カウチサーフィン(CouchSurfing)と愉快な仲間たち

You're beautiful, it's true.



ここのところ、メイサンはずっと髪を伸ばしていた。
赤道直下のシンガポール。
年中常夏のこの国で、こんなに長い髪型だとさぞかし暑かろうに。

学生のころは長く伸ばしていたそうだが、最近はずっと短めのヘアスタイルで通していた。
私がカウチサーフィンを通じてメイサンと出会ったのは2年ほど前で、その時にはすでにショートヘアになっていたから、
彼女がこれほど長く伸ばしているのを見るのはこれが初めてだ。

彼女の性格は男勝りで活発なイメージがあるから、短めの髪型は実によく似合っていたと思う。
でも、この長い髪も悪くない。


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後ろから見た図。

なんだ?
もしかして初音ミクにでも影響されたのか?

そういうのを見ると後ろから引っ張りたくなるからやめてくれ。
と言いたかったのだが、残念ながら、そんな機会が訪れることはついになかった。

この写真をフェイスブックにアップした数分後、メイサンはバッサリと髪を切り落としてしまったからだ。
それも、これ以上ないというくらいに短く。


すくしょ

毎年この時期に、シンガポールのある団体がチャリティー・イベントを開いている。
がん患者のために募金を募るという趣旨らしい。

参加者が髪を切ることを宣言して決意を表明すると、その心意気に賛同した人が募金をしてくれるというシステムらしい。
メイサンがずっと髪を伸ばし続けてきたのも、このイベントに参加するためだ。
そういえばこの前に会ったとき、彼女はそんなことを言っていたっけな。

その時は彼女の話を軽く聞き流していたから、メイサンがどれだけ重大な決意を胸に秘めているのかに気がつかなかった。
せいぜい、切り落とした髪の毛をかつら会社にでも売って得た金額を募金でもするのだろう、くらいにしか思っていなかった。

だからこのウェブサイトを見た時も、「Hair For Hope」の下にある
「bold」
という文字なんて気にもとめなかった。

「bold」?
「はげ」という意味だよな。
他になにか適当な日本語訳はあったっけ。

「はげ」
メイサンとはまったく縁のない言葉だ。


チャリティー・イベントの当日、彼女はフェイスブックで実況中継をしていた。
「Ready?!」
自分の気持ちを奮い立たせるためだろうか。
この言葉を最後に、彼女は会場へと消えていった。

そして、次にアップされた写真を見た私は、戦慄を覚えずにはいられなかった。

「メイサン・・・・?
 いったい君は何をしているんだ?」

そこで繰り広げられている光景が現実のものだとは到底思えなかった。
これは彼女なりのジョークなのだろうか。
しばらくすると、また別の写真がアップされて、
「なんちゃって。びっくりした?」
とメイサンがおどける展開を期待していたのだが、そうはならなかった。
その後も次々と衝撃的な写真が公開され続けた。

もう疑問の余地はない。
これはドッキリ企画でも、トリック写真でもない。
まぎれもない現実なのだ。

この時になって初めて私は、チャリティー・イベントのウェブサイトに掲げられていた文字が誇張ではなかったことを知る。
あれはなにかのメタファーではなく、文字通り「BALD」だったのだ。









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頭を丸坊主にするメイサン。


彼女の丸坊主にした反響はかなりのものだった。
それはそうだろう。
若い女の子が、しかもこんなにかわいい女の子がバッサリと髪を切り落としたのだ。
そのインパクトは大きい。

実際、かなりの注目を集めたらしく、メイサンはほんの数十分の間にかなりの募金を集めることに成功した。
日本円にして100万円以上。
この数字は驚異的だ。

チャリティー・イベントには芸能人や著名な実業家なども参加していたのだが、メイサンが集めた寄付の金額は彼らのそれに肉薄していた。
有名人を除いた一般人の間では、メイサンがぶっちぎりのトップだ。
このイベントには大勢の人が参加していたのだが、1円の寄付も集めることができない人が大半だ。
そんななかで無名の一個人が100万円以上も集めるとは。
やるな、メイサン。


この広い世界には、美女と呼ばれる人はそれこそ星の数ほどいるけれど、
その中で、髪の毛を剃り落して寄付してしまえる女性はいったいどれだけいるだろう。
メイサン、君は本物だ。



この日のメイサンはいつになく饒舌で、よくしゃべった。
丸坊主にしたことで気分が昂揚していたのだろうか。
それともやはり、多少なりとも動揺していたのだろうか。

「この髪型いいわよ。 頭を洗うのに30秒もかからないんだから」
そうだろう、そうだろうとも。


「この髪型どう思う? 好き?」
そう問われて一瞬、言葉に詰まった。
なんと答えるべきなんだろう。

「なかなかいいと思うよ」
もっとましな言葉を探していたのだが、うまい表現が見当たらない。


「君の写真を見ていたら、あることを思い出したんだ」
「なに?」
「俺と君は似てるんじゃないかなって思ったんだよ」
「私が? あなたと? なによそれ」
「ちょっと待ってて。今、写真を見せるから」
中学生の頃の自分の写真を見つけ出し、彼女に送った。

「日本の中学生はみんな丸坊主なの?」
「昔はね。 今は違うと思う。
 これでわかっただろ。 俺と君は兄弟だ」
そう言うとメイサンは激怒していた。




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「ねえ、この髪型どう思う?」
メイサンはまた聞いてきた。
よほど気になるらしい。

でも、俺はなにも答えることができない。
隣りに他の誰かがいる今となっては、再び君と会うこともないかもしれない。

でも、これだけは真実だ。
君は本当に美しい。外見だけでなく、心も。

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テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行

いくら払えばヤラせてくれる?

