カウチサーフィン(キティ、香港)

真如堂。初めて来ました。
たしかここは秋の紅葉で有名だったはずだけど、外国人にはマイナーすぎて、
「真如堂に行きたい!」というカウチサーファーは今まで一人もいませんでした。
ところがキティは京都に来るのがこれで3度目。
主な見どころはほとんど見つくしています。
「どこかおもしろい所に連れて行って、マサト。
私を満足させるのがあなたの役目よ」
わがままなお姫さまだ。
というわけで今日は、今まで手薄だった岡崎エリアを中心にコースを組んでみました。
いつも清水寺ばっかじゃ飽きちゃうしね。

しかし、歴史や建築などにはまったく興味のない我々ふたりにとって、真如堂とは
なんの変哲もない、ただのお寺にすぎないのであった。


気を取り直して、今度は黒谷(金戒光明寺)。

梅の花も咲いていて、なかなか風情のある境内です。

敷地内はけっこう広い。

ここの山門は時代劇などの撮影に使われることもあるほどの、なかなか立派なものだという話でした。
しかし、工事中・・・
ツイてない。
でもだいじょうぶ。
この岡崎エリアには、まだまだたくさんの見どころがあります。

晴れた日の平安神宮は色鮮やかで、とても気持ちいい!

なんだか見慣れない絵馬がかかっています。
「完走祈願」
どうやら、京都マラソンに関連するもののようですね。

いつ見てもでっかい鳥居だ。

京都市美術館。
ゴッホの展覧会をやってましたが、美術に興味のない私はあまり入場料を払いたくありません。
しかし、この美術館は広く、無料の催し物もいくつかありました。
私たちが選んだのは写真展。
自然の景色を題材とした美しい写真がたくさん展示されていて、勉強になります。

次に向かったのは・・・

琵琶湖疏水記念館。
こんなとこ、絶対に普通のカウチサーファーは来ないだろうな。
しかし、「入場無料」という言葉にふらふらと吸い寄せられていったのであった。


案の定、琵琶湖疏水記念館の中はガラガラで、誰もいませんでした。
琵琶湖疏水の歴史についてビデオが上映されているブースがあり、ちょうどイスもあったので、
ここでしばらく休憩することに。
今日はたくさん歩いたからね。
さすがに疲れたよ。
それにしても、琵琶湖疏水の歴史を紹介するビデオなんて誰が見るんだよ。
これって経費の無駄遣いだよな。
と、そこへ一人のおばさんが乱入してきました。
どうやらこのくそつまらないビデオを本気で見たいようです。
「私、京都検定に向けて勉強中なの。
このビデオを最初から見たいんだけどいいかしら?
あら、外国の人?
私、京都に住んでるから、なんなら明日また来ましょうか?」
いえいえ、どうせ僕たちは見てませんから、どうぞご自由に見てください。
そう言っても、おばさんはその場を動かない。
「あら、見てないの。
私、京都に住んでるから、なんなら明日また来ましょうか?」
???
何を言ってるんだ、このおばさんは?
ビデオを見たいんなら、さっさと見ればいいのに。
イスは他にもたくさんあるんだし。
どうやらこのおばさんは、我々ふたりをここから追い出したいようだ。
その後も何度もしつこく、
「私、いつでも来れるから、明日また来ましょうか?」
を連発している。
よっぽど、「じゃあ明日来てください」と言ってやろうかと思ったが、
怒らせるとやっかいそうだったので、その場を退散することにした。
琵琶湖疏水記念館を出た後、キティは
「なんだか感じの良いおばさんだったわね」
などと言う。
えええええ?????
そうなのだ。
あのおばさんは、完璧なほほ笑みをずっと浮かべていた。
どう見ても、作り笑いには見えない。
そのため、日本語を理解できないキティには、とても感じのいい女性に見えたようだ。
「京都の人間は何を考えているのかよくわからん」
という話を聞いたことがある。
確かにそのとおりだ。
京都のおばさん、おそるべし。

(南禅寺)
琵琶湖疏水記念館を予想外に早く追い出されてしまったため、日没にはまだ時間がある。
そこでもう一か所まわることにした。
なんか今日はすごく充実してる気がする。


旅行会社のパンフレットに出てきそうな景色でしょ。

南禅寺と言えば、この水路閣!

琵琶湖疏水記念館でしっかり勉強した後は、この水路閣もいつもと違って見えるような気がする(?)
あたりがだんだん暗くなってきて、そろそろ夕食の時間だ。
今日は疲れたし、ここのところずっと外出が続いたので、今夜は家で食べよう。
私がそう提案しても、キティは浮かない顔をしている。
帰りのバスの中で、ついに彼女は泣きだしてしまった。
なんで泣くんだ?
俺、なにかマズイこと言ったかな?
「マサトは他のカウチサーファーとはいつも外で食べてるじゃない。
私、あなたのフェイスブックを見て、ちゃんと知ってるんだから。
せっかく日本に旅行に来てるのだから、私だっておいしい物をいっぱい食べたい!
他のカウチサーファーみたいに、私を素敵な場所に連れて行ってよ!」
そんな言い方はないだろ。
俺はキティのためにずいぶんと時間を費やしているぞ。
他のどのカウチサーファーよりも、キティとはいろんな所に行ったぞ。
でも、キティの言うことにも一理ある。
たしかに彼女とは親しくなりすぎて、なあなあの感じになってきているのは事実だ。
それを「手を抜いている」というふうにとられてしまったのかもしれない。
バスを乗り換えて、再び繁華街へと向かう。
飲食店に入り、食事をしている間もキティは泣き続けている。
店員は俺のことを「女の子を泣かす、ヒドい奴」とでも思ったのだろう。
妙に態度が冷たい。
他の客は意識して我々の方を見ないようにしているが、それがかえって不自然さを増幅させる。
居心地が悪い。
料理の味なんてわかりゃしない。
俺はここでいったい何をしてるんだろう?
自分の目の前で真っ赤な目をこすり続けている女の子を見ているうちに、どっと疲れが押し寄せてきた。
帰り道に、コンビニで買い物を済ませて歩いていると、店員が追いかけてきた。
「お客さん! これ、困りますよ!!」

韓国旅行から帰って来たキティは、間違って韓国のウォンで支払ってしまったらしい。
まったく。今日は次から次へといろんなことが起こるなあ。
いつになったらぐっすり寝れるんだろう。
家に帰ってからも、災難は続く。
厄日か、今日は。
一通のメールが私の帰りを待っていた。
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