ダミアン、ルチア(アイルランド・ダブリン)とカウチサーフィン

アイルランド・ダブリンのテンプルバーにあるアイリッシュパブにて。

私のアイルランドでのホスト、ダミアン。
手に持っているのはもちろんギネスビール。
彼のおかげで、私のアイルランドでのカウチサーフィンはとても楽しいものになった。
ありがとう、ダミアン。

左からダミアン、私、ルチア。
ルチアはダミアンのルームメイトで、同じくイタリア人。
イタリア人らしくとても陽気な彼はずっとしゃべりっぱなしだった。
ルチアンはとても忙しいらしく、私が滞在している間もほとんどずっと外出していた。
映画を観たり、マーシャル・アーツの練習に出かけたり。

ダブリンにあるポスト。
ここから台湾のペギーに絵葉書を投函しました。
無事に届くかな。
イギリスでは出しそびれたけれど、
これからは全ての国から彼女に絵葉書を送ろう。
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アイルランドへ。
無事、ロンドンのヴィクトリア・コーチステーションを出発した。
これで後は寝ててもアイルランドまでこのバスが運んでくれるはず。
乗客はけっこう多い。
ほぼ満席だ。
夜の暗闇の中を走るので、外の景色を楽しむことはできない。
ここは素直に寝ることにしよう。
疲れていたせいか、意外と眠れた。
だが、今どこを走っているのかわからない。
まあいいか。
着いたら起こしてくれるんだろ。
途中、何度か休憩をとる。
高速道路のサービスエリアのような場所だ。
トイレは…
良かった。無料だ。
現在地を確認するが、馴染みの無い地名だ。
まだフェリーには乗ってないのだから、イギリスのどこかだろ。
バスが止まるたびに乗客が一人、また一人と降りていく。
こんな夜中だ。
新たに乗り込んでくる乗客はほとんどいない。
だんだんと人数が減っていく。
通路をまたいで足を伸ばして寝る乗客も出てきた。
私も隣のシートを使って体を横にした。
とにかく寝て、体力を温存せねば。
明け方近くなって、バスの中の電灯が灯された。
どうやら目的地が近いらしい。
車掌が何か大声でわめいているが、何を言ってるのか聞き取れなかった。
わかったのは最後の「サンキュー」だけだ。
それでも周りの乗客に合わせて同じように行動した。
バスを降りてフェリーターミナルに向かう。
パスポートと乗車券を見せて、フェリーの切符をもらう。
しばらく待たされた後、荷物のチェックをされた。
まるで空港のようだ。
めんどくさい。
私は財布やカメラをチェーンでつないでいるので、こういう検査のたびにベルトを外さなければならない。
検査を終えて待合室に入ると、犬が乗客の荷物の匂いを嗅ぎ回っている。
麻薬検査犬か。
その犬は、一通り匂いを嗅いだ後、検査官とボールで遊んでいた。
のどかな光景だ。
アナウンスによると、どうやら出港は遅れるらしい。
雨もぱらついて、風もある。
海は荒れ模様のようだ。
さんざん待たされたあと、いよいよ船に乗り込む。
夜も明けてきたので甲板に出て海を眺めていたかったのだが、甲板は大波を被ってものすごいことになっていた。
おとなしくラウンジで寝ることにしよう。
船内には食堂やお土産物屋、カジノまであった。
酔いそうだったので私は何もしなかったが。
しばらく眠っていたら、陸地が見えてきた。
いよいよアイルランドだ。
といっても、まだここはイギリス領なのだが。
船を降りたあとも、どうするのか分からなかったので、とにかく他の人の真似をした。
小さなバスに乗り込む。
知らない会社の名前だ。
料金が書いてあるが、払わないといけないのかな。
不安を抱えたままバスは走り出した。
どうやらベルファストに向かっているようだ。
ベルファストに到着したら、みんな降りた。
誰もお金を払っている人はいなかった。
おお。
ここがベルファストか。
ベルファストと言えば、私はすぐにIRAという文字が思い浮かぶ。
物騒な所を想像していたが、とても清潔で、古き良きヨーロッパ、といった感じの街だ。
ここからさらにダブリンまで行かねばならない。
どうやったらいいのかな。
とりあえずインフォメーションセンターへと向かったのだが、迷った。
道を尋ねたいのだが、なんだかみんな忙しそうだ。
大きなバックパックを背負った人間など、まるで眼中にない。
それでも誰かに聞かなければ前に進めない。
信号待ちをしている女性に聞いてみたら、とても親切に教えてくれた。