カウチサーフィンは危険です。


シンガポール人のエイミーは、カウチサーフィンのヘビー・ユーザー。

「君のようなかわいい女の子なら、ホスト探しに苦労することなんてないんだろ?」

と私がたずねると、エイミーはため息をつきながら首を横に振った。

「私のように若くて魅力的な女性が一人で旅をしていると、いろいろと苦労することもあるのよ」



エイミーがイタリアを旅していた時のことだ。

フィレンツェといえば、ヨーロッパを代表する観光都市。

ホストを探すも、なかなか見つからない。


できることなら女性のホストの家に泊まりたいが、とても選べるような状況ではなかった。

そこでエイミーは仕方なく一人の男性ホストを選ぶ。

女の子が一人暮らしの男の家に泊まるのはやはり抵抗があるが、このホスト氏は何件かのポジティブ・レファレンスをもらっているから、まずは安心だろう。


このホスト氏は彼女に「とても」優しくしてくれた。

イタリア人男性にありがちなことだが、やたらとスキンシップをはかってくる。

少し不快だったが、このくらいならまあ許容範囲内かな。

寝室は別々だし、まずまず条件のいい宿泊先を確保できたといえるのではないだろうか。


安心して眠りについたエイミーだったが、事件はその夜起こった。




ギィー・・・・


夜中に彼女の寝室のドアが開く、不穏な音がしてエイミーは飛び起きた。

そこには例のイタリア人男性が立っている。


「なに?」

彼女がたずねても、彼はそれには答えず、無言のままエイミーに襲いかかってきた。


もちろん彼女は必死に抵抗する。

手当たり次第に物を投げつけたり、相手をひっかいたりしたと思うが、無我夢中だったのでいったい何がどうなっているのかわからない。

気が付いたら、部屋の隅に追い詰められていた。

リュックを振り回し、わめき続けているうちに、相手はなんとか退散した。



男が去った後、自分の置かれた状況を考えてみる。

こんな部屋で眠ることなんてできっこない。

しかし、時刻はもう深夜。

こんな時間に見知らぬ街に飛び出すのはもっと危険なようにも思えた。

仕方なくエイミーは夜が明けるまでここに踏みとどまることを決心する。


もちろん眠気なんて吹っ飛んでしまったが、布団に入って体を休めなければ体力を消耗してしまう。

あいにくこの部屋には鍵がかからない。

男の侵入を阻止するすべはない。



暗闇の中、ベッドの中からエイミーはドアノブを凝視し続けた。


ギシ、ギシ、ギシ・・・


彼女がうつらうつらしかけていた時に、またもや不吉な足音が聞こえてきた。

エイミーはドアまで走り、ドアノブを必死に抑える。

しばらく男が部屋に入ってくるのを止めさせようと苦闘していたが、ついにドアをこじ開けられてしまった。


部屋の中を逃げ回ったあげく、またもや部屋の隅に追い詰められてしまう。



このイタリア人男性、かなり気の弱い人間のようだ。

エイミーが大声でののしると、それ以上の攻撃を止めてしまう。

あきらめて引き下がっていった。



それでも彼の深夜の訪問は続く。

1時間おきにやってきては同じことを何度も繰り返した。


彼もさすがに疲れてきたらしく、最後にエイミーに向かってこう言った。


「わかった、わかった。

じゃあ、金を払うから。

いくらならヤラせてくれる? How much? 」




もともとエイミーはこの男性の家に3泊ほどするつもりだった。

だが、夜明けとともに荷物をまとめて出ていった。



このイタリア人男性、それまではポジティブのレファレンスしかなかったのに、この事件の後はネガティブを何件かつけられていた。

「君があまりにも魅力的だったからじゃないのかい?」

私がそうからかうと、エイミーはにっこりとほほ笑む。

「私は魔性の女なのよ」


「そんな危険な目に遭ったというのに、よくカウチサーフィンを続けてられるね」

「もちろん、男性の家に泊まる時には細心の注意を払っているわよ。

二人きりでいる時には、できるだけ肌の露出を控えるようにしてるしね。

ほら、今だってこんなに暑いのに、私、短パンをはいてないでしょ?」



確かに彼女は昼間、「これでもか」というくらい短いパンツをはいて、すらりと長い脚を見せつけているのだが、

私の部屋にいる時には長袖のスパッツをはいている。


ところが、これがまたエロい。

肌にぴったりと張り付いているため、骨盤から脚にかけてのラインがくっきりと見える。

下手に生足をだしているよりもよっぽど扇情的だ。


しかも上はタンクトップ。

思いっきり肌を露出してるじゃん・・・。

ブラのひもも見えてるし。



こんなものを見せつけられたら、どんな男でも欲情してしまうだろう。

彼女には悪いが、イタリア人男性に少し同情した。


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一人で旅をしている女子にはいろんな危険がつきまとうのだろう。

でもね、男性ホストにもいろいろと苦労はあるんですよ。

テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行

ただし、イケメンに限る

エイミー(シンガポール)とカウチサーフィン(CouchSurfing)


