ハノイ(ベトナムでカウチサーフィン)

ホーチミン廟を見学するために行列を作る観光客たち。
ここは「半ズボンはダメ」、「カメラや手荷物の持ち込み禁止」など、いろいろと制約の多い所だ。
特におもしろい物があるわけでもなく、わざわざ並んでまで見る価値は無いと思う。
まあ無料だし、ハノイを代表する観光名所だから一応寄っとこうかね。



ホーチミン廟の前で記念撮影をする観光客。
これってもしかして「カンナムスタイル」?

同じくホーチミン廟の前で、アオザイを着た女性の一群に遭遇。
何かのイベントかと思ったのですが、どうも観光客っぽい。
「あれは何?」とバイクタクシーの運ちゃんに聞いてみたのですが、
彼も知らない模様。
役立たずめ。

ベトナムといえば、やはり「アオザイ」
ベトナムの学校の制服はアオザイなので、本来ならいたる所で見れるはずなのですが、
残念なことに今は夏休み期間。
なので半分あきらめかけていたのですが、これにてミッションクリア!

この暑いのに長袖で、しかもピッチリ肌に吸いつくアオザイって大変そう・・・
まあ、男性陣にとっては目の保養になるからいいんですけどね。

この男がバイクタクシーの運転手。
ハノイに行く予定がある人は、この写真をよーく見ておいてください。
だいたいいつもハノイB駅のあたりで客を探してます。
ハノイ観光における、要注意人物!
この男については、後ほど詳述します。

ベトナム軍事歴史博物館にある国旗掲揚塔。

撃墜されたアメリカ軍の戦闘機の残骸で作られたオブジェ。


これこれ。
これが見たかったんです。
サイゴン陥落の時に統一会堂に突入した戦車。
本物だー。



ホアロー収容所にも行ってきました。
ここは、アメリカの大統領候補にもなったマケイン議員が捕虜として収容されていたことで有名になりましたよね。



狭くておどろおどろしい通路が、いかにも収容所っぽくていいね。

囚人の気分を味わってみました。

足にこんなのはめられてちゃ、寝返りもうてないや。

市劇場。
ベトナムには、ところどころにフランス風の古い建造物があって、ハッとさせられます。

玉山祠へと続く棲旭橋。
ホアンキエム湖周辺は、朝はウォーキングや体操をしている人たち、
昼間と夜は観光客で、
一日中にぎわっています。



バイク運転手とその一味から退避するため、このカフェに逃げ込みました(後述)。

この男には、ほんとにイライラさせられっぱなしでした。
気安く肩なんか組んでんじゃねえっ!

空軍博物館。
ついに堪忍袋の緒が切れた私は、バイクの運転手を解任しました。
お前なんかクビだっ!
失せろっ!!!
しかし、ここからハノイ中心部まではかなりの距離があります。
このあたりは観光地ではないので、バイクタクシーを捕まえるのにも一苦労。
彼をクビにしたことをちょっと後悔しました。





勝ち誇ったように立つベトナム空軍パイロットの像。
その後ろには、撃墜された米軍戦闘機の残骸。
よほどうれしかったんだろうな。

「われわれには、こんなにたくさんの同胞がいる」
無理して強がっているようにしか見えません。
地球上には何百カ国もの国家があるというのに、現在、社会主義国家はこれだけ。
まるで、大勢で少数派をいじめているみたいだ。

ベトナムにはあちこちに軍事博物館があります。
でも、展示されているのは旧式の東側兵器ばかり。
ハリウッド映画なんかに出てくる、最新式の西側兵器が好きな人には物足りないかもしれません。

アオザイを売っているお店。
このマネキン、ヨーロッパ人じゃない?
なんか違和感がある・・・

文廟(孔子廟)。
その名の通り、孔子が祀られているらしい。
あまり興味はなかったのだが、
「街の雑踏から離れ、とても静かだ」
とガイドブックに書いてあったので、ちょっと休憩しようと思い、来てみた。
が、境内は観光客だらけで騒々しい。
街中の方がまだ落ち着ける。


この建物、どこかで見たことあるな、と思っていたら、
ベトナムのお札の絵柄になってるんですね。

この亀の頭をなでると、頭がよくなるらしい。
みんなが触るもんだから、頭の部分だけ変色してる。
そう言われてもねえ。
こんな頭の悪そうなカメに言われても説得力ないよ。

