります。


東欧でのホストを探していた時、私のオープンリクエストを見た青年からすぐにレスポンスがありました。
「俺の部屋に泊まりにこいよ」

私はこの青年にはカウチリクエストを送ってはいません。
彼の方から声をかけてくれたのです。
カウチリクエストを送信してからわずか数時間後に、ホストが見つかってしまった。
私はうれしさのあまり、すぐに彼のオファーを受け入れました。


ところがその翌日、別の女性からもメッセージが届きます。
「マサト、あなたにぜひ会いたいわ。 私の部屋に泊まりに来てちょうだい。」

彼女のプロフィール写真を見て、思わず私は息をのみました。





セクシーな美女がほほ笑んでいます。
なんてこったい。

私はこの女性にはカウチリクエストを送っていません。
それなのに、彼女の方からお誘いがかかっているのです。
嗚呼、素晴らしき哉カウチサーフィン。

最初に私を受け入れてくれた青年の家はせまく、二人が並んで寝るともう足の踏み場もありません。
しかし、この女性の家は広く、しかも豪華!
どう見てもこの女性の家に泊まった方が快適に過ごせそうです。


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でも、でも、 俺はもうすでに青年からのオファーを受諾してしまったんだよっ!
いまさら、
「すげー美人が泊めてくれるっていうから、俺、そっちに行くわ。じゃあな、あばよっ!」
なんてそんな節操のないことはできないよ。


さらに別の都市でも悲劇は繰り返されます。

私が目星をつけたホスト候補は大の日本ファン。
彼女のカウチサーフィンのプロフィールにはこう書いてあります。
「私、日本のことがチョー好きなの。 日本人大好き! 日本の人、ぜひ私の家に泊まりに来て!」
これは私のカウチリクエストを受け入れてくれる可能性が高そうです。

しかもさらに、この女性は思わず3度見したくなるほどの東欧美人、という特典付き。

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さっそくカウチリクエストを書いて、震える指を制しながら送信ボタンを押しました。
「どうか俺のリクエストを受け入れてくれますように」


待つこと数時間。
またしても意図したのとは異なる男性からメッセージが届きました。
この男性、カウチサーフィンを利用した経験はこれまでになく、プロフィールもほとんど空欄。

「あやしい」

そこでとりあえずフェイスブックの友達になって様子を見てみることにしたのです。
その間に本命の彼女からホストOKの返事がもらえるかもしれないしね。
くだんの青年のフェイスブックを見る限り、別段おかしなところはなかったので、彼からのオファーも受けることにしました。

その後も他のカウチサーファーから
「よかったら俺の家に泊まりに来いよ」
というオファーを3件ほどもらったのですが、本命の彼女からはなんの反応もありません。

他の都市でのホストも探さなければならず、その他の旅行の準備もしなければならない私は、
忙しさの中に彼女のことなんて忘れてしまっていました。


ところが、ところがです。
例の「日本大好きっ!」東欧美女から返事がきました。
「ごめんなさい、返事が遅くなっちゃって。マサト、あなたいい人みたいだから、ぜひうちに来てちょうだい」

私が彼女にメッセージを送ってからすでに3週間。
遅い、おそいよっ!


私を受け入れてくれた青年とは、すでに何度かフェイスブックでやり取りをしています。
彼はけっこういい人みたいで、
「マサト、お前はどこに行きたい? 何をしたい?」
などと聞いてくれます。

そんな彼に対して、

「俺、やっぱ美人のお姉ちゃんの家に泊まるわ。
 今までいろいろとありがとうな。
 あばよっ!」

なんて言えるわけがありません。


ホテルなら部屋に空きがある限り、予約をすれば確実に泊まれます。
しかも泊まれるかどうかは瞬時にわかります。

でも、カウチサーフィンはホテルとは違うのです。
リクエストを送っても断られることの方が多いし、返事がこないことだって日常茶飯事。
たとえホストOKの返事がもらえるとしても、それがいつになるかはこちらにはわからないのです。

常に不確実性がつきまとうカウチサーフィン。

限られた時間の中で、いかにして狙ったホストから返事を引き出すか。
高度な駆け引きや心理戦が要求される場面もあるでしょう。

ギャンブルや知的ゲームの要素をもあわせもつカウチサーフィン。


まだ旅に出ていないというのに、なんなんだろうこの高揚感は。
今度の旅もまた刺激的なものになりそうだ。

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テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行