最近いろいろと理由をつけてはブログの更新を怠っているため、

かなり遅延が生じている。


エイミーが私の家にやってきたのは6月のこと。

今このブログを書いているのが12月だから、半年ほどのタイムラグが発生してしまった。

季節が逆転してしまっている。

なんだかヘンな気分だ。


でもまあ、

こたつの中で寒さに震えながら、

南国から来たエイミーとの回想にふけるのも悪くはないか。





芸者の化粧を落としたエイミーはいつものとおり身軽になった。

京都の観光をめいっぱい楽しむための臨戦態勢だ。

我々に残された時間はそれほど多くはない。

日が暮れるまで体力の許す限り東山界隈を歩きつくすぞ。

まずは八坂の塔から。


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裏側から見るとこんな感じ。

猛暑のためか、観光客の姿は少なめ。

写真を撮るには好都合だ。


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産寧坂の急こう配をものともせずに駆け上るエイミー。

彼女の相手をするのはハードだ。


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清水寺にて。


とにかくなんでもやってみなければ気が済まないらしい。

しかも、そのたびにいちいち写真を撮る。

シャッターを押すのはもちろん私だ。


でも、こういう観光に熱心な人、きらいじゃないよ。


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清水の舞台。


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地主神社の恋占いの石。

女の子らしいところもあるのだな。

いちおう彼氏は欲しいらしい。


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なぜか急にだてメガネを装着するエイミー。

わけわからん。

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ここで顔を洗うときれいになれるという神社。

バシャバシャと水を浴びるエイミー。

ええ、ええ。 もちろん彼女はすっぴんですとも。

シンガポールの女の子は旅行中はメイクをしないのが普通なのだろうか。


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高台寺


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八坂神社


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先斗町


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錦天満宮。


猛暑の中、かなりの距離をガシガシと歩き回った。

さすがのエイミーにも疲れが見えてきたかと思いきや、彼女はこれくらいではへばらない。

すぐに肉食系女子のパワーを見せつけられることとなった。



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祇園界隈で彼女が見つけたのはホストクラブ。

以前から興味があったらしい。


「初回千円」の垂れ幕を見て、本気で入ろうかと悩んでいる。


やめといたほうがいいじゃない?

ほんとに千円ポッキリかどうかあやしいもんだ。

ホストが英語をしゃべれるかどうかもわからないし。


それに、この男たちはいうほどイケメンか?

奇抜なヘアスタイルとメイクでごまかしているだけにしか見えないんだが。

ええ、そうですよ。

モテない男のひがみですよ。



それにしても驚いた。

女の子でもフーゾクなんかにお金を払おうと思うんだな。

それとも、エイミーが特別なだけなのか?


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イケメン・ホストの看板と一緒に写真を撮るエイミー。

なんてうれしそうな顔をしてるんだ。

そんなに俺では不満なのか。

炎天下、身を粉にして君のために尽くしているというのに・・・


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でかいパフェのオブジェに吸い寄せられて、ここで休憩することになりました。


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この店にはおびただしい種類のパフェがあり、選ぶのにも一苦労。

だが、うれしい悩みだ。


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赤道直下の国、シンガポールから来た彼女も、さすがに今日一日でかなり陽に焼けたようだ。

日本の夏をナめるな!


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私は甘いものが大好きなのだが、男だけだとこういうパフェは注文しにくい。

だが、女の子と一緒にいれば、大手を振って食べることができる。

ああ、しあわせ。


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今日はなかなかハードな一日だったけど、それでも楽しかったよ。

ありがとう、エイミー。

テーマ : 京都旅行
ジャンル : 旅行

ハッピーエンディング

シンガポールから来たカウチサーファー、エイミーは実に饒舌で、いろんな話を聞かせてくれる。

初対面の日本人の女の子とはうまく会話できない私でも、彼女とならディープな話ができてしまうから不思議だ。


たいていのカウチサーファーはそうだが、やはりエイミーも旅行が好き。

しかも彼女はシンガポールに住んでいる。

私も東南アジアを3か月かけてバックパック旅行したので、その話で盛り上がった。


「でも、あまりおおっぴらに東南アジアに行ってきた話をするのは、はばかられることもあるんだ」

「どうして?」

「ごく一部だけど、買春目的で東南アジアに足を運ぶ輩がいるからさ。

 日本とは物価が違うから、驚くほど安い値段で性風俗を楽しむことができるんだ。

 だから男が一人で東南アジアに行ったって言うと、そういう目で見られることもある。

 それがいやなんだ」

「で、ハッピーエンディングだった?」

「え? ああ、うん。楽しかったよ。」


最初、私はエイミーの言わんとしていることが理解できずに、あいまいな返事をしてしまった。

が、これは大失敗。


東南アジアの風俗産業で「ハッピーエンディング」といえば、日本で言う「本番」にあたるそうだ。


「いや、そんなことしてないよ。

 風俗の店に連れて行かれたことはあるけど、ハッピーエンディングはなかったよ」

あわてて弁解したが、エイミーは信用してくれない。

「へえー。タイのバンコクに行って、アクアショーやピンポンショーも見なかったの?

 ゴーゴー・バーには行ったんでしょ?

 え? 行ってない?