ずらりと並んだカメさんたち。
「なでて、なでて」

極めつけは黄金の亀。
どうせ触るんならこっちの方が御利益がありそう。


一柱寺。
ここはホーチミン廟のすぐ近くなのだが、最初のガイドは連れて行ってくれなかった。
新たに雇ったバイクドライバーはなかなかのやり手で、「ここはぜひ見ておくべきだ」と連れてきてくれた。

タンロン遺跡。
ここに到着したとき、すでに夕方だったので閉門していた。
が、私のガイドはここの係員と顔見知りらしく、特別に中に入れてもらった。
世界遺産にもなっている、ハノイを代表する観光スポット、タンロン遺跡。
本来なら観光客でごったがえしているはずの場所を、貸切状態で楽しむことができた。
ベトナムのように観光名所が多い所を効率的に回るには、腕の良いガイドが不可欠。
ガイドの質の良し悪しで、その日の観光が天と地ほどの差になる。
ガイドに払う金を出し惜しみしてはいけない。
といっても、このガイド、最初に雇ったバイクタクシーの運転手よりも値段はリーズナブル。
ベトナムをはじめ、東南アジアでは物の値段はあってなきが如し。
人を見る目と交渉力が大事なのだと、あらためて気付かされた。




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日本ではタクシーなんてほとんど利用しない私だが、
東南アジアでは毎日のように使っている。
と言っても車ではなく、バイクのタクシーだ。
交通インフラが整っていないので、他に手段がない場合もあるし、
なにより、待ち時間なしで、自分の行きたい所に自由に行けるのがうれしい。
値段もそれほど高くない。
ただし、交渉次第。ハノイに戻ってきて最初に雇ったバイクタクシーのドライバーは最悪だった。
ハノイB駅でガイドブックとにらめっこしてる時に、彼の方から私に声をかけてきた。
英語はできないようだが、おとなしそうな性格だ。
それに、頭も悪そう(失礼!)だったので、簡単に丸めこめると判断して、彼を雇うことにした。
確かに彼は頭が悪かった。
たとえ英語がわからないことを差し引いて考えたとしても、
こちらの意図するところを全く理解しようとないのだ。
だからなかなか意思の疎通がはかれない。
こちらの言わんとしていることが、きちんと相手に伝わっているのか不安になる。
ガイドブックの写真を見せて、
「こことここと、それとここに行きたい」
ということは、なんとかわかってくれたようだ。
しかし、まだ不安はある。
彼の提示する金額が、相場より大幅に安いのだ。
そんなことはベトナムではありえない。
「これだけ全部まわって、すべてコミでこの値段だよ。わかってる?
それ以上は払わないよ。」
と何度も念を押す。
彼は「わかった、わかった。」と言うが怪しい。
そして、やはりわかっていなかった。
後から後から、どんどんと追加料金を請求してくるのだ。
「あんたが見学している間、俺は外で待っていたんだから、その分の料金も欲しい。」
「カメラのシャッターを押してやったんだから金をくれ。」
「ガイド料は別料金だ。」
「これはトータルの値段だよ」と、あれほど念を押して確認したのに・・・
彼がバイクを止めて、
「この建物、いいだろう? 写真、写真!」
と言うので、バイクを降りて写真を撮ったら、さらに追加料金を請求された。
なんで建物の写真を撮ったらお前に金を払わにゃならんのだ。
ここはお前の家か?
これはだめだ。
最初に取り決めた値段以上のお金は払わない、ということを
しっかりと彼にわからせなければならない。
確かに、最初に取り決めた料金は相場に照らしても安すぎた。
だから相場並みの料金をこちらから彼に提示する。
だが彼は納得しない。
この男は頭が悪いだけでなく、強欲なのだ。
ろくにサービスもできないくせに。


