カウチサーフィン(CouchSurfing)と愉快な仲間たち

飛んでる男

台湾人の男性からカウチリクエストを受け取った。

私はこれまでにたくさんの台湾人カウチサーファーと出会ってきたので、
本来なら彼と会おうという気にはならなかっただろう。

だが、私は今、中国語を勉強中。
中国語圏の人と出会う機会はできるだけ大事にしたい。
それが語学上達の一番の方法だと思うからだ。


だが、私が彼と会ってみようと思う気になったのは、
彼が中国語圏の人間だという理由だけが原因ではない。



(ウェインのカウチサーフィンのプロフィールより)

彼の写真を見て笑ってしまった。
文字通り、「ぶっ飛んで」いる。
なかなか楽しそうな男だ。


ウェインは彼女と一緒に日本にやってくる。
カウチリクエストを送ってきたのはウェインなのだが、
それ以降の連絡はウェインの彼女とするようになった。

というのも、彼女は日本語を勉強していたことがあるらしく、
私とメールをやり取りすることで自分の日本語能力を高めようという魂胆があるらしい。

なんということだ。
彼らを私の中国語練習の踏み台にしようとしていたのに、
逆に彼女の日本語の練習相手をさせられるはめになってしまった。


だが、どことなくホッとしている自分がここにいる。

それはそうだろう。




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こんなキャラクターの濃い人間と毎日話をしていたら、
実際に会う前に疲れてしまうよ。


ウェインの彼女、シャーリンとはLINEを通じて毎日のように連絡をとりあった。
facebookでもなければGmailでもない。
ほんとにLINEはアジア圏でその勢いを増しているのだな。


そして待ち合わせ当日。
あれほど念入りに待ち合わせ方法を打ち合わせしておいたというのに、
彼らを見つけることができない。

駅の「○○出口」で!
というふうに取り決めておいたから、間違えようがないはずだ。


いくら日曜日で駅前は混雑しているといっても、
ウェインを見つけられないはずがない。

なぜなら、




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こんな人間がいたら、気づかないわけがない。
いやでも目に飛び込んでくるはずなのだ。

それなのに彼らが見当たらないというのは、いったいどういうことなのだろう。

ハッ!
もしかして職務質問でもされて警察署に連行されてしまったのだろうか。
意味もなくこんな満面の笑みを浮かべていたら、警官に怪しまれてもしかたがない。

ふと気づくと、シャーリンからLINEにメッセージが入っていた。

「私たちはすでに5番出口にいるわ!」


そんなはずはない。
私は今、その5番出口にいるのだ。

もう一度あたりをよく見渡してみるも、彼らの姿はそこにはない。


すると、遠くの方から一人の女の子が大きく手をふりながら私の方へと走ってきた。
シャーリンだ。

なんでシャーリンはあんな遠くから走ってくるんだ?
待ち合わせ場所はここのはずなのに。


ウェインたちは、約束していた場所からは少し離れたところにあるインフォメーションセンターにいた。
なかなか私と会うことができず、不安になった彼らは私と連絡をとろうとしたのだが、外国では携帯電話を使うわけにはいかない。
そこでWIFIを求めてインフォメーションセンターまで移動したということだった。




とにかくお腹がへったというので、とりあえず昼食をとることにしました。




彼氏の前でシャーリンを口説く私。
彼女とはずっとLINEで連絡を取り合っていたので話も弾みます。




ウェインたちに歌舞伎の説明をしたのですが、彼らは歌舞伎のことをまったく知りませんでした。
少し興味はもったようですが、入場料は私たちにはとうてい手の届かない額。
写真だけ撮ってさっさと次のポイントへ移動。




清水寺。

あいかわらず極上の笑顔を見せるウェイン。
驚くべきことに、この笑顔はけっして作り物ではないのです。
彼の底抜けに明るい性格が自然と表情ににじみでているだけなのです。









ギオンコーナーでは芸者や舞子の資料が展示してあるので、それをウェインたちに見せようと立ち寄ったところ、
中から音楽が聞こえてきました。
どうやら琴か三味線のようです。

「なんだろうねえ」
と言いながら私たちがうろうろしていると、
「どうぞ」
受付に座っていた女性が立ち上がって、
にっこりとほほ笑みながらパンフレットを差し出してきます。

いや、「どうぞ」って言われても。
きっと入場料も高いんでしょ。
さっき歌舞伎の南座で見た法外な料金表が脳裏をかすめます。

「いえいえ、無料ですからどうぞお気軽にお入りください」

ウェイン、君たちはツイてるね。
無料だってさ。

パンフレットを見ると、筝曲の演奏会と書いてあります。
全部で10曲以上演奏するようですが、伝統芸能に造詣の深くない私たちには一曲でじゅうぶん。
早々に退散しました。




今日の観光はこれで終了。
本当は彼らに金閣寺や伏見稲荷なんかも見せたかったのですが、明日には奈良に行ってしまうそうです。

彼らのリクエストにより、夕食はラーメン。
ウェインは相変わらずいい笑顔をしています。
もちろんシャーリンも負けてはいません。

あれ、もしかして君たちおそろいのメガネなのかい?





彼らは絵葉書をくれました。
自分で撮った写真をプリントアウトしたものだそうです。




絵葉書の裏には直筆のメッセージが。
なんだかうれしいねえ。


私はもうすぐ東ヨーロッパに行くのですが、その時に台湾の航空会社を利用します。
そのため行きも帰りも一度台湾に立ち寄るのですが、時間が中途半端。
台北まで行くにはちょっと厳しいスケジュール。
でもせっかくだから台湾も味わってみたい。

都合のいいことに、ウェインは桃園空港のすぐ近くに住んでいます。
やった、カウチ ゲットだぜ。
彼は台湾名物、夜市も案内してくれると言っています。

世界中に着々と拠点を築きつつある実感。
これぞホストの醍醐味と言えるでしょう。


台湾で会おう、ウェイン&シャーリン!



日本国内編はこれでしばらくお休みとなります。
これからは海外編。
できるかぎりリアルタイムでブログを更新していきたいとは思っています。

しかし、今回訪れるのは旧共産圏の国々。
はたしてネット・インフラはどれくらい充実しているのだろうか。


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上海歴女と本能寺

ユアン(中国)とカウチサーフィン


ユアンは上海に住む女の子。

旅の達人で、カウチサーフィンでのホスト経験も豊富だ。


なのでさぞかし有能な女性なんだろうなと予想していたのだが、実際に会ってみたら???

イメージしてたのとかなり違った。


宇治の祭りに行く予定だったのだが、電車の中で眠りこけてしまい、けっきょく行かなかった。

私との待ち合わせ時刻になっても、彼女は現れない。


土曜日の四条河原町を待ち合わせ場所に選んでしまったため、他にも大勢の人がたむろしている。

ユアンの顔はいちおうカウチサーフィンのプロフィールで確認しているが、写真と実物は違うことが多いのであまりあてにならない。

しかも彼女の顔にはこれといった特徴もない。

どこにでもいそうなありふれた顔立ちだ。


これが欧米人ならまだ見つけやすいのだが、中国人と日本人はほとんど同じ顔つきをしているので、彼女を発見するのはかなり難しい。

それっぽい女性に何人か声をかけてみたが、全部ちがった。

みんな怪訝そうな顔をして私のことを見ていた。

きっと私がナンパでもしていると思ったのだろう。

ああはずかしい。



1時間くらいうろうろしても彼女を発見することができなかったので、メールを送ることにした。

「ユアン、君は今どこにいるんだい?