ウクライナ上空 10000メートル

カウチサーフィンで知り合った台湾人のシャーリンからLINEでメッセージが届いていました。

「マサトさん、見て、見て!」

送られてきたのはEVER AIR のリンク。
今度の東欧旅行で私が利用する航空会社です。

そこにはこう書いてありました。

「台湾ー欧州便 運航ルート変更のお知らせ

 マレーシア航空MH17便の墜落を受け、エバー航空は台湾ー欧州間の飛行ルートをウクライナ上空を回避し、トルコ上空を経由するルートに変更しました。これにより、台湾ー欧州間の飛行時間は通常より20分長くかかることがあります。」


無題


おいおい。俺の乗る飛行機、ウクライナ上空を飛ぶつもりだったのかよ。


おそらく、これはエバー航空だけでなく、アジアからヨーロッパへ向かう飛行機の多くが同じルートを取っていたのではないでしょうか。

そう思ってググってみたら、
「マレーシア航空機が撃墜されたウクライナ東部ドネツク州上空は欧州とアジアを結ぶ最短距離航路。
 1日約300便以上が上空を通過」
と書いてありました。

そう、あのマレーシア機撃墜は、我々誰にでも起こりうる可能性のある事件だったのです。


「飛行機事故に遭う確率よりも、自動車事故に巻き込まれる可能性の方が断然高い」
とはよく言われることですが、あれだけセンセーショナルなニュースを目の当たりにした後には、やはり少なからぬ動揺を受けます。


出発まであと1週間。
開き直った親ロ派やロシアが暴挙にでないことを切に願います。

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ジャンル : 旅行

ベラルーシのトランジットビザ申請 (2014年7月)

ただいま東欧旅行の準備中。

日本人がヨーロッパを訪れる際、基本的にビザは不要だ。
だが、今回の訪問国のうち一か国だけ例外があった。
ベラルーシだ。

このベラルーシ、かなりやっかいな国で、観光ビザを取得するためには招待状が必要だったりと、かなりハードルが高い。
ロシアと同じで、個人の自由旅行には不向きな国のようだ。

ただ、トランジットビザ(通過査証)なら招待状は不要らしい。
30日間有効な観光ビザとちがい、トランジットビザは48時間しか効力がない。

まあでもベラルーシには特に見どころも無いようだし、夜行列車などをうまく利用すればまるまる二日間観光できる計算になる。
トランジットビザで十分だろう。

しかし私は京都在住。
ベラルーシ大使館は東京にあるので、ビザを申請するためにはわざわざ東京にまで出向かなければならない。
即日発行してくれるわけではないので、少なくとも2回は行くことになる。

世界一周中の人の間では、隣国のリトアニアやウクライナで通過査証を取得するのが定番となっているようだ。
だが、貴重な現地での滞在時間をつまらない事務手続きのために無駄にはしたくない。
日本でできることは日本にいる間にやっておきたい。

ベラルーシ大使館のホームページによると、どうやら郵便でもビザの申請は受け付けているようだ。
知らなかった。
わざわざ東京まで行かなくてもいいのか。

大使館のホームページには申請方法がひととおり記載してある。
だが、郵送でビザを申請するのはこれが初めてなのでやはり不安だ。
そこで、領事館に電話していろいろと聞いてみようとしたのだが、いきなり共産国家の洗礼をうけることになる。

だいたいどこの国でも、公務員というのは不愛想なものだ。
だが、私の電話に応対した大使館の女性の冷たさはそんなレベルではなかった。
共産国家の官僚に比べれば、日本のお役所仕事がよっぽど親切に思えてくる。

彼女の話す日本語におかしなところはないが、なんとなく違和感を感じる。
おそらくベラルーシ人なのだろう。

他の仕事で忙しいのだろうか。
それともビザに関する質問は毎日何十回も受けていて、もううんざりしているのだろうか。
とにかく「こんな電話、早く切ってしまいたい」というオーラが彼女の言葉の節々からよーく伝わってくる。

こちらもそんな人と関わり合いになるのはいやだが、ビザを取得するためにはいくつか確認しておきたいこともある。
ここはがまんだ。

それでも、彼女との不毛な会話から得るものもあった。
トランジットビザを取得するためには、通過後の国でのホテルの予約確認証が必要だということだ。
これはベラルーシ大使館のホームページ上では確認できなかったことだ。

