悪魔のような美少女
今回のカウチサーフィンを通じて私はとても多くの事を学んだ。

今日から私の部屋に泊まる女の子の名前はコニー。
本人は「カニー」と呼べと言っているが、コニーの方が呼びやすいのでそう呼ぶことにする。
彼女の外見はアジア系だ。両親は中国人なのだから当然だ。
だがアメリカで育ち、大学まで出ている。
今は韓国で働いている。
こういうインターナショナルな人材は、カウチサーフィンの世界では珍しくない。
コニーはとても背が低い。というより、ちっちゃい。
顔もとても可愛らしい。
だが、そのルックスに騙されてはいけない。
そこらの猛獣なんかよりもよっぽど獰猛なのだ。
とにかくパワフル。
常に動きまわっている。
好奇心も旺盛で、なんでも知りたがる。
一日中質問攻めだ。
また、経済感覚もシビアだ。
とりあえず、値切る。
それはそれでとてもいいことなのだが、値引き交渉をさせられるのは私なのだからたまったもんじゃない。
「日本には値段交渉の習慣は無い」
と私が説明しても、
「でも、さっきの店では安くしてもらったじゃない」
と切り返す。
「それは俺が冷や汗をかきながら値引きを頼んだからだ!」
と言ってやりたかった。
日本に来る前に情報収集はバッチリ行っていたようで、いろんなリクエストを受けた。
今日はハードなスケジュールだ。
まずは東映太秦映画村。
けっこう気にいったようで、あちこちの写真を撮りまくっていた。
次はお決まりの金閣寺。
「あら、小さいのね。もっと大きいのかと思ってたわ」
世界中を旅しているコニーにとってはたいしたことはないらしい。
沖縄料理の店で少し遅めの昼食をとる。
彼女はベジタリアンではないのだが、中国の古いしきたりで、この日は肉を食べることができない。
おかげで、注文するのにかなり時間がかかった。
ご飯を食べながら、韓国のことをいろいろと教えてもらった。
なんでも、現在、韓国は観光に力を入れていて、かなりお得なキャンペーンもやっているみたいだ。
行くなら今だと、しきりに勧めていた。
そして、今日のメインイベントの吉田神社の節分祭り。
鬼を追い払う儀式を前列で見たいので、1時間30分まえから陣取る。
だが、待っている時間が長すぎる。
話のネタも尽き、気まずい沈黙が・・・。
退屈した彼女は、とうとう携帯のゲームを始めた。
ううっ。
俺はホスト失格だ。
節分祭りが終わり、帰路に就く。
コニーは満足してくれたかな?
実は、カウチサーフィンを始めてから、女の子が一人で私の部屋に泊まるのは今回が初めてだ。
やはり、意識してしまう。
もちろん、そんな様子を見せるわけにはいかない。
ドキドキするねえ。
一人悶々とする私を尻目に、彼女はさっさと床につきましたとさ。
テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行