 俺は今、河原町四条にいる。

 12時まで待って、それから家に帰るよ」



けっきょく彼女とは会うことができたのは、予定の時刻を1時間ほどすぎてからだった。

カウチサーフィンではよくあることだ。

外国を旅行しているのだから、土地勘はないだろうし、時間だって読みにくい。

だから私は待ち合わせをするとき、極力相手の都合にあわせるようにしている。


それでもほとんどのカウチサーファーは、

「京都は初めてだから、いつどこで待ち合わせしたらいいかわからないわ。

 あなたが決めて。」

と言う。


その結果がこれだ。



それでもなんとかめぐり合うことができた。

ユアンはお腹をすかしていたので、彼女の希望によりラーメン屋へと行くことにする。




(左がユアン。ラーメン屋にて)


もともと私が彼女と会うことに決めたのは、覚えたての中国語を試してみたかったからだ。

だが、ユアンは私に中国語を使うすきを与えてはくれなかった。

彼女はじつによくしゃべる。

話すスピードが速いわけではないのだが、彼女の口が休まる時はない。

英語でも彼女との会話についていくのはしんどい。

私は中国語の練習をすることを断念せざるをえなかった。


ラーメンが運ばれてきても口をつけようとはせず、彼女はなおも話し続ける。

お腹へってたんじゃなかったのか、ユアン?

ラーメンのびちゃうぞ。



現在は上海に暮らしているユアンだが、その前は南京にいた。

「南京って知ってる?」


知ってるもなにも、君たち中国人が日本人の蛮行をやり玉にあげる際、

必ずこの土地の名前を挙げるじゃないか。


きっと南京の住人は日本人のことを嫌ってるんだろうなと思っていたのだが、

ユアンいわく、そうでもないらしい。


もちろん偏狭なナショナリストはどこにでもいるが、そんなのはごく少数派なのだそうだ。

日本人が南京の街を歩いていたとしても、迫害をうけることなんてほとんどないという。


ほんとかなあ?


中国人の感覚は理解しがたい。


日本だけでなく、現在、中国はベトナムやフィリピンとも問題を抱えている。

当然それらの国での反中感情は悪い。


一度、中国人の観光客がそれらの国でひどいめに遭わされた事件が起こったそうだ。


「その報道の後、多くの中国人は怖くて東南アジアに旅行に行くことができなくなってしまったのよ。」


彼女はまるで自分たちが被害者であるかのような言い方をする。


確かに中国政府がなにをしようと、一般旅行者にその矛先を向けるのは間違ってると思う。

でも、そもそもそんな事態を引き起こした根本的な原因は中国政府や軍の強硬的な態度にある。

それなのにユアンをふくめ大多数の中国人はそうは思っていないようだ。


この溝はきっと永遠に埋まらないんだろうな。





さて、ラーメンも食べ終わり、お腹もふくれたことだし、どこに行こうか。

「あなたのおすすめはどこ?」

とユアンが聞くので、清水寺や伏見稲荷を挙げたら怒られた。

「どうしてそんな有名観光地ばかりすすめるのよ。

 せっかくカウチサーフィンを利用して地元の人と会ってるというのに、意味ないじゃない」


確かに彼女のいうことにも一理ある。

しかし、有名観光地が人気なのにはそれなりの理由があるんだよ。


それに、せっかく京都に来てるのに金閣寺も清水寺にも案内しなかったら、

それはそれで怒るんだろ。


だいいち君はまだ京都をほとんど観光してないじゃないかよ。

通ぶるのもいいけど、そういうことはひととおり見てまわったあとに言ってほしいものだ。



とにかく「絶対に」金閣寺には行きたくないとユアンは言うし、

雨もぱらついていたので屋根のある錦市場に行くことにした。


市場なんてどこも似たりよったりだろうと思っていたのだが、

彼女はけっこう真剣に見ている。

100円ショップでも楽しそうにしていた。

上海にだって100円ショップなんていくらでもあるだろうに。



錦市場の後は本能寺に行くことにした。

これはユアンのたっての希望だ。


「本能寺はここから近いじゃない」

「ユアン、君、本能寺を知ってるの?」

「もちろん知ってるわよ。信長が殺された場所でしょ。」


彼女はノートに何かを書き始めた。

「ほら」

そういってユアンが見せてくれたページには、

「天下布武」

と書かれていた。



日本にやってくるカウチサーファーのなかには、かなりの確率で「日本マニア」がいる。

宮本武蔵にぞっこんのイギリス人もいたし、豊臣秀吉や徳川家康のことを知ってる香港人と会ったこともある。

日本の歴史というのは、我々が思っている以上に諸外国に知られているのかもしれない。

我々が赤壁の戦いや諸葛亮孔明のことを知っているのと同じような感覚なのだろうか。


だが、ユアンの場合、それとは少し違うような気がする。

話を聞いていると、彼女はNHKの大河ドラマや小説(ラノベ?)が好きらしい。


それらの話をする時の彼女の顔は、まるで夢見る少女のようだ。

ひょっとして君は歴女なのか?




本能寺といえば信長の最後の地。

さぞかしすごいお寺をイメージしがちだが、現在は商店街のアーケードの下にある。


「本当にこんなところに本能寺があるの?」

ユアンがいぶかしがるのも当然だ。




商店街に面して本能寺の門はあります。





やはりこのお寺は修学旅行生にも人気があるようで、制服姿の学生の姿があちこちで見られます。

日本人なら誰でもこのお寺の名前を知ってますからね。

一度は行ってみたいと思うのが自然なのでしょう。


しかし、中はごく普通のお寺。

特に見どころもありません。




「信長」という文字を発見して、かなり期待したりもしたのですが・・・

 


信長を祀っている廟もちっぽけなものでした。

歴史上もっとも強いインパクトのある武将の最後の地だというのに、なんなんだろうこの寂しさは。




本能寺の変で命を落とした人々を祀っている場所。





本能寺を見学した後、しばらく座って休憩することにした。

それほど歩いたわけではないのだが、梅雨入りした京都は蒸し暑く、じわじわと我々の体力を蝕んでいく。

けだるい倦怠感が二人を襲う。


それでもユアンはしゃべり続ける。

彼女も疲れていることはあきらかだ。

その口調から疲労感がにじみでている。


話している途中で適当な英語が思いつかなくなって、彼女の会話はしばし途切れることが多くなってきた。

まるでため息をついているかのようにだるそうに話すユアンは、そのうちろれつも怪しくなってきた。


なんだか飲み屋で悪酔いしたお姉さんにからまれているような錯覚に陥る。

空は梅雨特有の分厚い雲に覆われ、太陽が照っているわけでもないのに、とても蒸し暑い。

じわじわと汗がしみだし、とても不快なはずなのに、なんだか愉快な気分になってくる。


俺もユアンもときどき意味もなく笑い出す。

なんで俺たちこんなにハイになってるんだ?



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乱交パーティー?



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いまさら言うまでもないことだが、カウチサーフィンとは、

「世界各地から集まりきた多くの男女が一般人の民家に雑然と混臥し、

相知らぬ男女が相接触することによって親睦を深めることを目的とした共同体」である。



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西芳寺から参拝証が届きました。

ポストに投函してからまだ数日しかたってないというのに。

なかなか仕事が早いぞ、西芳寺。


もっとも、私の家から西芳寺までは歩いて行ける距離なので、わざわざポストに投函するよりも直接持って行った方が早いんだけどね。



しかし、第一希望の日程では予約が取れなかったので、やむなく第二希望の日となってしまいました。

その日はあいにく私は別の用事があるので、彼女と一緒に行くことができません。

残念。



前回西芳寺へはドイツ人カウチサーファー、エマと一緒に訪れた。

あれからもう2年以上もたつのか。

http://couchsurfingkyoto.blog.fc2.com/blog-entry-263.html


すぐ近くに住んでいるというのに、カウチサーフィンというきっかけでもなければなかなか行く機会がないんだよな。

3000円という高額な入場料のせいで、西芳寺に行きたいというカウチサーファーなんてまずいない。

よほど金に余裕がある人か、好奇心旺盛な人か。


この次に私に西芳寺を訪れるチャンスを与えてくれるカウチサーファーは、いったいどんな人だろう?