私はカウチサーフィンを利用するつもりなので、もちろんホテルの予約などしていない。
だが、彼女の冷たい反応から察するに、ここはおとなしくルールに従っておいたほうがよさそうだ。
「カウチサーフィンで現地の人の家に泊めてもらうから、ホテルは使いたくないんです」
なんて言おうものなら、問答無用で申請を却下されかねない。

ここで生まれてはじめてホテルの予約サイトなるものにアクセスしてみた。
いつもはカウチサーフィンを使うか、現地でゲストハウスを見つけるかしていたので、この手のサイトにはこれまで縁がなかったのだ。

だが、その値段を見て驚いた。
首都のど真ん中のドミトリーでも、1泊400円くらいからある。
ビザ申請のためにパスポートを簡易書留で送る料金が片道450円(往復900円)。
宿泊代金の方が安いとは。

もしかして東欧というのは、東南アジアなみの物価なのか?
これは思ったよりも豪遊できるかもしれない。



書類をそろえてその日のうちに簡易書留をベラルーシ大使館に送った。
郵送料は往復で900円ほどかかったが、ビザ自体の申請料は無料なのでそれほど痛い出費ではない。
こんな簡単な事務手続きだけでトランジットビザを取得できるなら安いものだ。
ビザ申請だけのためにヴィリニュス(リトアニア)での貴重な半日を費やすのがバカらしく思えてくる。
日本での半日と海外滞在中の半日とでは、その重みがまったく異なる。


あとはトランジットビザが送り返されてくるのを待つのみだ。
ホームページには所要5日間と書いてある。
余裕を見て1か月前に手続きを開始したから安心だ。

と思っていたのだが甘かった。
私はすぐに共産国家の能率の悪さを思い知らされるはめになる。

土日をはさむから、1週間くらいで到着するだろうと思っていたのだが、届かない。
2週間たってもまだ来ない。
だんだん不安になってきた。

他の人のブログを見ると、11日間くらいかかっていたようだ。
ベラルーシ大使館のホームページに所要5日間と書いてあるのは、大使館に直接出向いた場合に限るのだろうか。

待てども待てどもビザは届かない。
余裕を見て1か月前に申請したはずなのに、すでに3週間が経過しようとしている。
おかしい。
いくらなんでも遅すぎる。
もしかしてなにか手違いでもあったのだろうか。
私の大事なパスポートはどこかで迷子になってしまったのではないだろうか。
あれがなかったら、ベラルーシどころか今回の旅そのものがご破算になってしまう。

これはもう大使館に電話するしかない。
あの無機質な大使館員と再び話をするのは気が進まなかったが、他に方法はない。
午後の部の郵便配達が届くのを待って、そこにパスポートが含まれていなかったら電話しよう。
「ビザに関する質問の受付時間は12:30まで」と大使館のホームページには書いてあるが、そんなのかまうもんか。
相手がでるまでベルを鳴らし続けてやる。

と思っていたら簡易書留が配達された。
私が郵便局で投函してから20日後のことだった。


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あまりのうれしさに、私は郵便配達員にキスしかねない勢いだった。
うれしい。
とにかくうれしい。
長い長い3週間だった。

他の人のブログによると、2日間有効のトランジットビザでも、1週間くらいの幅をもたせて発行されると書いてあった。
だが、私の場合はなぜかきっちり48時間。
これでもう日程の変更はできない。

それでもベラルーシに入国できるのだ。
行くからには目いっぱい48時間を有効に活用してやる。

待ってろよ、ベラルーシ!

テーマ : バックパッカー
ジャンル : 旅行

飛んでる男

台湾人の男性からカウチリクエストを受け取った。

私はこれまでにたくさんの台湾人カウチサーファーと出会ってきたので、
本来なら彼と会おうという気にはならなかっただろう。

だが、私は今、中国語を勉強中。
中国語圏の人と出会う機会はできるだけ大事にしたい。
それが語学上達の一番の方法だと思うからだ。


だが、私が彼と会ってみようと思う気になったのは、
彼が中国語圏の人間だという理由だけが原因ではない。



(ウェインのカウチサーフィンのプロフィールより)