 じゃああなた、バンコクになにしに行ったのよ」


「なにしにって・・・。

 そりゃあお寺を見たり、いろいろだよ」

「いろいろって?」


エイミーはまったく私のことを信用していないようだ。

だから東南アジアに男一人で行ったって言いたくなかったんだよ。



「俺はバンコクでもカウチサーフィンを使ったんだ。

 その時のホストの女の子がまた敬虔な仏教徒でね。

 そういういかがわしいお店には連れて行ってくれなかったんだよ」


「あらそう。それは残念ね。

 せっかくバンコクにまで行くんだったら、そういう夜の街ものぞいてみた方がいいわよ。

 でも気をつけてね。なかには危ない店もあるみたいだから。

 店内に入ったらドアに鍵をかけられて、法外な料金をふっかけられるんだって。

 お金を払うまで出してくれないそうよ」


それは怖そうだなー。ハッピーエンディングどころじゃないやん。

しかし、エイミーの言うことにも一理ある。

性風俗の取り締まりは年々厳しくなっていくようだし、

日本と東南アジアとの物価の差もだんだん縮小していくことだろう。

その前に一度、その手の店をのぞいてみるのも悪くはないかもしれない。

病気と警察が怖いから、たぶん利用はできないだろうけど。


東南アジアにある性風俗のお店の入り口をよく見ると、

「NO HAPPY ENDING !」

と書かれていることがあるらしい。


これは日本でいう、「本番お断り」という意味らしい。


「本番」って聞くと、なにやら生々しくていやらしい響きだが、

「ハッピーエンディング」だと、なんだかさわやかで、すっきりしたイメージに思えてくるから不思議だ。

日本でも呼び方を変えたら、利用者層も広がるんじゃないだろうか。


まあ、やってることは同じなんだけど。




「それにしても、シンガポールに住んでる君がうらやましいよ。

 シンガポールは東南アジアの中心に位置しているから、安い料金でどこへだって気軽に行けるじゃないか」


「そうはいうけどね、女の子が一人で東南アジアを旅するのはけっこう大変なのよ」

そう言ってエイミーは、ある話をしてくれた。



あるシンガポール人の女の子が、独りでマレーシアを旅行していたときのこと。

深夜にタクシーに乗っていた彼女は、運転手に乱暴されたそうだ。

その後、彼女は道路上に放置された。

そこへ通りかかったパトカーが彼女を見つけ、保護する。

警察署に連れて帰って、これでひと安心。

となるところだが、そうはならなかった。


なんと、警察署にいた警官たち全員に、彼女はまたしても暴行されてしまったというのだ。


日本の警察はいろいろ言われることもあるが、まさかここまではしないだろう。

この話は都市伝説のようなもので、もしかしたらまったくのでたらめかもしれない。

でも、ひょっとしたらありえるかも・・・、と思えてしまうのが東南アジアのこわいところ。

まだまだ安全ではない地域もたくさんあるからだ。



なんか今回のブログ、全然ハッピーエンディングじゃないぞ。

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ジャンル : 旅行

チャイニーズ・ゴースト・ストーリー

エイミー(シンガポール)とカウチサーフィン(CouchSurfing)




本日もシンガポール人カウチサーファー、エイミーと京都の街をお出かけです。

まず向かった先は祇園。


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風景の写真ばかり撮って、自分の写真は撮らないという人も多いのですが、このエイミーは違います。

風景はそっちのけで、自分の写真ばかりバシャバシャ撮ってます。

もちろん自分では撮れないので、カメラマン役はこの私です。

まあ、かわいい女の子の写真を撮るのは楽しいからいいんですけど。


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安井金毘羅宮の縁切り縁結びの碑をやりたいというエイミー。

確か君は彼氏はいないって言ってなかったっけ?

誰との縁を切りたいんだ?


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エイミーはスカートをはいていたので、ワクワク、いや、ハラハラしながら見ていたのですが、

何事もなく無事終了。


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碑をくぐり抜けたあとは、お札を張り付けます。


そしていよいよ、本日のメインイベント、貸衣装屋さんに出かけます。

芸者にするか、侍にするかでずっと悩んでいたエイミーですが、ついに決断しました。

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彼女が選んだのは、なんと、サムライ。

これがまたよく似合ってる。

こういう男、ふつうにいるよな。


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自由撮影と称して、自分たちで好きなように写真を撮れる時間をもらえるのですが、外に出ることはできません。

適当にポーズを考えて撮るのですが、刀などの小道具は貸してもらえないので、ちょっとバリエーションに欠けます。


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せっかくなので、一緒に写真を撮りました。

撮影が終わり、彼女が着替える間、私は待合室で待っていました。

衣装を脱ぐだけなので、すぐに終わるはずなのに、なかなか彼女は下りてきません。

おかしいな。どうしたんだろう。

そう思っていたら、お店の人が私を呼びに来ました。


「準備ができましたので、お連れの方も上がってきてください。」


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なんと、サムライだけでは物足りなかったエイミーは、芸者(舞妓)のコスチュームもついでにやってしまったようです。


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しかしこれは・・・

似合ってる、のかな?


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背中がざっくりと開いていて、なかなか色っぽいですな。


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かつらを取り、これから化粧を落とすエイミー。


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衣装のレンタル料金の中には、カメラマンによるスタジオ撮影も含まれています。

ここから先の4枚の写真はプロのカメラマンによるもの。


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なんだか外国のB級映画にでてくる、中国人スパイを彷彿とさせるエイミー。


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もちろんエイミーはこれらの写真をフェイスブックにアップしていたのですが、友人たちから、

「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」

といって笑われてました。


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たしかに、これは中国の幽霊だわ。


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化粧を落としている時、エイミーは貸衣装屋さんのスタッフにこうたずねられたそうです。

「一緒にいる男の人、日本人みたいだけど、彼氏なの? どうやって知り合ったの?」

「ボーイフレンド(彼氏)じゃないわ。ボーイ、フレンド(ただの男友達)よ」


たったコンマひとつ分の違い。

だがこの差はとてつもなく大きい。

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今週もシンガポール人とカウチサーフィン

先週に引き続き、今回のカウチサーフィンもシンガポールからのゲストです。

彼女の名はエイミー。

エイミーとは実際に会う前からLINEでやりとりしていました。

こんなふうに、事前に積極的にコンタクトをとってくるカウチサーファーとのカウチサーフィンは、とても有意義なものになる可能性が高いです。

なので、今回のエイミーにもかなり期待していました。


そして予想通り、エイミーはかなり積極的な女の子でした。

初対面だというのに構えたところがなく、ずーっと笑顔です。

南国に暮らす女の子らしく、太陽のようなまぶしい笑顔です。


私の家に到着するなり、彼女の発した第一声は、

「マサト、今日は私と一緒に来てくれるんでしょ?」

今日は平日の昼間。

学生でもない私の都合などおかまいなしです。

見事なまでのずうずうしさ。

だから東南アジアの女の子って好きです。





「京都らしい所へ連れて行って」

というエイミーのリクエストに応えて、まずは東寺へ。

五重の塔に驚嘆の声をあげる彼女。



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こんなにノリノリの子と一緒だと、こちらもつられてテンションが上がってきます。


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伏見稲荷の参道にあるおかき屋さんにて。


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伏見稲荷大社の千本鳥居にて。


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ごきげんまくりのエイミー。


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この子は写真を撮る時だけでなく、ずっとこんな感じで笑顔を振りまいていました。