それにしてもこの中国人の女の子、宇治の祭りにも行くつもりらしい。

「あがた祭りっていうらしいんだけど、マサト、あなた聞いたことある? 面白い?」


そんなこと聞かれても、そんな祭り聞いたこともない。

ググってみたら、ちゃんとウィキペディアにも載っていた。


神輿が通過する間、周囲の家々は明かりを消すため、別名を「暗闇の奇祭」というらしい。

へえー。

そんなのただ暗いだけじゃん。

なんだかいまいち盛り上がりに欠ける祭りだなあ。

わざわざ夜中に宇治くんだりまで行く価値はなさそうだな。

彼女には悪いが、俺はパスさせてもらうことにしよう。


ところが、ウィキペディアをよく読むと、こんなことが書いてある。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「俗に「種貰い祭」ともいった[2]。

家々が明かりを落としているあいだ、各地から集まりきた多くの男女は狭い旅舎、民家に雑然と混臥し、

相知らぬ男女が相接触し、妊娠すれば、神から子種をさずけられたとした。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



なん・・・だと・・・?


行きます・・・。

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西芳寺の事前予約

中国人の女の子からカウチリクエストがきた。

若い女の子の一人暮らしだというのに、彼女はこれまでにけっこうな数のカウチサーファーをホストしている。

どうやら彼女はカウチサーフィンのヘビーユーザーのようだ。


私はちょうど中国語を習い始めたところなので、

「この機会に彼女をとことん利用してやれ」、と思っていたら、

相手の方が一枚上手だった。

逆にとことん利用されている感がある。



この女の子、日本を訪れるのはこれが初めてだというわりには、かなり通好みのプランをたてている。

高野山に行きたいというので、周辺のバスの運行状況を調べてほしいという。

めんどくさいが仕方がない。

かわいい女の子の頼みだ。



さらにこの女の子、京都では西芳寺を訪れるつもりらしい。

苔寺の通称で有名なこの西芳寺、外国人にはちと敷居が高い。

事前の予約が必要なのだが、往復はがきで申し込まなければならない。

ハガキは一週間以上前に西芳寺に到着しなければならないので、短期滞在の外国人にはかなり難しい注文だ。

インターネット全盛のこのご時世にあえてこの仕打ち。

これは暗に「外国人お断り」と言っているのだろうか。


だが、カウチサーフィンを利用すればこの問題は楽にクリアできる。

人の好さそうなホスト(俺のことか?!)を見つけて西芳寺に葉書を出してくれと頼めばいい。

かわいい女の子に頼み事をされれば喜んでしっぽを振る男なんて世の中には掃いて捨てるほどいるから、西芳寺行きの切符を手に入れることはそれほど難しいことではない。


「ありがとね、マサト。この御礼はきっとするから」

と彼女は言う。


もちろん。

今度はこっちが利用させてもらう番だ。


君が京都に来たあかつきには、俺の下手くそな中国語の実験台となってもらう。

覚えたばかりでまったくでたらめな発音の中国語を「これでもか!」といわんばかりにぶつけてやる。

俺をホストに選んだことを君は死ぬほど後悔するかもしれない。


でも仕方ないだろ。

ギブ・アンド・テイクなんだからさ、カウチサーフィンは。




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miss 台湾

モニカ(スロバキア)とローラ(イングランド)とカウチサーフィン(CouchSurfing)


ここのところ、ブログの更新が遅れにおくれて、とんでもないことになっている。

なんとか遅れを取り戻そうとがんばってはいるのだが、なかなか追いつけない。

いかん。

このままでは記憶が風化してしまう。

忘れないうちに記録を残しておかねば・・・



というわけで、これからこのブログの時系列はかなりでたらめなものになります。

季節があっちへ行ったりこっちへ行ったりするかもしれませんが、あまり気にせずに読み進めてください。


今回は最近のお話です。

といってももう一週間くらい過ぎちゃってるんだけどね。



スロバキア人のモニカは今回の旅行に対して、並々ならぬ熱意を抱いているらしい。

かなり詳細なスケジュールを組み立てている。

彼女の作成した旅程表を見せてもらったが、今日も盛りだくさんの内容となっていた。

下賀茂神社、金閣寺、とこのあたりまではいいのだが、その後に高山寺にも訪れるつもりらしい。

そして再び嵐山まで戻ってきて、伏見稲荷へ。


私も旅行する場合はタイトなスケジュールだが、いくらなんでもこれは無茶だ。

せっかく外国に旅行に来たのだから、「あれも見てやろう、これも見てやろう」という気持ちになるのは理解できるが、ものごとには限度というものがある。


高山寺は距離があるし、バスの接続もよくない。

なのでそこを予定から削除することをモニカに提案した。


しぶしぶそれに従った彼女だが、

「その他は全部まわれる?」

と不安そう。



たとえ高山寺を外したとしても、この日の予定は京都の北の端から西の端、そして南の端までまわるという、かなりの強行軍になる。

モニカもそのことは理解しているらしい。



だが大丈夫。

ちゃんと全部観光できますよ。

そのために私がいるのだから。




(下賀茂神社の入り口)

まずは最初の目的地、下賀茂神社。

まだ朝も早いというのに、なんだか騒がしい。

あれ? この神社っていつもこんなに人が多かったっけ?

ゴールデンウィークだからかな。






理由はすぐに判明した。

今日は流鏑馬神事が行われる日だったのだ。

流鏑馬というのは、疾走する馬の上から矢を射かけるあれである。

私は思わず興奮した。


「今日は流鏑馬だったのか! モニカ、君たちはツいてるよ。とても日本らしい行事を見ることができるぞ」

京都に住んで20年以上。

カウチサーファーと一緒にあちこち歩き回り、「京都通」を自認していた私だが、

実はこの流鏑馬はまだ見たことがない。



あたりを見渡すと、大きなカメラを抱えた人々が、すでに場所取りを始めている。

我々は朝早くに到着したので、幸い、まだまだスペースがある。

「これは最前列で迫力ある流鏑馬を見ることができるぞ」

私の胸は期待に高鳴った。



「どこがベストポジションだろう?」

早くいい場所を確保したかった私だが、モニカとローラの反応は鈍い。

流鏑馬と聞いてもピンとこないらしい。


場所取りなんかよりも、彼女たちの興味はもっぱら土産物屋にあるようだ。


今日は特別な祭りの日ということもあって、下賀茂神社の参道にはいくつかの屋台が並んでいる。

臨時のおみやげ屋では、流鏑馬にちなんだお守りを売っていた。

おそらくこれらを買えるのは今日だけなのだろう。

モニカは弓矢と的をかたどったお守りを買っていた。

なかなかしぶいチョイスだ。



「流鏑馬神事は何時からですか?」

みやげものを売っている巫女さんに聞いてみた。


しかし、返ってきた答えを聞いてがくぜんとする。

なんと、儀式が行われるのは午後からだというのだ。


まだ数時間もあるというのに、大勢の観光客がすでに場所取りをしている。

観覧席のチケットを買うために行列もできている。


今なら最前列の特等席で流鏑馬を見ることができるが、そのためにはこの下賀茂神社で何時間も釘づけされることになる。

今日一日でたくさんの名所をまわりたいモニカたちにはそんな時間の余裕はない。

残念ながら、流鏑馬はパスするしかなさそうだ。


うかつだった。

カウチサーファーをガイドするなら、前もって行事の有無をチェックしておくべきだった。

京都には無数の寺社がある。

毎月なんらかの行事がある。


この流鏑馬のことも前もって知っていれば、それにあわせてうまくスケジュールを組むことも可能だったかもしれない。


私が悔やんでいると、

「お祭りを見たいんでしょ、マサト?