彼の写真を見て笑ってしまった。
文字通り、「ぶっ飛んで」いる。
なかなか楽しそうな男だ。


ウェインは彼女と一緒に日本にやってくる。
カウチリクエストを送ってきたのはウェインなのだが、
それ以降の連絡はウェインの彼女とするようになった。

というのも、彼女は日本語を勉強していたことがあるらしく、
私とメールをやり取りすることで自分の日本語能力を高めようという魂胆があるらしい。

なんということだ。
彼らを私の中国語練習の踏み台にしようとしていたのに、
逆に彼女の日本語の練習相手をさせられるはめになってしまった。


だが、どことなくホッとしている自分がここにいる。

それはそうだろう。




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こんなキャラクターの濃い人間と毎日話をしていたら、
実際に会う前に疲れてしまうよ。


ウェインの彼女、シャーリンとはLINEを通じて毎日のように連絡をとりあった。
facebookでもなければGmailでもない。
ほんとにLINEはアジア圏でその勢いを増しているのだな。


そして待ち合わせ当日。
あれほど念入りに待ち合わせ方法を打ち合わせしておいたというのに、
彼らを見つけることができない。

駅の「○○出口」で!
というふうに取り決めておいたから、間違えようがないはずだ。


いくら日曜日で駅前は混雑しているといっても、
ウェインを見つけられないはずがない。

なぜなら、




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こんな人間がいたら、気づかないわけがない。
いやでも目に飛び込んでくるはずなのだ。

それなのに彼らが見当たらないというのは、いったいどういうことなのだろう。

ハッ!
もしかして職務質問でもされて警察署に連行されてしまったのだろうか。
意味もなくこんな満面の笑みを浮かべていたら、警官に怪しまれてもしかたがない。

ふと気づくと、シャーリンからLINEにメッセージが入っていた。

「私たちはすでに5番出口にいるわ!」


そんなはずはない。
私は今、その5番出口にいるのだ。

もう一度あたりをよく見渡してみるも、彼らの姿はそこにはない。


すると、遠くの方から一人の女の子が大きく手をふりながら私の方へと走ってきた。
シャーリンだ。

なんでシャーリンはあんな遠くから走ってくるんだ?
待ち合わせ場所はここのはずなのに。


ウェインたちは、約束していた場所からは少し離れたところにあるインフォメーションセンターにいた。
なかなか私と会うことができず、不安になった彼らは私と連絡をとろうとしたのだが、外国では携帯電話を使うわけにはいかない。
そこでWIFIを求めてインフォメーションセンターまで移動したということだった。




とにかくお腹がへったというので、とりあえず昼食をとることにしました。




彼氏の前でシャーリンを口説く私。
彼女とはずっとLINEで連絡を取り合っていたので話も弾みます。




ウェインたちに歌舞伎の説明をしたのですが、彼らは歌舞伎のことをまったく知りませんでした。
少し興味はもったようですが、入場料は私たちにはとうてい手の届かない額。
写真だけ撮ってさっさと次のポイントへ移動。




清水寺。

あいかわらず極上の笑顔を見せるウェイン。
驚くべきことに、この笑顔はけっして作り物ではないのです。
彼の底抜けに明るい性格が自然と表情ににじみでているだけなのです。









ギオンコーナーでは芸者や舞子の資料が展示してあるので、それをウェインたちに見せようと立ち寄ったところ、
中から音楽が聞こえてきました。
どうやら琴か三味線のようです。

「なんだろうねえ」
と言いながら私たちがうろうろしていると、
「どうぞ」
受付に座っていた女性が立ち上がって、
にっこりとほほ笑みながらパンフレットを差し出してきます。

いや、「どうぞ」って言われても。
きっと入場料も高いんでしょ。
さっき歌舞伎の南座で見た法外な料金表が脳裏をかすめます。

「いえいえ、無料ですからどうぞお気軽にお入りください」

ウェイン、君たちはツイてるね。
無料だってさ。

パンフレットを見ると、筝曲の演奏会と書いてあります。
全部で10曲以上演奏するようですが、伝統芸能に造詣の深くない私たちには一曲でじゅうぶん。
早々に退散しました。




今日の観光はこれで終了。
本当は彼らに金閣寺や伏見稲荷なんかも見せたかったのですが、明日には奈良に行ってしまうそうです。

彼らのリクエストにより、夕食はラーメン。
ウェインは相変わらずいい笑顔をしています。
もちろんシャーリンも負けてはいません。

あれ、もしかして君たちおそろいのメガネなのかい?





