グドランのくれた物

(ドイツ人カウチサーファー・グドラン。竜安寺にて)
アルバムを整理していると、
まだブログに載せていないグドランの写真が出てきた。
あれからもう1カ月にもなるのか。
カウチサーフィンをしていると、
たくさんの興味深い人たちに会えるのだが、
このグドランは格別だ。
ドイツ人と日本人とは気質が似ている上に、
彼女と私は同い年。
なにかと気が合った(と私は思っている)。

(ドイツの定番のお菓子)
グドランはとにかく律儀。
お土産を持ってきてくれただけではなく、
お寺の入場料や交通費、食費なんかも払ってくれようとした。
私が自分で払おうとしても、
頑として譲らない。

(グドランの手作りの小物入れ。刺しゅう入り)
そうかと思えば、
妙に女性っぽいところもある。
わざわざ手造りの小物入れもくれた。
ご丁寧にも、私の名前と「Vielen Danke」という刺しゅうまで入っている。
これは、「どうもありがとう」という意味らしい。
グドランの厳格な性格からは想像し難いが、
彼女の声はとてもかわいらしい。
彼女自身、自分の声は気にいっているようだ。
「私のソプラノは特別なのよ」
確かに特別だ。
目をつぶって彼女の声を聞いていると、
まるで10代の美少女と一緒にいるような錯覚に陥った。
グドランが「アハッ!」とほほ笑む度に
私の心は千々に乱れた。

(東寺にて)
「グドラン」と聞いて、すぐに思い浮かぶことといえば、
歩くのがとても速い
ということだ。
なぜ彼女はこんなにも早く歩くのだろう?
この暑い最中、
大量に汗をかいてまで。

(東寺の南門)
グドランは学校の先生だけあって
とても勉強熱心だ。
日本語の基本フレーズを書いた暗記カードを持ち歩いているのだ。
旅行中も勉強とは恐れ入った。
おそらく、自分の生徒たちにも同じことを強要しているのだろう。
彼女の生徒たちには同情する。

(西本願寺)
グドランとの会話は楽しい。
彼女は、ユーモアのセンスも持ち合わせている。
写真もたくさん撮っていたが、
彼女の撮る写真は普通ではない。
消火用の水の入ったバケツとか
食堂の食券の自動販売機とか。
「なんでそんな物の写真を撮るんだ?」
と聞くと、
ドイツに帰ってから知人にクイズを出すためだそうだ。
全ての写真がお寺や神社ばかりだと
見ているうちに飽きてしまうからだとか。

そういえば、グドランはFACEBOOKのことを毛嫌いしていた。
以前、彼女の学校の生徒たちがFACEBOOKがらみの問題を起こしたらしい。
日本でいうところの、
「学校裏サイト」
みたいなものだろうか。
その時には警察まで介入したというから
事態はかなり深刻なものだったのだろう。

あらかじめ京都御所の見学を予約してあったグドランは
皇宮警察の守る門の中に一人で入っていった。
ふう。
これでしばらく
グドランとの競歩から解放される。
しばらくベンチで昼寝をすることにしよう。
少しでも体力を回復させておかなければ
タフなグドランについていけない。
タフでクール。
繊細で情熱的。
いろんな要素をあわせ持ったグドランは
私にとって忘れられない存在になった。
テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行