 私たちのことならいいのよ。自分たちでまわれるから、あなたはここに残って流鏑馬を楽しんで」


モニカはそう言ってくれているが、その表情は複雑だ。

今日は私が一緒についてくることを見越して、ルートの確認もしていないにちがいない。

外国人をふたりほったらかして、自分だけ流鏑馬鑑賞するわけにはいかない。



「いいよ、この祭りは来年もあるから」

彼女の手前、そう言わざるをえなかった。




流鏑馬の会場。

こんなに近くで見ることができるのか。

さぞかし大迫力なんだろうな。




この道を馬が疾走することになるのか。

けっこう長い距離があるなあ。

さぞかし迫力のあることだろう。


うう、見たかった。

来年は忘れずに来よう。




河合神社にも寄りました。

「かわいい」と「河合」をかけているこの神社。

手鏡を模した絵馬が特徴的です。






鴨川にて。

左がモニカ。

彼女はスロバキア人なのだが、今は台湾に住んでいる。


右がローラ。イギリス人。

彼女とはなんだかうまがあわない。

私が話しかけても返事はうわのそら。

京都を案内しても、あいづちもろくにうってくれない。

なんかやりにくいなあ。



見知らぬおっさんとは話なんかしたくないのだろうか。

だが、ある意味彼女の反応はまともだ。

今回私にカウチリクエストを送ってきたのはモニカ。

ローラはカウチサーファーではなく、モニカと一緒に旅行しているだけ。

出会った瞬間に十年来の知己のようにふるまうカウチサーファーという人種は、やはり特殊なのかもしれない。



この後、伏見稲荷へと向かうのだが、バスは1時間に1本しかない。

しかも今はゴールデンウィークの真っ最中。

バス停には長蛇の列ができている。

少し不安になった。

「ちゃんと全員が乗れるのだろうか。

 まさかここまできてバスに乗れないなんてことはないよな」


と思っていたらそのまさかが起こった。

ぎゅうぎゅうに詰め込んでも、乗れない人が出てきたのだ。

このバスを逃したら、次のバスが来るのは1時間後。

みんななんとか乗り込もうと、無理やりに突進してくる。

バスの運転手がマイク越しに叫ぶ。


「もう一杯でこれ以上は乗れません!
 
 次のバスは1時間後です。

 JRの電車をご利用ください。

 電車なら15分間隔で運行しています。」



なんということだ。

伏見稲荷には何度も行ったことがあるが、始発駅でバスが満員になってしまったのを見るのはこれが初めてだ。

さすがはゴールデンウィーク。



我々はなんとか乗り込むことができたが、少なからぬ人数の人を残したまま、バスは出発した。




バスを降りて、伏見稲荷へと向かう道も混雑していた。

参道にずらりと並んだお店からはいい匂いが漂ってくる。


モニカは店の前で足を止め、何枚かのせんべいを買っていた。

しょうゆ味やわさび味。

おいしそうだ。



購入したせんべいをモニカはうれしそうに私に見せてくる。

その仕草がまるで


「マサトも食べる?」

と言っているように見えたので、


「いや、いいよ。

 せっかく君が買ったんだから、自分で食べなよ」

と答えたのだが、どうやら早とちりだったようだ。



「Oh...」

モニカは再び財布を取り出し、私にも買ってくれた。


なんだか俺が催促したみたいな形になってしまった。

そんなにものほしそうな顔をしていたのだろうか。





伏見稲荷の本殿の中には、平安時代(?)の衣装をまとった人が大勢いた。

観光客も足を止め、なにかを待っているようだ。

聞けば、祭りの今日はこれからなにかの催しが行われるらしい。

我々もその場に立ち止り、社務所の中から出てくるであろう行列を待つことにした。



しばらくしてこの祭りのメインイベントであろう行列の登場となったのだが、なんだかしょぼい。

音楽はないし、10人ばかりの人がそそくさと歩いて通り過ぎるばかり。

カメラを構えて待っていたモニカたちも肩透かしをくらって、ちょっともの足りなそうだ。






伏見稲荷の名物、千本鳥居も大混雑。

いつもなら外国人観光客の姿が目立つのだが、ゴールデンウィークの今日はさすがに日本人観光客のほうが圧倒的に多い。


写真に他人が写らないようにするのはほとんど不可能だ。




ローラは相変わらず愛想が悪い。

私の説明もろくに聞いていないようだ。


もしかして俺って嫌われてるのかな。

なんだか悲しくなってきた。



伏見稲荷の次は金閣寺。

京都駅から出るバスはやはり混んでいて、始発駅ですでに満車となる。

我々は運よく座ることができたのだが、周りを見渡してみると半分くらいは外国人。


このバスは観光地にしか止まらない急行バスなので、地元の人は乗っていないようだ。

どういうわけか、我々の周りにいる乗客は中国人ばかりだった。



見た目は日本人と変わらない彼女たちだったが、中国語でにぎやかに話している。

突如、その輪に加わった者がいる。

ローラだ。


「えっ? ローラ、君、中国語しゃべれるの?」


驚いていたのは私だけでなく、ローラに話しかけられた中国人の女の子たちも意外そうな顔をしている。

無理もない。

金髪で目の青い白人がいきなり中国語をまくしたて始めたら、誰だって面食らう。


モニカは台湾に住んでいるというのは知っていたが、実はこのローラも台湾で英語の先生をしているのだそうだ。

台湾に住むようになってまだ半年ほどだというが、ローラは流ちょうな中国語をあやつる。

中国語の勉強を始めたものの、その発音の難しさにほとほと困り果てている私からすれば、彼女の中国語はまぶしく見えた。

イギリス人の彼女にとって漢字はまるで暗号のように見えることだろう。

だが、日常的に漢字を使っている日本人にとって、中国語を学ぶのにそれほど抵抗はないはずだ。


「もう一度中国語を勉強してみよう」

白人の口から猛烈な勢いで繰り出される中国語を聞きながら、私はそう決意した。





金閣寺を観光する前に、寿司を食べた。

彼女たちは寿司が大好きらしく、すでに築地でも食べているらしい。

築地の寿司を食べた後に回転寿司に連れていくのも気が引けたが、モニカたちは一向にかまわない。

タッチパネルで注文した品が、コンベアに乗って「びゅーん!」と飛んでくる様子を嬉々としてビデオに収めていた。


あれほど愛想の悪かったローラも、今では積極的に私に話しかけてくるようになっている。

今まではただお腹がすいていただけなのかもしれない。

寿司を食べ終わって満足したのか、ローラは堰を切ったように私に向かってしゃべり続けた。

いつまでたっても終わらない会話にしびれを切らし、

「いつまでしゃべるつもり? そろそろ行かないと金閣寺が閉まっちゃうわよ」

とモニカが苦言を呈したほどだ。


あまりのローラの豹変ぶりにびっくりしたが、こういうサプライズなら大歓迎だ。





最後にモニカはおみやげをくれた。

台湾のパイナップルケーキだ。

台湾の定番のおみやげらしいのだが、これがまたうまい!