シンガポール人って、どうしてこんなにも明るいんだろう。

同じアジア人でも、まったく異なる人種のように思えてきます。


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夕食は京都駅ビルにある京都拉麺小路で。

エイミーとは今日初めて会ったばかりだというのに、とても仲良くなれたような気がします。


「わたし、さくらんぼの茎を舌で結べるのよ」とエイミー。

「私はキスがうまいのよ」と言いたいのだろうが、そんな話を俺にしてどうする。



ラーメンをすすりながら、

「どうして日本にはこんなにもたくさんのラブホテルがあるのか」という話題になったのですが、

彼女の口ぶりから、シンガポール人は性に関しては、現代日本人よりも少し保守的な印象を受けました。


「日本は住宅事情が悪いから、ラブホテルのような場所が必要なんだよ」

あれ? 住宅事情ならシンガポールの方がひどいんじゃないかな。

国民のほとんどは高層住宅に住んでいるし、成人してからも親と同居している若者も日本より多そうなイメージがある。

「じゃあシンガポールの若者はどこでエッチをしているんだ?」

「結婚するまではしてはいけないということになってるわ」

「じゃあシンガポールのカップルはみんな、結婚するまでがまんしているのかい?」

「そんなことはないけど・・・」


さすがにこういう質問には答えにくそうにするエイミー。


「じゃあシンガポールこそもっとラブホが必要なんじゃないか。若者の多くは親と同居してるんだし。」

「家の人が出払ってる時を見計らってこっそりするのよ。そんなこと私に言わせないでよ」

と言ってしまった後でエイミーは、

「って、友達が言ってた」と付け加えた。


そんな落ち着きのない情事、俺はいやだなあ。




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Bye bye my lover see you again

もう15年くらい前のことだ。

別れた元彼女と、電車の中で偶然再会したことがある。

その時私は居眠りをしていたのだが、視線を感じてふと顔を上げると、彼女と目があった。

3年以上つきあっていたから、もちろんすぐに彼女だとわかったのだが、私は気付かないフリをして、また居眠りを始めた。

もちろん眠れはしなかったが。



それから1年くらいして、また彼女と道でバッタリ会った。

彼女のお腹はかなり大きくふくらんでいた。

私はどうしたらいいのかわからなくて、くるりと彼女に背を向けて、小走りで逃げ出してしまった。



別れた後も彼女のことが頭から離れず、会いたくて会いたくてしかたがなかったというのに。

どうして一言もしゃべらなかったのだろう。




あれから時は流れ、私は一人のシンガポール人の女の子と京都で出会った。

その後、彼女に会うために、3度もシンガポールを訪れた。

そして今度は彼女が再び京都にやってきた。



メイサンとは、今後の人生のどこかで再び会うことになるような気がする。

その時は彼女の瞳をしっかりと見つめて、笑いながら話そうと思う。





今夜はメイサン父娘にとって、日本最後の夜なので、少し奮発してしゃぶしゃぶとすき焼きを食べに行くことになりました。

このお店は食べ放題なのですが、かなりリーズナブルな値段なので、私も何回か来たことがあります。


ところが、

「せっかく食べるのなら神戸牛がいい!」

などと彼女たちが言い出したので、結局、最高級和牛コースなるものを注文するはめになってしまいました。

私がいつも食べている一番安いコースの数倍もの値段がするんですよ!


「なに言ってるのよ、マサト。シンガポールにある日本料理の店はこんなもんじゃないわよ。この値段なら安いものよ」

どうやら彼女たちと私とは住んでいる世界が違うようだ。




さすが「最高級和牛コース」だけあって、なかなかおいしかったです。

普段、味の違いなどわからない私ですが、さすがにこれはいつもの安物とは違います。

メイサンも大満足してくれたようです。





翌日、とうとうメイサン達はシンガポールへと向けて出発することになりました。

ここで、昨日、忍者村で買ったキーホルダーを彼女に渡すことにします。

「どっちがいい?」

そう聞くと、メイサンは私の目を「じーっ」とのぞきこんできました。

うっ、なんだよ。中学生みたいなことをしてる俺のことをバカにしてるのか?

なんだかちょっと恥ずかしくなってきたぞ。


「ありがと。じゃあこの小さい方をもらうね」

メイサンはにっこりと笑って、金色の方を手に取ります。

が、その瞬間、足の指に激痛が走りました。

ぎゅううううううう。





いてててて。なにすんだよ、メイサン!

見ると、テーブルの下で彼女が私の足の指をおもいっきりつねっています。

これが君なりの感謝の気持ちなのか。

急に私が大声をあげたものだから、お父さんが怪訝そうな顔で見ていました。






そうこうしているうちに、タクシーが到着した。

いよいよお別れだ。

気を利かしてくれたのか、お父さんは一足先に車へ乗り込んでしまった。

見つめ合うメイサンと私。

どうしよう。お父さんがすぐ近くにいて気が引けるけど、ここはやはり彼女のことを抱きしめたいな。

と私が逡巡しているうちに、

がばっ!

とメイサンに抱きしめられてしまいました。


でも、それもほんの一瞬の出来事。

彼女はすぐにきびすを返して、タクシーへと乗り込んでしまいます。

席についても、窓越しに私のことを見つめるメイサン。

無情にも、タクシーの窓は閉まったままです。

たった一枚のガラスで隔てられているだけなのに、彼女のことがとても遠い存在のように感じられます。


車が発進するときに、私は自分の気持ちを正直に彼女に伝えました。

声には出さずに、口だけパクパクさせて。

目を大きく見開くメイサン。

早朝の静けさに包まれた京都の街を、タクシーはゆっくりと遠ざかっていきました。


数時間後、空港でようやくWiFiがつながったらしく、メイサンからメールが届きました。

「ちょっと、マサト。最後にあなた、なんて言ったの?」

なにも言ってないよ。あくびしただけさ。



______________________________________



メイサンがシンガポールへ帰ってしまってから数ヵ月後、彼女からメールが届いた。

一枚の写真が添えられている。

そこにはメイサンと、白人の男性が仲良く頭を寄せ合っている。

彼氏らしい。


メイサンはうれしそうな、それでいて恥ずかしそうな表情を浮かべている。

俺には見せたことのない、可憐な少女のような笑顔。

なんてかわいいんだ。


思わず永久保存にしたくなるような美しい写真だ。

隣りに写っているのが俺以外の男でなければ。

テーマ : 恋愛
ジャンル : 恋愛

伊賀忍者村

メイサン(シンガポール)とカウチサーフィン(CouchSurfing)。




憂いを帯びた表情で、車窓から外の景色を眺める令嬢。

メイサンには時どきドキッ!とさせられます。


でもなんで俺の隣に座らないんだ?




