7年間は長すぎる

今回のカウチサーフィンはなかなかクールなお二人。
パリからやってきたナシム(左)とカミーユ(右)。
しかし、彼らは日本にいる間は日本名を使いたいと言います。
ナシムの日本名は「そよ風」。
彼の名前を日本語に翻訳すると、そうなるのだそうです。
カミーユの日本名は「ダイスケ」
彼はサッカーをやるのですが、松井大輔選手のファンだからとか。
「そよ風」とか「ダイスケ」と呼ぶと、彼らはとても喜ぶのですが、
やっぱりなんか違和感がある。
これからはナシムとカミーユと呼ぶことにしよう。

彼らの京都での目的は、何と言っても、サムライの衣装を着て写真を撮ること。
というわけで、このお店の予約をして、さっそく行ってきました。

いつもは二寧坂の近くにある本店を利用していたのですが、今日は別のお店。

二人とも侍姿がよく似合ってます。

なんか私だけ場違いな格好してますね。

二人とも写真を撮る時のポーズが妙にキマっててかっこいい。
さすがはパリジャン。

なんか勘違いしてるぞ、カミーユ。
ところでこのカミーユ。
見た目はとてもこわもてなのですが、実はものすごく物腰がやわらかい。
というより、ちょっとナヨナヨしてる。
男同士だというのに、着替える時も扉を閉めて、けっして体を見せようとしません。
「恥ずかしいから・・・」
なに照れてるんだよ。
それが筋骨隆々たる黒人の言うセリフか。

これもなんか違う・・・

かっこつけすぎだろ。
なに気取ってんだよ、ナシム。

せっかくだからということで、二人とも別料金を払って、アルバムを作成することにしました。

スタジオでは、カメラマンのお姉さんがかっこいいポーズの取り方を指導してくれます。


フランスでは日本の文化が人気。
ナシムも武道をたしなんでいるというだけあって、刀を構えた姿もなかなかさまになってます。

ねねの道界隈では、舞妓の衣装に扮した女性たちに遭遇。
ナシムとカミーユは喜んで写真を一緒に撮っていました。

この後は清水寺へ行きました。
ここでイケメン・ナシムは修学旅行生に捕まってしまいました。
女子高生どもがキャーキャー言って彼を取り囲んでいるではありませんか。
なんとうらやましい・・・
私はというと、彼女たちにカメラを渡されて、カメラマン役に徹するという屈辱的な役回り。
ちくしょう。
俺も一緒に写りたいぞ。
カミーユはカミーユで、これまた人気があります。
女子高生たちは、
「黒人!黒人!」
と騒いでは、バシャバシャと写真を撮っていました。
カミーユは、なぜ自分が騒がれているのか、よく理解できない様子。
「君だって、芸者が町を歩いているのを見つけたら、興奮して写真を撮るだろ。それといっしょだよ。」
と説明したらうれしそうにしてました。
「ここでは俺は芸者なみの存在価値があるのか!」

地主神社の恋占いの石。

いや、ナシム。
君には「恋占いの石」なんて必要ないだろ。
そんなものに頼らなくったってモテモテじゃねえかよっ!

音羽の滝

地面に寝そべって、ナシムはいったい何をしようとしているのでしょうか?

入場料を払わずに霊山観音の写真を撮ろうとしていたんですね。

日本三大梵鐘の一つ、知恩院の大梵鐘。
たまたま今日はメンテナンスの日らしく、試し突きなどもしておりました。

知恩院の山門の横で、花を片手に写真を撮るナシム。
あいかわらずキザな野郎だぜ。

カミーユ! なにもそこまでしなくても・・・
この後、伏見稲荷に行くはずだったのですが、なんと彼らはここから歩くと言います。
知恩院から伏見稲荷まで歩く?
正気の沙汰じゃない。
ここから京都駅まで歩くのだって大変な距離だぞ。
バスを使えばいいじゃないか。
私が説得しても、彼らはどうしても歩くと言い張ります。
ナシムはマラソンランナー。
カミーユもサッカー選手。
足には自信があるのだとか。
私も体力には自信がありますが、ちょっとついていけそうにない・・・
ということで、一足先に帰らせてもらいます。
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夕食の席でのこと。
グラスを合わせて乾杯をしようとしたら、なんと、ナシムにやり直しを命ぜられてしまいました。
理由は、私が彼らと目を合わせなかったから。
ナシム曰く、
乾杯する時に目を合わせなかったら、
以後、7年間エッチがうまくいかないのだそうです。
7年間!!!!!
長すぎる・・・

ナシムのくれたおみやげ。
チョコレートです。


ナシムとカミーユは私のところに来る前、九州で別のカウチサーファーの家に泊っていたのですが、
そこの家の人が私におみやげをくれました。
会ったこともないというのに・・・
なんか、カウチサーフィンっていいですね。
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ナシムもカミーユもイスラム教徒です。
豚肉は食べませんし、お酒も飲みません。
毎日お祈りも欠かさずやります。
彼らが礼拝している間は、私の部屋も厳かな雰囲気につつまれます。
携帯のアラーム音がコーランの朗読なのには苦笑しましたが。
敬虔なイスラム教徒というのは、はたから見ていて、とてもすがすがしい。
しかし、二人とも自分たちがイスラム教徒であることをすごく気にしていました。
「ムスリムを部屋に招き入れることに抵抗はないか?」
とも聞かれました。
同時多発テロ以降、イスラム教徒への風当たりはとても厳しいものとなりました。
彼らも、いわれなき迫害をうけたのかもしれません。
日本にいると、宗教間の対立という問題に対して鈍感になりがちですが、
カウチサーフィンをしていると、時々ハッとさせられることがあります。