一気に全部たいらげてしまった。








思えば前回台湾を訪れてからもうずいぶんと時間が経つ。

今はピーチも就航して、驚くほど安い値段で台湾まで行くことができる。

また夜市で屋台のはしごをしたいな。


いや、その前にまだ見ぬ土地、スロバキアが先か。

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女神に座禅を妨害される

ヴィーナス(アメリカ)とカウチサーフィン(CouchSurfing)


今回のゲストはアメリカから。

やはりアメリカ人の英語はかっこいい。

テンポよく繰り出される英語についていくのは大変だが、頭の良い人の話す英語はカツレツがはっきりとしているので、なんとか食らいついていくことができる。

そういう人と話していると、自分の英語力がメキメキと上がっていくような気がして、なんだかうれしくなってしまう。



彼女の名はヴィーナス。

名は体を表すというが、彼女はまさしくヴィーナス(女神)だった。

その理由は・・・



ヴィーナスはアメリカ生まれのアメリカ育ちだが、彼女の両親は中国系ベトナム人。

CPA(公認会計士)らしく、その思考法はとても合理的。

話し方から彼女の知性がうかがえる。


だが、けっして面白みのないガリ勉タイプではなく、週末の夜は朝までクラブで踊りまくったり、

コンサートで絶叫したりと、なかなかアクティブな一面も併せ持つ。

日本でもサマーソニックに参加するのだそうだ。


そんな彼女は意思表示もはっきりしていて、およそ遠慮というものを知らない。

「あっ、バナナ。私これ好きなの。ちょうだい!」

私が返事する間もなく、台所に置いてあったバナナをパクっとくわえる。



男との別れ方も豪快だ。

「私、仕事を辞めて、旅に出ることにしたから」

たったその一言だけで、8年間も付き合った彼氏のもとを去っていったヴィーナス。

「8年もつきあった彼氏と、そんなに簡単に別れられるものなの?」

驚いた私が彼女にそうたずねると、ヴィーナスはちょっと不思議そうな顔をした。

まるで、「何を言ってるの、この人は?」とでも言いたそうな表情だ。


「だってしょうがないじゃない。私の旅は長いものになりそうだし、彼には自分のキャリアを追及する必要があるんだから」

ヴィーナスの元彼も会計士で、社会的地位や会社での責任がある。

そう簡単に長期間の旅になど出ることは不可能だろう。


合理的思考もつきつめるとこのようになるのだろうか。

なんだか彼女という人間に興味がわいてきたので、いろいろと質問を浴びせたら一喝されてしまった。

「なにそれ? さっきから私の話ばっかりしてる。なんだか面接を受けてるみたい」


一緒に外へ夕食を食べに行った。

お好み焼きは先週も他のカウチサーファーと食べに行ったばかりだが、ここ嵐山には他に選択肢がほとんどない。

お好み焼きは私の好物だから問題はないのだが、なかなか食べることに集中できない。


というのも、ヴィーナスはかなりの巨乳の持ち主で、それを誇示するかのように胸元がくっきり強調されたシャツを着ているのだ。

そんな状況で「見るな」と言われてもそれは酷というものだろう。





ヴィーナスの両親はふたりとも中国系ベトナム人。

いったい何を食ったらそんなにダイナマイトなボディになるんだ?

目のやり場に困るじゃないかよ。

アジア人のDNAを受け継いでいたとしても、アメリカナイズされた生活を送っていればこうなるのか。




気取られないようにじゅうぶん気をつけていたつもりだが、私の視線にヴィーナスは気づいたのかもしれない。


「私、明日はお寺で座禅をするんだけど、マサト、あなたも一緒に来た方がいいんじゃない?」


はい、そのとおりです。

お坊さんに喝を入れてもらって、煩悩をしずめる必要が私にはありそうです。



ところで、ヴィーナス。

君はその格好で座禅をするつもりなのか。

そんなに胸元の大きく開いた服装で来られたら、

他の参加者は気が散って瞑想どころじゃなくなるじゃないかよ。





というわけで、やってきました妙心寺。




ここの境内は広く、たくさんのお寺の集合体となっています。




あまりの広さに、道に迷ってしまいました。

ウロウロして別のお寺の敷地の中に入ってしまうと、

「勝手に入ってもらったら困るんやけど」

とお坊さんに注意されてしまいました。





やっとのことでお目当てのお寺に到着。




今日お世話になるのはここ、春光院です。

ここの住職はアメリカ留学の経験があるそうで、英語で座禅の教室を開いています。




ここが瞑想の間。




しばらくすると、他のお客さんでいっぱいになりました。

私を除く、全員が外国人です。


それもそのはず、ここは英語で座禅を行う、特殊なクラスなのです。

普通、日本人は来ません。




今日は参加者が多かったため、部屋に入りきれません。

そこで急きょ、瞑想の場所を縁側に移すこととなりました。

日本庭園を眺めながら座禅するのもなかなか風情があっていいものです。




住職さんが英語で丁寧に座禅の仕方を教えてくれました。

しかし、未熟者の私はまだまだ悟りの境地に達することはできません。

うつらうつらと居眠りをしてしまいました。

それも、夢をみるくらいに深い眠り。

もちろん夢の中にはヴィーナスのダイナマイトボディがでてきましたよ。

神聖なお寺で、崇高な座禅をしながら居眠りをして、みだらな夢にふける私。

この背徳感がたまりません。


本来ならここで、お坊さんに

「喝っ!」と叫ばれて棒で肩をたたかれるべきなのですが、

ここにはそういうサービスはないようです。

残念。





住職のありがたいお話(もちろん全て英語)を聞いた後は、自由にお寺の中を見て回ることができます。




このお寺には文化的に貴重なものや、歴史的に重要なものがたくさんあります。




それにしても外国人ばっかりだなあ。




最後にお茶とお菓子のサービスがありました。

2000円もだしたのにこれだけかよ。

と毒づいたりしてはいけません。

ここには修業に来たのですから。




まだまだ煩悩を捨て去ることができない私は、一人居残り、瞑想の自主練に励みました。


ヴィーナスはこの後、大阪へ花火大会を見に行き、私の部屋に戻ってきたのは深夜遅くなってからでした。

そして翌朝早くに広島へと出発。

その後はまた大阪へ戻り、そこからピーチ航空で沖縄へと飛ぶそうです。


なかなかいそがしい女神だな。

きっと彼女は沖縄のビーチで、男どもの視線をくぎ付けにするんだろうな。


座禅中もそんなことばかり考えている私は、まだまだ修行が足りんようです。

テーマ : 京都旅行
ジャンル : 旅行

推しメンはだれ?

先週にひきつづき、今週のゲストも中国から。

といってもニナはスロベニア人だったが、今度は本物の中国人だ。


彼の名前はソングリン。


正直に言って、私は中国人に対してあまりいいイメージはもっていない。

なぜだろう。

べつに中国人にひどい目に遭わされたとか、そんなことはないというのに。

マスコミの影響かな。



だがカウチサーフィンをするようになってから、これまでに数人の中国人と過ごす機会があった。

彼女たちはみな親日的で、礼儀正しく、一緒にいて心地よかった。

これまでいだいてきた中国人のイメージからあまりにもかけ離れていたため、

「おや?」と思ったほどだ。



だが今回のゲストは男。

これまでのように友好的なムードとはいかないかもしれない。

尖閣諸島の議論とかふっかけられたらどうしよう。


すこしビビりながら彼を迎えた。




(右がソングリン)