今日も彼女の隣はお義父さんがガッチリと固めています。

近づく隙がない・・・




電車を乗り継いで到着したのはここ、「伊賀上野」駅。

駅前だというのになにもない、ほんとにのどかな街です。




本日の目的地、「忍者村」へは2・5キロほど。

それくらいなら歩きたいところですが、メイサンのお父さんがいるのでタクシーを呼ぶことにしました。

電車やバスの接続が悪く、1時間くらい待たねばならないからです。


せっかくなので忍者の衣装を借りようとしたのですが、断られてしまいました。

お店は夕方には閉まってしまうので、今からだと時間がない、という理由です。

しまった。もっと早く来るべきだったか。

といっても、まだ3時なんですけど。



「ここまで来てそりゃないよ! 忍者の衣装を着るのが楽しみではるばる電車に乗ってやってきたのにさ・・・」

と泣きついて、なんとかコスチュームを借りることに成功。


しかし、お店の人が言うには、「もう忍者ショーはやってないかも・・・」

え? なんでそんなに早く終わっちゃうんだよ。

とにかく急いで忍者の衣装に着替えて、忍者村へと走りました。




なんとか最終の公演には間に合いました。

日曜日でも3時代にショーは終わってしまうので、早めに行くことをおすすめします。




ショーといっても、真剣を使うものもあり、かなりの迫力です。

親方は威厳があって怖かった。




ベテラン忍者による、手裏剣投げの実演もあります。

これもけっこう怖いです。




メイサンお気に入りのイケメン忍者。

ショーは日本語で行われるのですが、外国人でもなんら問題なく楽しめます。




私のお気に入りはもちろん、くノ一(くのいち)。


ここ伊賀上野は、組み紐が特産品でもあるそうです。




この忍者ショーは、忍者村の入場料とは別にお金を払わなければ見れませんが、それだけの価値はあります。




ショーを見た後は、実際に自分で手裏剣投げを体験できるコーナーもあります。

これも忍者村の入場料とは別料金なのですが、私たちは衣装を借りる時にセット券を購入したので、特別ブースで教えてもらうことになりました。

ところでこの忍者のコスチューム、「袖なし」を選ぶときには気をつけなければなりません。

脇の下がガラ空きなので、女性の場合、下着がモロに見えてしまうのです。


メイサンが手裏剣を投げようと大きく振りかぶった時、彼女のブラジャーが丸見えになってしまいました。

「おおっ、ラッキー!」

と思ったのですが、他の男にも見られてしまうのは嫌だったので、

「メイサン、ブラが見えてるよ」

と注意したら、彼女に激怒されてしまいました。


「ちょっとっ、触んないでよ!」

いや、触ってないし。指さしただけじゃんかよ。


急に大声を張り上げるメイサンに、お父さんは何が起こったのかわからず、目をパチクリさせています。

お父さん、信じて下さい。僕は娘さんには指一本触れてませんからね。濡れ衣ですからね。

この時私は、痴漢冤罪事件の被告人の気持ちがわかったような気がしました。




この手裏剣投げ、思っている以上に難しいです。

普通に投げるだけでは、なかなか的に刺さることはできません。

やはり忍者はすごかった。




結局メイサンの投げた手裏剣は一発も刺さりませんでした。




お父さんはかろうじて一発だけヒット。




左の人がインストラクター。




お義父さん、ピンクがよくお似合いで・・・




こんな美人忍者になら、手裏剣を投げられるのも、悪くはないかも。




手裏剣投げの後は、忍者博物館へ。




ちなみにこれ、私です。




忍者屋敷にはからくりがいっぱい。

これは回転ドアーです。きれいなお姉さんが華麗に実演してくれるので、目がまわりそう。


ちなみに忍者村の他のスタッフも美人ぞろいでした。

伊賀にはきれいな女性が多いのか?






こちらは隠し階段。




水蜘蛛に乗って遊ぶメイサン。

博物館の展示パネルには英語の表記もあるので、外国人でもかなり楽しめます。




ほんとはもっとじっくりと見たかったのですが、忍者のレンタルコスチュームの返却時間があるので、駆け足での見学となってしまいました。




この父娘、ノリ良すぎ




あー、恥ずかし







「私、この忍者の衣装が気に入ったわ! もっと着ていたい!」

とダダをこねるメイサン。


わかったよ。今度来る時は朝早く起きて、もっとのんびりしよう。

って、「今度」はあるのか?




「最後にばっちり忍者のポーズをキメて記念撮影をしよう」

ということで撮ったのがこの写真。

マヌケすぎる。

これ、なんのパントマイム?

全然忍者じゃないし・・・




この忍者のコスチューム、いろいろパーツがたくさんあって、けっこう着るのに手間取ったりします。

しかも、お店の人に、

「くれぐれも衣装を失くさないようにしてくださいね。もしも紛失した場合、罰金となります」

と脅される始末。

忍者になるのも大変なのだな。






バタバタしていて時間切れになってしまい、結局、お城跡や松尾芭蕉ゆかりの地を訪れることはできませんでした。

伊賀上野は小さな町ですが、まる一日遊べます。

今度来るときは朝イチで来ようと思う。






だんじり会館。

ここで忍者の衣装をレンタルしました。

みやげ物屋もあります。






いたる所に忍者(もどき)を見ることができます。




たくさんの忍者(もどき)があるのはいいんだけど、ちょっと手を抜き過ぎのような・・・




ハローキティも忍者バージョン。




最後の3枚はメイサンの携帯で撮った写真。






長いこと日本人やってますけど、忍者村に来たのはこれが初めてです。

普段なかなか訪れる機会がないような場所でも、カウチサーフィンを始めてからはいろいろと行くことができるようになりました。

「外国人に日本の文化を紹介する」というよりも、一番楽しんでいるのは他ならぬ私なのかもしれません。

テーマ : 日本の旅
ジャンル : 旅行

すっぽん鍋は眠らない

(カウチサーフィン、シンガポール)




駅で見かけたポスターを見て喜ぶメイサン。

日本の痴漢は世界中でその悪名をとどろかせているようです。

そういう輩はどの国にもいそうなもんだけどな。日本だけなのか?