彼らは絵葉書をくれました。
自分で撮った写真をプリントアウトしたものだそうです。




絵葉書の裏には直筆のメッセージが。
なんだかうれしいねえ。


私はもうすぐ東ヨーロッパに行くのですが、その時に台湾の航空会社を利用します。
そのため行きも帰りも一度台湾に立ち寄るのですが、時間が中途半端。
台北まで行くにはちょっと厳しいスケジュール。
でもせっかくだから台湾も味わってみたい。

都合のいいことに、ウェインは桃園空港のすぐ近くに住んでいます。
やった、カウチ ゲットだぜ。
彼は台湾名物、夜市も案内してくれると言っています。

世界中に着々と拠点を築きつつある実感。
これぞホストの醍醐味と言えるでしょう。


台湾で会おう、ウェイン&シャーリン!



日本国内編はこれでしばらくお休みとなります。
これからは海外編。
できるかぎりリアルタイムでブログを更新していきたいとは思っています。

しかし、今回訪れるのは旧共産圏の国々。
はたしてネット・インフラはどれくらい充実しているのだろうか。


テーマ : 京都旅行
ジャンル : 旅行

You're beautiful, it's true.



ここのところ、メイサンはずっと髪を伸ばしていた。
赤道直下のシンガポール。
年中常夏のこの国で、こんなに長い髪型だとさぞかし暑かろうに。

学生のころは長く伸ばしていたそうだが、最近はずっと短めのヘアスタイルで通していた。
私がカウチサーフィンを通じてメイサンと出会ったのは2年ほど前で、その時にはすでにショートヘアになっていたから、
彼女がこれほど長く伸ばしているのを見るのはこれが初めてだ。

彼女の性格は男勝りで活発なイメージがあるから、短めの髪型は実によく似合っていたと思う。
でも、この長い髪も悪くない。


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後ろから見た図。

なんだ?
もしかして初音ミクにでも影響されたのか?

そういうのを見ると後ろから引っ張りたくなるからやめてくれ。
と言いたかったのだが、残念ながら、そんな機会が訪れることはついになかった。

この写真をフェイスブックにアップした数分後、メイサンはバッサリと髪を切り落としてしまったからだ。
それも、これ以上ないというくらいに短く。


すくしょ

毎年この時期に、シンガポールのある団体がチャリティー・イベントを開いている。
がん患者のために募金を募るという趣旨らしい。

参加者が髪を切ることを宣言して決意を表明すると、その心意気に賛同した人が募金をしてくれるというシステムらしい。
メイサンがずっと髪を伸ばし続けてきたのも、このイベントに参加するためだ。
そういえばこの前に会ったとき、彼女はそんなことを言っていたっけな。

その時は彼女の話を軽く聞き流していたから、メイサンがどれだけ重大な決意を胸に秘めているのかに気がつかなかった。
せいぜい、切り落とした髪の毛をかつら会社にでも売って得た金額を募金でもするのだろう、くらいにしか思っていなかった。

だからこのウェブサイトを見た時も、「Hair For Hope」の下にある
「bold」
という文字なんて気にもとめなかった。

「bold」?
「はげ」という意味だよな。
他になにか適当な日本語訳はあったっけ。

「はげ」
メイサンとはまったく縁のない言葉だ。


チャリティー・イベントの当日、彼女はフェイスブックで実況中継をしていた。
「Ready?!」
自分の気持ちを奮い立たせるためだろうか。
この言葉を最後に、彼女は会場へと消えていった。

そして、次にアップされた写真を見た私は、戦慄を覚えずにはいられなかった。

「メイサン・・・・?
 いったい君は何をしているんだ?」

そこで繰り広げられている光景が現実のものだとは到底思えなかった。
これは彼女なりのジョークなのだろうか。
しばらくすると、また別の写真がアップされて、
「なんちゃって。びっくりした?」
とメイサンがおどける展開を期待していたのだが、そうはならなかった。
その後も次々と衝撃的な写真が公開され続けた。

もう疑問の余地はない。
これはドッキリ企画でも、トリック写真でもない。
まぎれもない現実なのだ。

この時になって初めて私は、チャリティー・イベントのウェブサイトに掲げられていた文字が誇張ではなかったことを知る。
あれはなにかのメタファーではなく、文字通り「BALD」だったのだ。









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頭を丸坊主にするメイサン。


彼女の丸坊主にした反響はかなりのものだった。
それはそうだろう。
若い女の子が、しかもこんなにかわいい女の子がバッサリと髪を切り落としたのだ。
そのインパクトは大きい。