それからしばらく、延々と料金交渉が続く。
貴重なベトナムでの時間を、なんでこんなことに費やさなければならないのだろう。
まったく不毛な時間だ。
また後でモメるのは嫌だったので、紙に書いて残すようにした。
それも、彼自身の手で書かせるようにした。
ここまですれば、後からゴネることもないだろう。
私の提示した金額に、彼は納得していないようだったが、
相場以上の値段を払う気は私には毛頭なかった。
この男は、外国人相手の交渉の経験はないらしく、
私のペースで話し合いは進んだ。
ようやく交渉がまとまった。
彼もしぶしぶ納得したようだ。
まだ憮然としてはいるが。
ようやくバイクは動き出し、目的地に向かう。
バイクは車と違い小回りがきくので、いったん動き出せばあとはスムーズだ。
運転手は小さな路地に入る。
人が一人歩けるだけの幅しかない、ほんとに狭い路地だ。
きっと抜け道なのだろう。
が、違った。
彼は貧民街のど真ん中にバイクを止める。
朽ちかけた家の軒下には、男たちが数人たむろしている。
上半身裸の男もいる。
目つきは鋭く、肩から背中には入れ墨が彫ってある。
どう見ても、こいつらは堅気の人間ではない。
足が震えた。
バイクタクシーの運転手は、
「この日本人野郎が金を払いやがらねえんだよ」
というような事を男たちに説明している。
「あぁ?!」
彼の話を聞き終えた男たちは、人相の悪い目つきで私をにらみつけている。
今にも腰を浮かせて、こちらにやって来そうな勢いだ。
冷や汗が流れる。
背中が寒くなってきた。
まずいぞ。
逃げなきゃ。
「お、俺、腹が減ったから表通りの食堂でなんか食ってくるわ。」
私はそう言って、箸で食べ物をすする仕草をして見せる。
英語がわからなくても、これで意味は通じるはずだ。
彼らに背を向けて、もと来た道をゆっくりと戻る。
おどおどしてはいけない。
ビビってることを奴らに悟られてはいけない。
こんな裏通りの狭い路地に、警察の目は届かない。
外国人観光客もやって来ない。
今、ここで私の身に何かあっても、誰も気づくことはない。
そう考えると、とても恐ろしくなった。
表通りからこのスラム街までは、バイクではあっという間だった。
だが、バイクと徒歩とでは勝手が違う。
歩いても歩いてもなかなか大通りは見えてこない。
奴らは追いかけてくるだろうか?
武器は持ってなかったみたいだから、後ろから撃たれるなんてことはないだろう。
奴らがこちらに向かってくるそぶりを見せれば、全速力で走ろう。
心臓がバクバク鳴って、痛い。
息が苦しい。
でも、大きく音を立てて呼吸をしたらダメだ。
それがきっかけとなって、あいつらが追いかけてくる。
しまった。
日本を出てからずっとジョギングしてない。
奴らより速く走れるだろうか?
いや、走らねば。
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表通りを、たくさんのバイクが走り去る。
それを眺めながら、私はカフェでチェーを飲んでいた。
例のバイク運転手が、私の向かいの席に座る。
まるで、何事もなかったかのように。
彼はジュースを注文した。
その男とカフェにしばらくいたのだが、何をしていたのか忘れてしまった。
きっと、何もせずにボーっとしていたのだろう。
本来なら、こんな運転手とは即刻別れるべきだ。
だが、一日分の料金ということで交渉しているので、
途中で解約しても彼は全額を請求してくるだろう。
またあの不毛な料金交渉をするのはごめんだ。
最初に決めた場所を全て回り、最後の空軍博物館に着いたところで彼を解雇した。
彼は「ここで待ってる」と言ったが、強引にお金を渡して引き取ってもらう。
ここからカウチサーフィンのホストの家まではかなりの距離がある。
バイクタクシーの運転手はそのことを知っているので、もうひと稼ぎしたいのだろう。
だが、まだ時間はある。
私はもっといろんな場所を見て回りたい。
ただし、お前とは別のバイクで!東南アジアでは、バイクタクシーは安価で便利な乗り物だ。
しかし、タイなどの一部の国を除いて、バイクタクシーを始めるのに登録も許可も必要ない。
バイクさえあれば、誰でもすぐに始めることができる。
だから当然、質の悪いドライバーも多数いる。
利用する場合には、気をつけた方がいいだろう。
「危なくなったら、すぐに飛び下りればいいじゃん」
確かにその通り。
しかし、彼らはアッという間に狭い路地に入り込める。
いったん裏通りに入ってしまえば、そこはもう彼らのテリトリー。
外部からは見えない。
今回私が遭遇したバイクドライバーはまだ新米のようだった。
だが、今頃は経験を積んで、狡猾になっているだろう。

ハノイで不愉快な思いがしたければ、この男のバイクに乗ってみてください。
刺激的な経験ができるかもしれませんよ。
テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行