いずれにせよ、痴漢よりもメイサンの顔の方がよっぽど怪しいぞ。




「日本のおいしい料理が食べたい」というお父義さんの要望にお応えして、先斗町へとやってきました。




そこでメイサン父子の目に止まったのがこののれん。

「これはすっぽんといって、食すると精力が高まっちゃう危険な食べ物なんですよ」と説明すると、

「おお、いいねえ。ここにしよう」と大盛り上がりの親子。

いったいなにをそんなにはしゃいでいるのか。

ほんとに私の言ってることを理解してるんですかねえ。




もちろんここでもメイサンのお父さんの3Dビデオカメラがさく裂。

どこまで行っても怪しいおじさんです。




この3Dビデオカメラ、録画した映像をすぐにその場で確認できるというスグレモノ。

ちょっと見せてもらいましたが、あまり立体感を感じることはできませんでした。

やはり大画面のテレビで見ないと迫力はないそうです。




いよいよメインディッシュ、すっぽん鍋がやってきました。

私もこれを食べるのは今日が初めてです。

しかし、値段の割には、具はとても少ない。

これだけではとてもお腹はふくれそうにありません。

まあ、おなかいっぱいになるために食べるものじゃないんでしょうけど。




メイサンのお父さんはしきりに私にすっぽん鍋をすすめてきます。

「ほらほら、もっと食え食え」

そう言って、すっぽんの肉を私のお椀に次々とよそってくれるのです。

すべての具を食べ終わっても、スプーンでスープをすくっては、私のおわんへと注いでくれます。最後の一滴まで。


いやいや、お父義さん。

お気持ちはありがたいのですが、そんなにすっぽんを食べさせられたら精力絶倫になっちゃうじゃないですか。

どんなに気持ちがたかぶっても、あなたが娘さんと一緒にいるかぎり、何も手出しできないんですけど。

はっ!

もしかしてこれは、「親公認」ということなのだろうか。

などと甘い幻想を抱いていたのですが、お父さんが一緒の部屋にいるんじゃねえ・・・



夕食を終えた帰り道、先斗町を歩いていると、何人かの人が路上でパフォーマンスをしていました。

足を止めてメイサン父子が中国語で会話していると、そのパフォーマーも中国語で話しかけてきました。

彼はどうやら中国出身のようです。

しばらく中国語でやり取りした後、メイサンのお父さんはポケットから小銭を取り出して、パフォーマーの前に置かれていた空き缶に投げ入れました。

続いてメイサンも、なんと1000円札を空き缶に放り込みます。


現在、東南アジアには大勢の中華系の人たちが住んでいますが、彼らの祖先はビジネスチャンスを求めて中国から渡ってきた人たちです。

きっと現在の経済的繁栄に至るまでは、苦難の連続だったことでしょう。

異国の地で生き延びるためには、お互いに支え合う必要もあったにちがいありません。

そのせいか、中華系の人たちの団結力には目を見張るものがあります。

中国からはるばる日本にやって来て、小銭を稼ぐために路地裏で大道芸を披露している同胞を見て、メイサン親子は手を差し伸べずにはいられなかったのでしょう。

中華系の人々の、意外な一面を見たような気がしました。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・

すっぽんの効果はすさまじい。

その夜はなかなか眠りにつくことができなかった。

ウトウトしても、すぐにまた目がさめてしまう。

すぐ隣の部屋ではメイサンが寝ている。

そしてそのまた隣には彼女のお父さん。

もんもんとした気持ちを抱えながら、眠れぬ夜を過ごす私。


いったいなんのための「すっぽん」だったんだ?



テーマ : 京都旅行
ジャンル : 旅行

貴船・川床・流しそうめん

メイサン(シンガポール)とカウチサーフィン(CouchSurfing)



今日は叡山電車に乗ってお出かけです。

この車両には「パノラマ・シート」という特別な座席が配置されていて、車窓からの景色を楽しめるようになっています。

せっかく叡山電車に乗ってはるばる出かけていくのですから、やはりパノラマ・シートに座ってみたいものです。

出町柳駅は始発駅なので、席を確保できる確率はかなり高いはず。

そう思って、電車が到着するのを今か今かと待ち構えていました。



しかし、電車が到着してドアが開くやいなや、おばちゃんたちが猛ダッシュ!

あっという間にすべての座席が埋まってしまいました。

やはりみんな狙っていたんですね。


しかし、かなりご高齢のはずのおばちゃんたちが、まさかあれほどまでに俊敏な動きを見せるとは予想外だった。

パワー余りまくってるんじゃん。


これからは電車でお年寄りを見かけても、席を譲るのはよそうと思う。





目的地の貴船に到着。

「今日は天気もいいことだし、バスは使わずにここからハイキングだ!」

と私が宣言すると、メイサンはなにを思ったか、道から外れて山を登ろうとします。


余計なことはせずに、体力は温存しといたほうがいいと思うぞ、メイサン。

一日はまだ始まったばっかりなんだし。




貴船と言えば、やはり川床。

しかし、値段がかなり張るので、私には分不相応。

ま、ブルジョア階級のメイサン一家にとってはどうだか知りませんけどね。




せっかくシンガポールからメイサン父娘がやって来ているのだから、ケチケチせずに川床料理を楽しむべきなのかもしれませんが、今日はまた別の目的があるのです。




本日のお目当てはここ。

「ひろ文」という貴船を代表する料理旅館です。




(流しそうめんを食べる人たち)