実際、かなりの注目を集めたらしく、メイサンはほんの数十分の間にかなりの募金を集めることに成功した。
日本円にして100万円以上。
この数字は驚異的だ。

チャリティー・イベントには芸能人や著名な実業家なども参加していたのだが、メイサンが集めた寄付の金額は彼らのそれに肉薄していた。
有名人を除いた一般人の間では、メイサンがぶっちぎりのトップだ。
このイベントには大勢の人が参加していたのだが、1円の寄付も集めることができない人が大半だ。
そんななかで無名の一個人が100万円以上も集めるとは。
やるな、メイサン。


この広い世界には、美女と呼ばれる人はそれこそ星の数ほどいるけれど、
その中で、髪の毛を剃り落して寄付してしまえる女性はいったいどれだけいるだろう。
メイサン、君は本物だ。



この日のメイサンはいつになく饒舌で、よくしゃべった。
丸坊主にしたことで気分が昂揚していたのだろうか。
それともやはり、多少なりとも動揺していたのだろうか。

「この髪型いいわよ。 頭を洗うのに30秒もかからないんだから」
そうだろう、そうだろうとも。


「この髪型どう思う? 好き?」
そう問われて一瞬、言葉に詰まった。
なんと答えるべきなんだろう。

「なかなかいいと思うよ」
もっとましな言葉を探していたのだが、うまい表現が見当たらない。


「君の写真を見ていたら、あることを思い出したんだ」
「なに?」
「俺と君は似てるんじゃないかなって思ったんだよ」
「私が? あなたと? なによそれ」
「ちょっと待ってて。今、写真を見せるから」
中学生の頃の自分の写真を見つけ出し、彼女に送った。

「日本の中学生はみんな丸坊主なの?」
「昔はね。 今は違うと思う。
 これでわかっただろ。 俺と君は兄弟だ」
そう言うとメイサンは激怒していた。




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「ねえ、この髪型どう思う?」
メイサンはまた聞いてきた。
よほど気になるらしい。

でも、俺はなにも答えることができない。
隣りに他の誰かがいる今となっては、再び君と会うこともないかもしれない。

でも、これだけは真実だ。
君は本当に美しい。外見だけでなく、心も。

テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行

エヴァ

年中世界中を飛び回っているエヴァだが、久しぶりにクラクフに帰ってきているらしい。
これはいい。
ちょうど私は来月、クラクフに行くところだ。

「君のところに泊めてもらえないかい?」
とエヴァに聞いてみたところ、
「いいわよ」
と二つ返事で承諾してくれた。

ところが、忙しい彼女のこと。
「急な用事が入っちゃって、あなたが来る3泊のうち2日間はクラクフを離れなくちゃならなくなったの。ごめんね。」
との連絡がきた。

しかたがない。
じゃあ他のホストを探すことにするよ。
もしも君が疲れてなければ、最後の日に会おう。

「いやいや、大丈夫よ。
 あなたに部屋のカギを預けておくから、私がいない間も自由に使ってちょうだい。」

いやいや。いくらなんでもそこまでしてもらうのは気が引けるよ。
一人暮らしの女の子の部屋に泊めてもらうだけでも大変なことなのに、
そのうえ部屋の鍵まで渡されたりなんかしたら恐縮してしまう。


エヴァが京都に来た時、彼女は私の部屋に二晩泊まった。
私と彼女の関係はたったそれだけなのだ。
普通、何年も付き合いのある知り合いにだって部屋の鍵なんて渡したりすることなどまずないだろう。
カウチサーフィンというのは本当に不思議な世界だな。


実を言うと、エヴァが私の家にいる時、私は彼女に対して不義をはたらいた。
京都の街を2日間案内してあげる約束をしていたのに、あまりの暑さと疲労のため、
2日目、私はガイド役を放棄。彼女を一人で行かせたのだ。
なんといういいかげんな男だろう。
こんな人間には、彼女の行為に甘える資格などない。

幸いなことにクラクフには大勢のカウチサーフィン登録者がいる。
ホストを探すのはそれほど難しいことではないだろう。
そう判断して、エヴァの申し出は丁重に断ることにした。

「なに遠慮してるのよ、マサト。
 私が京都にいたとき、あなたは私に親切にしてくれたじゃない。
 あなたには私の部屋を自由に使う資格があるのよ」

どうやら彼女は社交辞令でそう言っているわけではないようだ。
こんな俺に、彼女の好意を受ける資格なんてあるのだろうか。

「エヴァが京都の俺の部屋にいた時、どうしてもっと親切にしてあげなかったのだろう」
いまさら悔やんだってもう遅い。

それにしてもエヴァは男気のある女性だなあ。
こういう人がいるからカウチサーフィンというシステムは機能することができるんだな。

とにかく、ポーランド最初の都市でのホストは決まった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以下の写真は、去年エヴァが京都を訪れた時のものです。


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テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行

カウチサーフィン(CouchSurfing)とは?