しかも、方向が同じだからと、一緒に来てくれた。
こういう親切は本当にありがたい。
インフォメーションセンターの人も親切だった。
ジャイアントコーズウェーに行きたかったのだが、予想以上に遠く、どうやら断念せねばならないようだ。
仕方が無い。
次があるさ。
アイルランドでの私のホストはダブリンにいるので、再び電車に乗り込む。
と、その前に、ユーレイルパスをヴァリデートしなくてはならない。
ついにこの時がやってきたか。
窓口の係員は感じの良い男性だった。
私のパスポートをチェックする。
私の顔をみて、ニコっと笑った。
どうやら私に笑え、といってるらしい。
だが、笑ってばかりもいられなかった。
なんと、ダブリンへの電車は無い、というのだ。
そんなばかな。
ちゃんと時刻表で確認済みだ。
電車はいくらでもあるはずだ。
話をよく聞くと、代替のバスがnewlyまであるから、それに乗れ、ということらしい。
まったく。
おどかさないでくれよ。
私は旅にそんなスリルは求めちゃいないんだ。
バスでは赤毛のきれいな女性と隣になった。
私の方をチラチラと見ている。
日本人が珍しいのだろうか。
話しかけようとして気がついた。
私は夜行バスに乗っていて、シャワーも浴びていない。
そう言えば、今日はまだ顔も洗ってなかったっけ。
髪の毛はボサボサ。
髭も剃ってない。
ここ何日も鼻毛を切っていない。
途端に話しかけるのが恥ずかしくなった。
今日の教訓。
たとえ旅行中でも、身だしなみには気をつけよう。
バスから電車に乗り換える。
ダブリンは最終駅のはずだから、あとはのんびりとしてられる。
ついにダブリンに到着。
待ち合わせ場所のGPOを探すが、悲しいくらいに方向音痴になってしまった。
とにかく、自分がどこにいるのかすら分からないのだ。
想像して欲しい。
道行く人に地図を見せて、
「私はどこ?」
と聞かなければならない状況を。
あまりの情けなさに、笑ってしまいそうになった。
それでも道すがら、写真はたくさん撮った。
見る物全てが珍しい。
ダブリンでの私のホスト、ダミアーノとはしばらく連絡をとっていなかったので、変更がないかチェックしたかった。
そこでWi-Fiが使える店を探す。
せっかくアイルランドまで来たのだから、地元の店に寄りたかったのだが、今はインターネットが私の命綱だ。
マクドナルドで手を打った。
が、今日は故障中で使えないという。
詐欺だ!
仕方なくマクドナルドを出てインターネットカフェに入る。
ダミアーノは少し遅れるようだ。
しばらく待っていると、一人の男が近づいて来た。
おお、彼がダミアーノか。
イタリア人の彼は、ダブリンのコールセンターで働いている。
とても親切な男だ。
しかも、ダブリンのど真ん中に住んでいる。
最高の立地だ。
荷物を置いて、街を案内してもらった。
私のお目当てはアイリッシュパブ。
一度行ってみたかったんだ。
ギネスビールを頼む。
私はそんなにお酒は好きでは無いのだが、この雰囲気はたまらない。
ついにアイルランドまで来たんだ、という実感がわいてきた。
この界隈はtemple barというらしく、とてもスタイリッシュなストリートだ。
とても気に入った。
この後、近所のスーパーで買い物をした。
やはり日本のスーパーとは雰囲気が違う。
自分の欲しい物を見つけるのに時間がかかってしまった。
家に帰ると、ダミアンが野菜スープをふるまってくれた。
どこまで親切なんだ。
そうこうしているうちに、ダミアンのルームメイト、ルチアが帰って来た。
典型的なイタリア人で、とにかく良くしゃべる。
彼との会話についていくために、常にハイテンションを保たなければならなかった。
当初の計画では、ボイン渓谷やニューグレンジを観光するはずだったのだが、時間的に無理そうだったので、ここダブリンでのんびり過ごすことにした。
久しぶりに時間ができたので、ペギーに絵葉書を書いた。
ちゃんと届くかな。
翌朝目を覚ますと、ipadが電波を拾っていた。
おそらく、近所の住人のWIFIだろう。
ダミアンの家にはWi-Fiがないのだ。
これ幸いと、たまっていたメールの返事を書く。
昼過ぎにダミアンの家を後にした。
短い間だったが、私はすっかりダブリンが好きになってしまった。
これでお別れかと思うと、悲しくなる。
いや、きっとまた来よう。
今度はもっと時間をとって。
テーマ : カウチサーフィン(Couch Surfing)
ジャンル : 旅行