料理旅館と言っても、この「ひろ文」は他とは違います。

1200円というリーズナブルな値段で、流しそうめんをいただくことができるのです。

流しそうめんをやっている場所はそんなにはありません。

しかも貴船の川床まで同時に楽しめてしまうのです。




もちろんここは人気スポットですから、場合によってはかなりの待ち時間があります。

が、駅から歩いてやってきた我々には休息が必要だったので、ちょうどいいです。

川のせせらぎを聞きながらのんびりするのも悪くない。




メイサンのはいている靴下は、PSYのカンナム・スタイル。

もう少しせくしーで色気のある格好はできないものか・・・




ごろんと横になるメイサン。

おっ! 少し色気がでてきた。


「マサトも横になったら? 気持ちいいわよ。 一緒に寝ましょうよ」

お父さんが隣にいるというのに、なんてことを言うんだろうね、この娘は。

なんとか言ってやってくださいよ、お父さん。


でもまあ、メイサンがそう言うのなら仕方がないか。

お言葉に甘えて、彼女の横に並んで寝ることにしました。

なんだかドキドキするねえ。

こういう待ち時間なら悪くはないかもね。



寝転がってふたりで乳繰り合っていると、いつの間にか隣にいたはずのお父さんがどこかへ消えてしまいました。

気をきかせてくれたのかな。

それとも、お父さんをいたたまれない気持ちにさせてしまうような雰囲気を醸し出していたのだろうか、我々は。





至福の時間もそう長くは続きません。

私たちの順番がやってきました。


休日の昼時には2時間以上も待たされることがあるといううわさのこの場所。

1時間以上の待ち時間を覚悟していたのですが、意外と速かったです。


目の前を流れる豪快な滝を眺めながら味わう流しそうめん。

猛暑なんてどこかへ吹っ飛んでしまいます。


ただ、水流の音がうるさすぎて、大声で話さないととなりの人との会話もままなりません。





シンガポールにはたくさんの日本食レストランが進出しており、メイサン父娘も日本食にはなじみが深いそうです。

しかし、そんな彼女たちも、流しそうめんを体験するのはこれが初めてだとか。

かなり楽しんでもらえたようです。


喜びの感情を表現するメイサン。

なんだかサルみたいな顔だぞ。


かわいいんだかどうなんだか、よくわからなくなってきた。

不思議な子だな、君は。





流しそうめんを食べ終えて、3人で記念撮影。

腹ごしらえもすんだことだし、次は貴船神社へと向かいます。

テーマ : 日本の旅
ジャンル : 旅行

カウチサーフィン(CouchSurfing)とは?

CouchSurfingKyoto

Author:CouchSurfingKyoto
.カウチサーフィン(CouchSurfing)とは。

日本に観光に来た外国人の宿として無償で自宅を提供し、国際交流を深めるというカウチサーフィン。

また、自分が海外に旅行に行く時には、現地の一般家庭に泊めてもらい、その土地に住む人々の生の暮らしを体験することだってできてしまいます。

ここは、そんなカウチサーフィンの日常をありのままにつづったブログです。

「カウチサーフィンは危険じゃないの?」
そんな危惧も理解できます。
たしかに事件やトラブルも起こっています。

なにかと日本人にはなじみにくいカウチサーフィン。

・登録の仕方がわからない
・詳しい使い方を知りたい
・評判が気になる

そんな人は、ぜひこのブログをチェックしてみてください。
きっと役に立つと思います。

最後に。

「カウチサーフィンを利用すれば、ホテル代が浮く」

私はこの考え方を否定しているわけではありません。
私もそのつもりでカウチサーフィンを始めましたから。

しかし、カウチサーフィンは単なる無料のホテルではありません。
現在、約8割のメンバーはカウチの提供をしていません。サーフのみです。

だって、泊める側にはメリットなんてなさそうですものね。

「自分の部屋で他人と一緒に寝るなんて考えられない」
「お世話したりするのってめんどくさそう」

時々私はこんな質問を受けることがあります。

「なぜホストは見知らぬ人を家に招き入れるのか?」

それはね、もちろん楽しいからですよ。

自己紹介
プロフィール


こんにちは。
京都でカウチサーフィン(CouchSurfing)のホストをしている、マサトという者です。
ときどきふらりと旅にも出ます。
もちろん、カウチサーフィンで!


(海外)
2011年、ユーレイル・グローバルパスが利用可能なヨーロッパ22カ国を全て旅しました。
それに加えて、イギリスと台湾も訪問。
もちろん、これら24カ国全ての国でカウチサーフィン(CouchSurfing)を利用。

2012年、東南アジア8カ国とオーストラリアを周遊。
ミャンマーを除く、8カ国でカウチサーフィンを利用しました。

2013年、香港、中国、マカオをカウチサーフィンを利用して旅行。 風水や太極拳、カンフーを堪能してきました。

2014年、侍の衣装を着て東ヨーロッパ20か国を旅行してきました。


(日本国内)
これまでに京都で329人(53カ国)のカウチサーファーをホストしてきました(2013年6月25日現在)。

もちろん、これからもどんどんカウチサーフィンを通じていろいろな国の人と会うつもりです。



カウチサーファーとしてのカウチサーフィン(CouchSurfing)の経験:


オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、スロヴェニア、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、台湾

シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、タイ、ミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナム

香港、中国、マカオ

スロヴァキア、ポーランド、リトアニア、ラトヴィア、エストニア、ベラルーシ、ウクライナ、モルドヴァ、沿ドニエストル共和国、ルーマニア、セルビア、マケドニア、アルバニア、コソヴォ、モンテネグロ、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、リヒテンシュタイン


ホストとしてのカウチサーフィン(CouchSurfing)の経験:


アイルランド、アメリカ、アルゼンチン、イギリス、イスラエル、イタリア、イラン、インド、インドネシア、ウクライナ、エストニア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、クロアチア、コロンビア、シンガポール、スイス、スウェーデン、スコットランド、スペイン、スロヴァキア、スロヴェニア、タイ、台湾、チェコ共和国、中国、チュニジア、チリ、デンマーク、ドイツ、トルコ、日本、ニューカレドニア、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、ブラジル、フランス、ベトナム、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、香港、マダガスカル、マレーシア、メキシコ、モルドバ、リトアニア、ルーマニア、ロシア



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