ソングリンは中国は四川省成都の出身。

この前うちに泊まったニナも成都に住んでいる。

そういう偶然もあるのだな。


ニナから成都の話はたくさん聞かされていたので、ソングリンとの会話もスムーズにいった。

複数の人間から違う角度でいろんな情報をもらえたので、今では私はちょっとした成都通になった気分だ。

ニナからもらったパンダのキーホルダーをソングリンに見せたら、「おおーっ」と喜んでいた。

その外観からは想像できないくらい彼は人懐っこい。


中国人って実はいい奴が多いのかもしれない。



カウチサーフィンを利用して日本に来る人間は、やはり普通の中国人とは違うのかな。

日本が嫌いなら日本人の家に泊まろうとは思わないだろうし、そもそも日本に来ようなどとは思わないだろう。


さらにソングリンはアメリカの大学院に通っている。

しかも誰もが名前を知っている有名大学。

こう見えてかなりのインテリなのだ。





ソングリンはおみやげをくれた。

日本でもおなじみのこのお菓子も、中国語表記になってるとなんだか印象が違ってくるから不思議だ。




彼はさらにチョコレートもくれた。

ベルギーと書いてあるが、メイドインチャイナだ。


「中国製だけど安心して食べれると思うよ」

中国産の食品は外国では評判が悪いということも、彼はちゃんと知っているようだ。



このソングリン、大の日本ファンなのだ。

今回の日本旅行に大いに感動し、

「もう中国には帰りたくない!」

とまで言っている。



「日本人が中国人のことをあまりよく思っていないのは知っている。

 俺も中国人が嫌いだ。

 このまま日本に暮らしたい」


うーむ、日本ってそんなにいい国かな。

それとも中国がひどすぎるのだろうか。



だが、ソングリンの話をよく聞いてみると、彼が日本好きなのにはちゃんとした理由があった。

日本の女の子が好きらしい。

どうやら本気で日本人の彼女をつくろうとしているようだ。


「日本の女の子は中国人の男のことをどう思っているんだ?」

うーん。いっとき韓国がブームになってたことはあったけど、中国人の男が人気があるという話を聞いた記憶はないなあ。



「どうやったら日本人の女の子を彼女にできる?」

日本人の女の子の彼女がいない俺に聞かないでくれ。




もちろんソングリンは日本のアイドルも大好き。

特に彼のお気に入りは倉木麻衣とAKB48.


「まさと、君の推しメンはだれ?」

いやいや、俺もAKBのファンだという前提で話をしないでくれ。


中国でもAKBはかなり人気で、ファンは普通に「推しメン」という日本語を使っているそうだ。

日本の文化が世界に広まっていくのは喜ばしいことだが、なぜだか素直によろこべないのはどうしてだろう。



もちろんソングリンは東京では秋葉原にも立ち寄った。

メイドカフェには感激したようだ。


「まさと、君は週に何回メイドカフェに通ってるんだい?」


日本人の男がみんな毎週メイドカフェに入り浸っているわけではないということを

どうすれば彼に理解してもらえるのだろうか。


テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行

You are my hero

スロベニアという国をご存じだろうか。

イタリア、オーストリア、ハンガリー、クロアチアに囲まれた小さな国で、ふだん、テレビのニュースなどではまずお目にかかることのない名前だ。

私は以前、ヨーロッパを旅行したときにたまたまこの国を訪れたのだが、それまでこの国の存在を知らなかった(あるいはスロヴァキアと混同していた)。

なのでスロベニアには1泊しかしなかったのだが、今ではとても後悔している。

山と湖に囲まれたこの国は、とても美しい。

城とドラゴンにも魅了された。

そしてなにより、人の温かさに感動した。

その時の様子は→こちら

スロベニアの首都、リュブリャナでお世話になったホストには、感謝してもしきれない。

もう一度彼らに会うために、私はまたこの国を訪れようと思う。


このように、私にとってスロベニアという国には良いイメージしか思い浮かばない。

だからこの国から来たカウチサーファーは無条件で受け入れたいくらいだ。


ところが、この小国は人口も少ない。当然、日本を訪れるスロベニア人の数もそれほど多くはない。

だから過去に私の部屋に泊まったスロベニア人はたったの一人。

ちょっとさみしい。



そんなある日、ニナという女性からカウチリクエストをもらった。

住所が中国になっていたので、最初は中国人かと思っていたのだが、写真を見るかぎり、どう見てもアジア人のようには見えない。

カウチサーフィンのプロフィールをよく読んでみると、彼女はスロベニア出身だということが判明した。

もちろんすぐさま彼女のリクエストをOKしたのだが、このニナはあらゆる意味で私のスロベニアに対する印象を根底から覆してくれた。





スロベニアの大学で中国語を専攻したニナは、現在、中国に住んでいる。

「どうして中国語を勉強しようなんて気になったんだい?」

「ほんとはフランス語やイタリア語を勉強したかったのよ。

 でも私の成績じゃあそれらの学部に入学することはできなかったの。

 それでしかたなく中国語を選んだってわけ」

なんだか消極的な動機だなあ。


そんな彼女も中国に暮らすようになってからはや数年。

今ではネイティブなみに中国語を操ることができる。


英語だってなかなかのものだ。

実は彼女は中国では英語の教師をしている。


教える場所はさまざま。

大学や高校など、主に教育機関が彼女の職場だが、たまには少し毛色の違った場所もある。


以前彼女は中国の航空会社のパイロット養成所の英語教官をつとめたことがあったという。

「でもね、わたしすぐにそこをやめちゃったの」

「どうして?」

「だって生徒がみんなバカばっかなんだもん」

「でも航空会社のパイロットなんてみんなエリートだろ。

 そんな彼らがバカということはないと思うんだけどな」

「それがとんでもない大馬鹿なのよ。

 中国が一人っ子政策をとってるのは知ってるでしょ?
 
