お前らに言われたかーねーよ

台所で料理中のイヴとミッシェル。

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彼らの所有するボート、「CRIES 'N WHISPERS 号」


イヴとミッシェルのくれたおみやげ、バリ島のキャンディー。
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今回のカウチサーフィンはベルギー人カウチサーファー、イヴとミッシェルです。
彼らはなかなか強烈な個性の持ち主。
なんと、旅を続けてすでに5年以上にもなるんですね。
しかも、最初の4年半は自分たちのヨットで旅行していました。
ヨーロッパからカリブ海、南米を経てニュージーランド、オーストラリアまで。
また、彼らのヨットの名前もシャレてます。
その名も「CRIES 'N WHISPERS 号」。
海の風を受けた帆が、ある時には泣いているような、
またある時にはささやいているような音を奏でるからだそうです。
時には1カ月近く陸地に上がらなかったこともあるとか。
もちろん、彼らの航海は楽しいことばかりではありません。
海賊には常に気を配っていなければならないし、
巨大イカに遭遇したこともあります。
イヴはミッシェルのよき理解者ですが、さすがにもうこれ以上彼の道楽にはつきあいきれないということで、
現在は飛行機に乗って普通に旅行をしています。
ということで「CRIES 'N WHISPERS 号」はオーストラリアでお留守番。
カリブ海ではクルーズ船の船長をして小銭を稼いでいたこともあるミッシェルなのですが、
彼の本職は建築家。
以前彼らの住んでいたベルギーのゲントはその筋では有名な場所なんだそうです。
しかし、彼らは現在、インドネシアのバリに建築事務所を構えることを計画中。
ヨーロッパと比べて、バリは建築コストが安いので、彼らの作りたい建物を自由に設計できるからだとか。
夫婦そろって建築家であるイヴとミッシェルは、普通の観光客とは違います。
京都にはすでに2週間くらい滞在しています。
嵐山観光に3日間も費やしたカウチサーファーは過去にはいません。
日本の伝統的な建築方法をじっくりと観察したいから、
必然的にそのようなペースになるんだそうです。
彼らは毎晩私の家の台所で夕食を作ります。
それも、近所のスーパーで野菜をどっさりと買いこんできて、
かなり本格的な料理を作ってくれます。
旅行中くらい外食してのんびり過ごせばいいのに、と思うのですが、
彼らはまったく自炊することを厭いません。
大海原の上にはレストランもコンビニもないので、
毎日自炊するのが彼らのライフスタイルになってしまっているんですね。
私は現在、東南アジアを旅行する計画を立てているのですが、
インドネシアに1週間、そのうちバリ島には3日間滞在するつもりだ、と彼らに言ったところ、
鼻で笑われてしまいました。
「3日間なんて話にならんね。
1か月を過ぎたころからようやく本当のバリが見えてくるんだ。
東南アジアにたった2カ月?
なんでそんなにせかせかするんだ?
数年かけて、もっとのんびりしろよ。」
私の年齢で2カ月間も旅行する日本人はそうはいないと思うぞ。
そりゃあ数年単位で旅行できればそれに越したことはないとは思うが、
現実問題としてなかなか難しい。
何年間も海の上で自由気ままに暮らしてきた彼らは、どうやら俗世の感覚からはズレてしまっているらしい。
彼らはとてもフレンドリーなのですが、たまにフレンドリー過ぎて人の心の中に土足であがりこんでくることもあります。
音も立てずにこっそりと。
「マサトもいい歳なんだから、そろそろ嫁さん見つけて落ちつけよ。
いつまでもフラフラして、旅行ばかりしてたらダメだぞ。」
なんかさっき言ってたことと矛盾してないかい?
テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行