ルクセンブルク

ルクセンブルグでのホスト、サンドラ。
彼女の職場の近くのレストランにて。
サンドラはいつも笑顔で私をリラックスさせてくれた。
ヨーロッパ人らしい作り笑顔っぽさが少し気になったが・・・

ヨーロッパというのは、基本的には非英語圏なんだな、イギリス以外は。
だからレストランに入っても、メニューが読めない。
もちろん、観光客が利用するレストランには英語のメニューが置いてある。
でも、やはり地元の人が利用するレストランで食事をしてみたい。
そんな私のために、サンドラは丁寧にメニューを説明してくれた。
カウチサーフィンを利用していなかったら、食事の楽しみは半減していただろう。

日本人の私から見れば、ヨーロッパの家はとても大きい。
こんな広い家に一人で住んでいるのか、サンドラは。

ルクセンブルグにはとりたてて有名な観光地というのはなさそうだ。
小さな国だから仕方がないか。

サンドラのアパートは閑静な住宅街の中にある。
他のヨーロッパの都市と同じく、近所にコンビニはない。
ここの住人達は、いったいどうやって暮らしているのだろう。

サンドラの家からルクセンブルグの駅まではひたすら歩いた。
特に見るべきものは無かったが、まだヨーロッパに来て日が浅い私には、
目に映る物すべてが新鮮だった。
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ブリュージュからブリュッセルには無事に着いた。
ルクセンブルグ行きの電車の出発までにはかなりの時間があったので、もう一度グランプラスを見学しようと思ったのだが、やめた。
この時間を利用して、もう一度計画を練り直す必要性を感じたからだ。
ブリュッセルからルクセンブルグへの道のりは簡単だった。
ヨーロッパの鉄道の乗り方にもだいぶ慣れて来たのかな。
(もっとも、この認識は甘かった、ということを思い知らされる羽目になるのだが)
ルクセンブルグに到着した後も時間がかなりあった。
ここでのホスト、サンドラとの待ち合わせは7時だ。
だが、いったいルクセンブルグには何があるのだろう。
特に行きたい所も思いつかなかったので、またもや休憩することにした。
のんびりすることも大切だ。
サンドラはその名前から想像できるとおり、スペイン系だ。
フランスで生まれ、ロンドンに暮らしたこともある。
ルクセンブルグにはEUの機関がたくさんあるが、彼女もそのうちの一つに勤めている。
娘さんはフランスの大学の医学部に通っているとか。
頭のいい家族らしい。
サンドラの車でレストランに向かう。
ルクセンブルグらしい料理が食べれて、なおかつ安いお店らしい。
だが、実際にレストランに来てみると、バックパックを担いだ私にはそぐわない、高級そうなお店だった。
ここの支払いは私がもつつもりだったので、かなり焦る。
メニューは全てフランス語。
30分くらいかけて、サンドラに全部の料理を説明してもらった。
ルクセンブルク特産のワインとサラダ、それに魚料理を頼んだ。
どれもおいしい。
栄養不足にならないように、すべてきれいに平らげた。
そんな私を哀れに思ったのか、サンドラはパンを追加で注文してくれた。
料金は約35ユーロ。
恐れていたほどではない。
ヨーロッパに来てから、私の食生活は豪華になった。
もう少し倹約すべきかな。
サンドラの家の洗濯機を使わせてもらうことにした。
この旅に出て以来、初めての洗濯だ。
毎日移動していると、なかなか洗濯するチャンスがない。
洗濯が終わるまでの間、彼女の車でルクセンブルク市内をドライブすることにした。
この街はそれほど派手ではないが、ヨーロッパが初めての私にとっては見る物全てが新鮮だ。
彼女の職場は高台にあり、ヨーロッパ地区と呼ばれている。
国連やEUのオフィスが密集しているからだ。
ここからの夜景は素晴らしい。
近代的なオフィスビルに混じって、巨大なコンサートホールが建っている。
なんでも、日本の著名な建築家がデザインしたのだとか。
そのコンサートホールの隣には、中世の要塞の後が残っている。
なかなか壮大な眺めだ。
彼女はその後もルクセンブルク市内の主な見所を案内してくれた。
主要な場所はほとんど全て見せてもらったので、明日はノンビリできそうだ。
車を運転しながら、彼女はあくびを連発する。
もちろん彼女は明日も仕事がある。
なんだか悪いことをした。
途中、のどが渇いたので自動販売機でジュースを買った。
ヨーロッパにきてつくづく感じるのは、自動販売機やコンビニが極端に少ないということだ。
たしかに、中世の面影を残す街にコンビニがウジャウジャあったらイヤだけどね。
サンドラの娘さんの部屋を使わせてもらうことになった。
インターネットも使えるのだが、恐ろしく遅い。
Facebookに写真をアップするのに数時間?かかってしまった。
翌朝、彼女の出勤時間に合わせて8:30に家を出る。
サンドラと一緒にバスに乗ったのだが、乗り方が日本とは違う。
彼女がいなかったらどうなっていたことやら。
バスの乗り換えポイントで降り、彼女と別れる。
短い間だったけど、有意義な時間を過ごせたと思う。
さて、これからはまた一人だ。
例によって方向感覚がまったくつかめない。
自分がどっちを向いているのかわからないのだ。
太陽の位置を確かめようにも、どんよりと暑い雲が垂れ込めている。
そういえば、ヨーロッパに来てからほとんど毎日曇り空だな。
バスを使えばルクセンブルクの駅まではすぐなのだが、あえて歩いた。
この国には短い間しかいれなかったので、自分の目にこの風景を焼き付けておきたかったからだ。
ルクセンブルクの駅で、自分の乗る電車を確認する。
もう大丈夫だ。
私はヨーロッパでも生きていける。
待合室でしばらく時間をつぶす。
次なる目的地、ライン川に思いを馳せる。
さて、そろそろ時間だ。
行こうか。
あれ?
私の乗る電車はどこだ?
電光掲示板を見てもどこにも載っていない。
ちゃんと確認したのに。
駅のインフォメーションセンターに走る。
長蛇の列だ。
しばらく待ってやっと私の番が来た。
「あなたの電車は7ABのホームよ。
あと2分だから急いで」
重いリュックを揺らしながらひた走る。
なんでこんなことになったんだ。
やっぱり私にはまだまだヨーロッパの敷居は高いらしい。
なんとか電車に乗ることはできた。
あとはコブレンツまで乗り換えなしで行ける。
やれやれ、助かった。
テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
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