 その影響で子どもたちはみんな甘やかされて育ってるのよ。

 だから私の言うことなんて聞きやしない。

 授業中もずーっと私語が飛び交っていて、とても集中して勉強できる環境じゃなかったのよね」


話を聞いていると、どうもニナは中国人のことがそれほど好きではないようだ。


彼女がバスに乗っていた時のこと。

若者のグループがニナのことについて悪口を言っていた。

「ヘンな外国人」だとか「デブ」だとか。

まさか彼らはニナが中国語を理解できるとは思っていない。

だが彼らの会話はすべて彼女につつぬけだった。

ニナは皮肉たっぷりに言い返す。

「ちょっとあんたたち、デブで悪かったわね。悪いけど私、中国語ペラペラなのよ」



ニナは中国の四川省で暮らしているのだが、昼間英語講師をしているだけでなく、夜はラジオやクラブのDJもやっているらしい。

そのクラブには大勢の欧米人が訪れるのだが、その欧米人目当ての中国人女性もたくさんやってくる。

彼女たちは白人男性を物色しては、夜の街に消えていく。

「どうしてアジア女性はヨーロッパ男性があんなに好きなんだろうね」

とニナはなげく。

ニナ、その意見には俺もはげしく同意するよ。




テーブルの上に目をやったニナは突然絶叫した。

「ねえマサト。なんであなたがこんなもの持ってるの?」



彼女が指さしているのはキーホルダー。

リュブリャナ名物のドラゴンの写真がプリントされている。

スロベニアを訪れた時に、カウチサーフィンのホストが私にくれたものだ。



「うそでしょ。まさかこんなところでこんな物に出会うなんて!」

ニナはえらく感動している。

無理もない。

スロベニアという国自体を知らない人も多いのだ。

リュブリャナを訪れ、おまけにそのキーホルダーを持ち歩いている日本人に遭遇する確率はかなり低いのではないだろうか。


「あなたは私のヒーローよ!」

カメラを取り出したニナはリュブリャナのキーホルダーの写真をバシャバシャと撮っていた。

あとでフェイスブックにでも投稿するつもりなのだろう。







ニナのくれたおみやげ。

彼女は今、中国の四川省に住んでいる。

成都といえば、やはりパンダ。




こちらはチベットのおみやげ。

成都はチベットに近く、チベット観光の拠点にもなっているそうです。


いろいろと制約の多いチベット旅行ですが、一度は行ってみたいものです。

ニナは

「成都に来たらぜひうちに寄ってよ。案内してあげるから」

と言ってくれます。

彼女が中国にいる間にぜひとも訪れてみたいものです。




ちなみにニナはアフリカのナイジェリアに暮らしていたこともあるそうです。

彼女はこの国でよほどひどい目に遭ったらしく、ことあるごとにナイジェリアの悪口を言っていました。


私はアフリカにはまだ行ったことはありません。

どこもいっしょだと思っていたのですが、彼女によるとまったく違うそうです。


ある日ニナはナイジェリアから、隣国のベナンに旅行にでかけました。

ナイジェリア側の税関検査で彼女は係官からワイロを要求されます。

発展途上国ではよくある光景ですね。


ところがこのナイジェリアでは、何人もの係官が国境ゲートで待ち構えているのです。

一人にワイロを渡すだけでは出国させてもらえません。




それとは対照的に、ベナンの人々はおっとりとしていて、みんなとても親切にしてくれます。

国境審査官のチェックも甘く、ニナをすんなりと入国させてくれました。

もちろんワイロなんて要求されません。



しかし、この時彼女はうっかりしていて、ビザを持たずにベナンに入国してしまったのです。

これは記録上は不法入国にあたるので、当然ナイジェリアに再入国する際にひっかかりました。

しかもナイジェリアの係官は底意地が悪い。

ここぞとばかりにべらぼうなワイロを要求してきました。



この時よほどいやな思いをしたのでしょう。

彼女は私に忠告してくれました。

「マサト、もしもあなたがアフリカに行くことがあったとしても、ナイジェリアだけはやめておきなさい」

しかし、そう言われると余計に行きたくなるものなんだよなー。




実はニナには彼氏がいます。

それもナイジェリア人の。

おいおい、言ってることとやってることがちがうじゃないかよ。






テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行

ラテン女の口説き方

私の場合、ほとんどのカウチリクエストはヨーロッパやアジア諸国からのものに偏っている。

アフリカや中東からのものはほとんどない。

南アメリカからはごくわずか。


近い将来、南米諸国にはぜひ行ってみたいと思っているので、これらの国々からのカウチサーファーは大歓迎なのだが、なかなかそのチャンスがない。

そんなところへセバスチャンからメールが届いた。

カウチリクエストの文面には私の名前は書いていないし、プロフィールも読んでなさそうっぽい、典型的なコピペ・リクエストだが、この際大目に見るとするか。



(左:アレックス(ギリシャ)、右:セバスチャン(コロンビア))

前回に引き続き、今回も男性二人組。

この間の大男二人には、その体格の大きさで圧倒されてしまったが、今回の二人は標準サイズ。

とはいえ、アレックスは私より背が高いのだが、この前の筋肉ムキムキ男に比べれば、その存在感はかなり希薄。

なんだか少しホッとした。


彼らは現在、中国に留学中。

寮のルームメイトらしい。


普段、漢字に囲まれて暮らしているだけあって、日本での旅行にもそれほど不自由は感じないそうだ。





中国から来た彼らには物足りないかもしれないが、せっかく嵐山にいるのだから、ということで、竹林を案内した。

彼らはまだ中国では竹林を見ていなかったらしく、えらく感動していた。

とくにセバスチャンは感情をストレートに表現する。

「マサト、こいつはすげえぜ!」

頭を大きく振りながら、何度もそう言った。


それに比べてアレックスはというと、なんだか控え目。

ギリシャ人というのはもっと情熱的でおしゃべりだと思っていたのだが、彼の口数は少ない。

微笑を浮かべて友好的な空気を醸し出してはいるのだが、自分自身の意見を積極的に述べようという意思は感じられない。

表には出さないだけで、きっと彼の頭の中には哲学的表現がびっしりと詰まっているのだろう。





セバスチャンのくれたおみやげはチョコレート。

おおっ!

コロンビア産のチョコレートなるものを食べるのはこれが初めてだ。

さぞかし「熱い」味がするのだろうと期待して食べてみたのだが、

日本のチョコレートと違いはなかった。

まあ、チョコレートなんてどこのも同じか。





私が南米を旅行する際には、コロンビアは必ず訪れることになる。

中米・パナマからの玄関口となるからだ。

できるだけ空路は使わず、陸路で南米入りしたいと思っていたのだが、地図を見る限り道路が途中で消えている。

どういうことだ?


「悪いことは言わん、マサト。素直に飛行機を使え。」

セバスチャンは例によって大げさな身振りで私の計画に反対した。

「道はないことはないが、ジャングルを通ることになる。陸路国境が外国人に開かれているかどうかもわからん。

それになにより、時間がかかる。ツーリスト・バスはおろか、地元民用の定期バスだってないから、自分で車を捕まえなきゃならん。

いったい何日かかるかわからんぞ。

どうして飛行機じゃだめなんだ? 空だとあっという間だぞ。」



やはり陸路でのコロンビア入りは難しいのだろうか。

ジャングルの中には麻薬シンジケートの兵隊がいそうでちょっとこわい気もする。



ずいぶん前の話だが、ニュースでコロンビアのことをやっていた。

麻薬組織が警察署を襲い、包囲していた。

多大の損害をだした警察側はついに犯罪者集団に降伏してしまった。

なんと、警察官が白旗をあげてギャングに投降していたのだ。


その映像を見た私の脳裏には、今でもそのイメージがつきまとっている。

「恐ろしい国、コロンビア」



その話をセバスチャンにすると、彼は口をとがらせて抗議した。

「いったい何年前の話をしているんだ、マサト。

 俺たちの国ほど平和で美しいところはないんだぜ。

 だが、ベネズエラだけは気をつけな。

 あそこはほんとにヤバい。

 どうしても行きたいっていうんなら、たっぷりと保険をかけてからにするんだな」


いや、ベネズエラにももちろん行くんですけど・・・



セバスチャンに「地球の歩き方」を見せながら、コロンビアについていろいろと教えてもらったのだが、

この本に載っている情報は驚くほど少ない。


「たったこれだけ?

 こんなんじゃあコロンビアを見たことにはならないぜ。」


セバスチャンは自分の国は安全だというが、地球の歩き方はそうは書いていない。

日本人観光客にはまだまだ敷居の高い国なのだろう。



だが、ガイドブックには、

「コロンビア女性は世界一美しいといわれている」

とも書いてある。


そのことをセバスチャンに告げると、彼はニヤリと笑いながらこう言った。

「たしかにその通りだ、マサト。

 だがな、生半可な気持ちでいたら大けがするぜ。

 コロンビア女を口説くには命懸けだ。

 ラテン女をものにするには相当なエネルギーが必要なんだぜ」



セバスチャンには国もとに彼女がいる。

彼はその彼女としょっちゅう電話をしている。

食事中はもちろん、道を歩いている時や歯を磨いている時、片時も携帯電話を離さない。

大きな声のスペイン語でまくしたてている。

よくもまあ話すことが尽きないもんだと感心してしまうくらいに話し続けている。


シャワーを浴びながらも彼女と会話しているのを見た時にはさすがにあきれた。

お互い地球の裏側にいる時ですらこんなに騒々しいのだ。

実際に会って会話している時の彼らはきっとすさまじいくらいに怒鳴り合っていることだろう。


口下手な私には、コロンビア女性と付き合うのは無理なようだ。

テーマ : 恋愛
ジャンル : 恋愛

すっぽん鍋は眠らない

(カウチサーフィン、シンガポール)




駅で見かけたポスターを見て喜ぶメイサン。

日本の痴漢は世界中でその悪名をとどろかせているようです。

そういう輩はどの国にもいそうなもんだけどな。日本だけなのか?


