アン(スペイン)とCouchSurfing(カウチサーフィン)

(祇園花見小路にて。)
外国人観光客に祇園を案内すると、2通りの反応が返ってくる。
「え?これがギオンなの?ただの道じゃない。」
というのと、
「ワァーオ!ワンダフル!!ビューティフル!!!
This IS Kyoto!!!!」
というのとだ。
アンの反応はというと、よくわからない。
騒がず、はしゃがず。
ただ黙々と写真を写している。
まあ、たくさん写真を撮っているのだから、おそらくは祇園が気に入ったのだろうが、
もう少し派手なリアクションが欲しいものだ。

(縁切り縁結びの碑に挑戦するアン。安井金毘羅宮にて。)

(縁切り縁結びの碑から出てきたアン。)
アンに安井金毘羅宮の縁切り縁結びの碑について説明する。
彼女はぜひやってみたいと言う。
「殺してやりたいくらいうっとうしい奴がいる。」のだそうだ。
その割には彼のことを思い出す時うれしそうな顔をしていたので、きっとその彼とはなんだかんだで長い付き合いなのだろう。

(安井金毘羅宮の入り口の桜。)
この安井金毘羅宮の周りには、どういうわけかラブホテルが多い。
このラブホテル、欧米人には面白い存在らしく、ガイドブックに記述があることもある。
ヨーロッパ人とラブホテルについて話をする時にきまって出る質問は、
「どうして日本人にはこんなホテルが必要なの?
車ですればいいじゃない。」
というものだ。
どうして?と聞かれても困る。
生活臭の漂う自分の部屋では気分が乗らないこともあるし、
たまには場所を変えて刺激も欲しい。
それに車の中なんて狭くて動きにくいし、いちいち人目を気にしていたら事に集中できないじゃないか。
欧米人はそういうことは気にならないのかな。
アンは車の中でそういうことをしたことがあるのだろうか。
聞いてみたかったが、昨日会ったばかりの女性にそんな質問ができるほど私は図々しくはない。

(八坂の塔。)

(ねねの道沿いにあるよーじやの庭園にて。)
大方の女の子がそうであるように、アンもまたショッピングが大好き。
ねねの道沿いにはたくさんのお店がある。
いちいち足を止めてはゴソゴソと物色している。
女性の買い物に付き合うのは苦痛だ。
アクセサリーや小物になんてまるっきり興味なんてないのに、興味があるフリをして時間をつぶさなければならない。
退屈しているのを悟られないように、あくびをかみ殺さなければならない。
こんな所で俺は何をしてるんだろう?
一体何のために?

(三年坂(産寧坂)のしだれ桜。)

(清水寺にて。)

(清水寺の本堂内)

(清水寺でおみくじをひくアン。)
彼女が引いたおみくじは「吉」。
どういうことが書いてあるのか私が翻訳します。
いつも思うのだけど、おみくじの文言というのはとても抽象的で当たり前のことばかり。
「学問を修めたければ勉学に励め。」
「病気を治したければ安静にしていろ。」
そんなこと言われなくてもわかってるよ、とついつい反論したくなってしまう。
今のところ、「凶」を引いたカウチサーファーはいなかったと思う。
それがせめてもの救いか。

(着物姿の女子たちと一緒に記念撮影。)

(地主神社の恋占いの石に挑戦中のアン。)

春の清水寺は大混雑。
もちろん地主神社内も。
それでもアンは恋占いの石に挑戦した。
「こんな人ごみの中でよくやるなあー。」
と感心して見ていたのだが、難なく二つ目の石にタッチ。
おみくじとか恋占いの石とか、意外とこういうのが好きなんだな、アンは。
人はみかけによりません。

今年の冬は寒かったので、桜はまだまだ咲いていません(2012年4月7日(土)現在。)
満開の桜をバックに清水の舞台の写真を撮ることができなくて残念そうです。

(観光客でごったがえす清水参道。)
春休みで、しかも土曜日。
混雑するのは仕方がないとはいえ、やはり疲れます。

高台寺のしだれ桜はかなり咲いていました。
五分咲きといったところでしょうか。
この高台寺の石庭には龍のようなオブジェが。
ここは来るたびに庭の様子が変わっていて飽きません。


(高台寺の臥龍廊)

高台寺の臥龍廊は普段は歩けないのですが、今は特別期間中らしく、歩いて渡ることができました。
ただ、人が多いうえに道も狭いので、立ち止まっての写真撮影は断念。

(霊山観音)

八坂神社の舞台には琴などの楽器が置いてありました。
夜には何かの催しでもあるのでしょうか。
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今回のカウチサーフィンはスペイン人カウチサーファーのアンと。
私はスペイン人が大好きです。
通常彼らは大声で笑い、話す時も全身を使って感情を表します。
彼らを見てると、乾いた太陽を思い出すんですね。
でもアンは違います。
ボソボソと抑揚のない声で話し、表情もほとんど変化させません。
「なんだか私の持つスペイン人のイメージと違うなー。」と思っていたのですが、
彼女はどうやら噛めば噛むほど味がでるタイプのようです。
太陽のような激しさはありませんが、彼女と話しているとじんわりと温かくなります。
話し声こそ小さいですが、けっして会話が途切れることはありません。
ときどきやんわりとほほ笑むアンを見ていると、
「たまにはこういうスペイン人もいいか。」
と思えてきます。
ただ、アンにはスペイン人らしい豪放さもあります。
選択し終わった下着を堂々と私の目のつくところに干してるんですね。
それも1枚や2枚ではなく、1週間分くらいまとめてごっそりと。
まるで自分のレパートリーを自慢するかのように。
私の家には乾燥機が無いので仕方ないのですが、自分の部屋の隅にこっそりと干すとか、
もう少し考えてもらいたいものです。
アジア系のカウチサーファーはまずこういうことはしないので、
「やはり欧米人の女性は違うなあ。」
などと妙に感心してしまいます。
きっと私のことなんて「男」としては見ていないんでしょうね。
「とるに足らないつまらない存在」なんでしょうか。
私の男物のパンツの隣に吊るされた女物の下着を眺めているうちに、
なんだか切ない気持ちになってきました。
テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行