CouchSurfingKyoto

Author:CouchSurfingKyoto
.カウチサーフィン(CouchSurfing)とは。

日本に観光に来た外国人の宿として無償で自宅を提供し、国際交流を深めるというカウチサーフィン。

また、自分が海外に旅行に行く時には、現地の一般家庭に泊めてもらい、その土地に住む人々の生の暮らしを体験することだってできてしまいます。

ここは、そんなカウチサーフィンの日常をありのままにつづったブログです。

「カウチサーフィンは危険じゃないの?」
そんな危惧も理解できます。
たしかに事件やトラブルも起こっています。

なにかと日本人にはなじみにくいカウチサーフィン。

・登録の仕方がわからない
・詳しい使い方を知りたい
・評判が気になる

そんな人は、ぜひこのブログをチェックしてみてください。
きっと役に立つと思います。

最後に。

「カウチサーフィンを利用すれば、ホテル代が浮く」

私はこの考え方を否定しているわけではありません。
私もそのつもりでカウチサーフィンを始めましたから。

しかし、カウチサーフィンは単なる無料のホテルではありません。
現在、約8割のメンバーはカウチの提供をしていません。サーフのみです。

だって、泊める側にはメリットなんてなさそうですものね。

「自分の部屋で他人と一緒に寝るなんて考えられない」
「お世話したりするのってめんどくさそう」

時々私はこんな質問を受けることがあります。

「なぜホストは見知らぬ人を家に招き入れるのか?」

それはね、もちろん楽しいからですよ。

自己紹介
プロフィール


こんにちは。
京都でカウチサーフィン(CouchSurfing)のホストをしている、マサトという者です。
ときどきふらりと旅にも出ます。
もちろん、カウチサーフィンで!


(海外)
2011年、ユーレイル・グローバルパスが利用可能なヨーロッパ22カ国を全て旅しました。
それに加えて、イギリスと台湾も訪問。
もちろん、これら24カ国全ての国でカウチサーフィン(CouchSurfing)を利用。

2012年、東南アジア8カ国とオーストラリアを周遊。
ミャンマーを除く、8カ国でカウチサーフィンを利用しました。

2013年、香港、中国、マカオをカウチサーフィンを利用して旅行。 風水や太極拳、カンフーを堪能してきました。

2014年、侍の衣装を着て東ヨーロッパ20か国を旅行してきました。


(日本国内)
これまでに京都で329人(53カ国)のカウチサーファーをホストしてきました(2013年6月25日現在)。

もちろん、これからもどんどんカウチサーフィンを通じていろいろな国の人と会うつもりです。



カウチサーファーとしてのカウチサーフィン(CouchSurfing)の経験:


オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、スロヴェニア、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、台湾

シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、タイ、ミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナム

香港、中国、マカオ

スロヴァキア、ポーランド、リトアニア、ラトヴィア、エストニア、ベラルーシ、ウクライナ、モルドヴァ、沿ドニエストル共和国、ルーマニア、セルビア、マケドニア、アルバニア、コソヴォ、モンテネグロ、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、リヒテンシュタイン


ホストとしてのカウチサーフィン(CouchSurfing)の経験:


アイルランド、アメリカ、アルゼンチン、イギリス、イスラエル、イタリア、イラン、インド、インドネシア、ウクライナ、エストニア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、クロアチア、コロンビア、シンガポール、スイス、スウェーデン、スコットランド、スペイン、スロヴァキア、スロヴェニア、タイ、台湾、チェコ共和国、中国、チュニジア、チリ、デンマーク、ドイツ、トルコ、日本、ニューカレドニア、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、ブラジル、フランス、ベトナム、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、香港、マダガスカル、マレーシア、メキシコ、モルドバ、リトアニア、ルーマニア、ロシア



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