いずれにせよ、痴漢よりもメイサンの顔の方がよっぽど怪しいぞ。




「日本のおいしい料理が食べたい」というお父義さんの要望にお応えして、先斗町へとやってきました。




そこでメイサン父子の目に止まったのがこののれん。

「これはすっぽんといって、食すると精力が高まっちゃう危険な食べ物なんですよ」と説明すると、

「おお、いいねえ。ここにしよう」と大盛り上がりの親子。

いったいなにをそんなにはしゃいでいるのか。

ほんとに私の言ってることを理解してるんですかねえ。




もちろんここでもメイサンのお父さんの3Dビデオカメラがさく裂。

どこまで行っても怪しいおじさんです。




この3Dビデオカメラ、録画した映像をすぐにその場で確認できるというスグレモノ。

ちょっと見せてもらいましたが、あまり立体感を感じることはできませんでした。

やはり大画面のテレビで見ないと迫力はないそうです。




いよいよメインディッシュ、すっぽん鍋がやってきました。

私もこれを食べるのは今日が初めてです。

しかし、値段の割には、具はとても少ない。

これだけではとてもお腹はふくれそうにありません。

まあ、おなかいっぱいになるために食べるものじゃないんでしょうけど。




メイサンのお父さんはしきりに私にすっぽん鍋をすすめてきます。

「ほらほら、もっと食え食え」

そう言って、すっぽんの肉を私のお椀に次々とよそってくれるのです。

すべての具を食べ終わっても、スプーンでスープをすくっては、私のおわんへと注いでくれます。最後の一滴まで。


いやいや、お父義さん。

お気持ちはありがたいのですが、そんなにすっぽんを食べさせられたら精力絶倫になっちゃうじゃないですか。

どんなに気持ちがたかぶっても、あなたが娘さんと一緒にいるかぎり、何も手出しできないんですけど。

はっ!

もしかしてこれは、「親公認」ということなのだろうか。

などと甘い幻想を抱いていたのですが、お父さんが一緒の部屋にいるんじゃねえ・・・



夕食を終えた帰り道、先斗町を歩いていると、何人かの人が路上でパフォーマンスをしていました。

足を止めてメイサン父子が中国語で会話していると、そのパフォーマーも中国語で話しかけてきました。

彼はどうやら中国出身のようです。

しばらく中国語でやり取りした後、メイサンのお父さんはポケットから小銭を取り出して、パフォーマーの前に置かれていた空き缶に投げ入れました。

続いてメイサンも、なんと1000円札を空き缶に放り込みます。


現在、東南アジアには大勢の中華系の人たちが住んでいますが、彼らの祖先はビジネスチャンスを求めて中国から渡ってきた人たちです。

きっと現在の経済的繁栄に至るまでは、苦難の連続だったことでしょう。

異国の地で生き延びるためには、お互いに支え合う必要もあったにちがいありません。

そのせいか、中華系の人たちの団結力には目を見張るものがあります。

中国からはるばる日本にやって来て、小銭を稼ぐために路地裏で大道芸を披露している同胞を見て、メイサン親子は手を差し伸べずにはいられなかったのでしょう。

中華系の人々の、意外な一面を見たような気がしました。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・

すっぽんの効果はすさまじい。

その夜はなかなか眠りにつくことができなかった。

ウトウトしても、すぐにまた目がさめてしまう。

すぐ隣の部屋ではメイサンが寝ている。

そしてそのまた隣には彼女のお父さん。

もんもんとした気持ちを抱えながら、眠れぬ夜を過ごす私。


いったいなんのための「すっぽん」だったんだ?



テーマ : 京都旅行
ジャンル : 旅行

カウチサーフィン(CouchSurfing)とは?

CouchSurfingKyoto

Author:CouchSurfingKyoto
.カウチサーフィン(CouchSurfing)とは。

日本に観光に来た外国人の宿として無償で自宅を提供し、国際交流を深めるというカウチサーフィン。

また、自分が海外に旅行に行く時には、現地の一般家庭に泊めてもらい、その土地に住む人々の生の暮らしを体験することだってできてしまいます。

ここは、そんなカウチサーフィンの日常をありのままにつづったブログです。

「カウチサーフィンは危険じゃないの?」
そんな危惧も理解できます。
たしかに事件やトラブルも起こっています。

なにかと日本人にはなじみにくいカウチサーフィン。

・登録の仕方がわからない
・詳しい使い方を知りたい
・評判が気になる

そんな人は、ぜひこのブログをチェックしてみてください。
きっと役に立つと思います。

最後に。

「カウチサーフィンを利用すれば、ホテル代が浮く」

私はこの考え方を否定しているわけではありません。
私もそのつもりでカウチサーフィンを始めましたから。

しかし、カウチサーフィンは単なる無料のホテルではありません。
現在、約8割のメンバーはカウチの提供をしていません。サーフのみです。

だって、泊める側にはメリットなんてなさそうですものね。

「自分の部屋で他人と一緒に寝るなんて考えられない」
「お世話したりするのってめんどくさそう」

時々私はこんな質問を受けることがあります。

「なぜホストは見知らぬ人を家に招き入れるのか?」

それはね、もちろん楽しいからですよ。

自己紹介
プロフィール


こんにちは。
京都でカウチサーフィン(CouchSurfing)のホストをしている、マサトという者です。
ときどきふらりと旅にも出ます。
もちろん、カウチサーフィンで!


(海外)
2011年、ユーレイル・グローバルパスが利用可能なヨーロッパ22カ国を全て旅しました。
それに加えて、イギリスと台湾も訪問。
もちろん、これら24カ国全ての国でカウチサーフィン(CouchSurfing)を利用。

2012年、東南アジア8カ国とオーストラリアを周遊。
ミャンマーを除く、8カ国でカウチサーフィンを利用しました。

2013年、香港、中国、マカオをカウチサーフィンを利用して旅行。 風水や太極拳、カンフーを堪能してきました。

2014年、侍の衣装を着て東ヨーロッパ20か国を旅行してきました。


(日本国内)
これまでに京都で329人(53カ国)のカウチサーファーをホストしてきました(2013年6月25日現在)。

もちろん、これからもどんどんカウチサーフィンを通じていろいろな国の人と会うつもりです。



カウチサーファーとしてのカウチサーフィン(CouchSurfing)の経験:


オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、スロヴェニア、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、台湾

シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、タイ、ミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナム

香港、中国、マカオ

スロヴァキア、ポーランド、リトアニア、ラトヴィア、エストニア、ベラルーシ、ウクライナ、モルドヴァ、沿ドニエストル共和国、ルーマニア、セルビア、マケドニア、アルバニア、コソヴォ、モンテネグロ、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、リヒテンシュタイン


ホストとしてのカウチサーフィン(CouchSurfing)の経験:


アイルランド、アメリカ、アルゼンチン、イギリス、イスラエル、イタリア、イラン、インド、インドネシア、ウクライナ、エストニア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、クロアチア、コロンビア、シンガポール、スイス、スウェーデン、スコットランド、スペイン、スロヴァキア、スロヴェニア、タイ、台湾、チェコ共和国、中国、チュニジア、チリ、デンマーク、ドイツ、トルコ、日本、ニューカレドニア、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、ブラジル、フランス、ベトナム、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、香港、マダガスカル、マレーシア、メキシコ、モルドバ、リトアニア、ルーマニア、ロシア



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