シモン(ベルギー)

最近立て続けに親日的なヨーロッパ人が家に泊まりにきている。
わざわざ日本に旅行に来るくらいだから彼らが日本に対して好意を持っているのは当然と言えば当然なのだが、
それにしても彼らの「日本大好き」さは度を越している。
もちろん、日本人の私にはうれしいことなのだが。
シモンが最初に電話をかけてきた時、受話器からは流暢な日本語が聞こえてきた。
もともと彼はベルギーで日本語を習っていた。
大学での専攻は「アジア学」。
日本の歴史や文化については私よりも詳しい。
「○○寺ってたしか明治天皇ゆかりのお寺ですよね」
「えーっ!建仁寺って祇園の隣にあるんだー。ここは曹洞宗にとってとても大切なお寺なんだよね」
なんだ?
シモン、自分の知識を自慢してるのか?
彼は京都に来る前に東京で3カ月間ほど暮らしている。
だから彼の日本語は教科書的ではなく、とても自然だ。
「スゴイ!」
「ホントニー? マジデ?」
シモンは故郷に帰ったら日本語の教師になりたいそうだが、
生徒にどんな日本語を教えるつもりなのだろう。
心配になって来た。
シモンも空手を習っていて、碁もたしなむという。
今朝まで家にいたヤレクの事を話したらとても会いたがっていた。
ポーランド人のヤレクとベルギー人のシモンが碁の対局をしているところを想像すると
思わずニヤけてしまう。
シモンはベルギーのゲントからやって来た。
私はブルージュに行ったことがある、という話をしたら、ブルージュとゲントの写真を見せてくれた。
ブルージュとゲントはすぐ近くなのだ。
彼の写真を見ているうちに、またヨーロッパに行きたくなってきた。
翌朝、目が覚めると雪が積もっていた。
シモンはそわそわして落ち着きがない。
雪に覆われた銀閣寺の写真を撮りたいのだとか。
「ごめん、マサト。
雪が溶ける前に写真を撮りたいから、僕はもう行くよ。」
そう言ってさっさと出発してしまった。
シモンが私の家に泊まったのは1泊だけ。
それでも彼はすぐにカウチサーフィンのサイトにレファレンスを書いてくれた。
それを読むと
「マサトってどんだけすごい奴なんだよっ!」
とツッコミたくなるような内容だ。
ほめてくれるのはうれしいのだが、ちょっと恥ずかしいぞ。
テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行