感動の別れ、のはずが・・・

マリアの似顔絵。
京都国際マンガミュージアムで描いてもらったもの。
マリアの特徴をとてもうまくとらえている。
マリアとソレは、五山の送り火を見るためだけに京都に帰ってきた。
だから、翌朝にはもう東京に向けて出発だ。
なんともあわただしいことで。

彼女たちは私にお土産をくれた。
「井筒の三笠」だ。
しかも、五山の送り火スペシャルバージョン。
なかなか粋なはからいじゃないですか。

ちなみに中身はこんな感じ。
もちろん、「妙」「法」や鳥居形など全てのキャラクターが揃っている。
彼女たちを見送るために、JRの嵯峨嵐山の駅まで一緒に歩く。
今日もあいかわらず暑い。
でも、私の心は暗く、重い。
カウチサーフィンをしていると、とても素敵な人と出会える。
だが、彼らは旅行者。
しかも、海外からの。
次に会えるのはいつになるかはわからない。
もしかしたら、もう二度と会うことはないのかもしれない。
そう思うと、とても悲しくなる。
それでも、笑顔で別れたいから、
なるべく明るく振る舞おうと努めた。
「今度は俺がスペインに遊びに行くよ。
メノルカ島に行けばいつでも会えるんだろ?」
だが、マリアの返答は予想外のものだった。
「ごめんなさい。
多分、マサキがメノルカ島に来ても会えないと思うわ。」
マリアは近い将来、フランスに移住するつもりだとか。
ソレはフィンランドへ。
彼女たちはほんとに自由気ままに生きているんだな。
うらやましい。
いや、違うな。
彼女たちをうらやむのはおかしい。
マリアやソレのように生きたいのなら、
自分もそうすればいいだけじゃないか。
なんだか目が覚めた気がした。
小さな日本にしがみついて、
人生設計とかキャリアプランとか、老後とか、
そんな物に押しつぶされそうになってる自分が哀れで滑稽に思えてきた。
いいよ、マリア。
フランスでもどこでも君が好きな所で暮らすがいい。
この世の果てまででも君を訪ねて行くから。
もちろんフィンランドに逃げても無駄だよ、ソレ。
あとね、マリア。
俺の名前はマサキじゃないよ、マサトだよ。
彼女たちの大阪でのホストはマサキという人だったらしい。
確かにヨーロッパ人にとって日本人の名前は馴染みが無い。
間違えても仕方がないのかもしれない。
マリアにとって、私の存在なんてその程度のものなんだろう。
私が密かに彼女に恋心を抱いていることなど
まったく気づいていないに違いない。
さよならのハグは私からした。
私もずいぶんと大胆になったものだ。
テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行